ショパンの作ったノクターン(夜想曲)はどれもとっても美しく、すばらしい芸術作品として今でも高い評価をうけている作品です!

わたしもノクターンは大好きでよく弾きます。
その中でも最もお気に入りは13番のOp.48-1です。
この曲は華やかで、でも切なさがつまった曲で、、、

はじめて聴いた時は大きな衝撃を受けたことを今でもしっかり覚えています!
一度聴いたら、しばらく頭から離れなかったですね。

「いつか絶対弾けるようにしたい!」と思った小学4年生の夏でした(笑)

そうしてわたしが実際に弾いたのは高校3年生の時でした。
最初は譜読みに困ることなくできたのですが、そこからがまったく進まなくて(曲の内容や情景を理解しきれなかった)苦戦しました。

20代になってある程度いろいろな経験をしてようやく弾ける、というのが正直なところ。
でも、本当に素敵な曲なので年代関係なくいろいろな人に弾いてほしいと思っています!


さて、気になる難易度ですが☆10がマックスだとすると☆8くらいです。
細かくいうと、「譜読みは☆6」の「音楽表現は☆9.5」といったところでしょうか。

ツェルニー30番は終わっていることが必須と、ツェルニー40~50番程度が望ましいです。
また、他のショパンの曲も(エチュードなど)いくつかやっているとつかみやすいかもしれません。


参考音源はこちら


楽譜は、わたしはパデレフスキ版の楽譜を使っています。


それでは、さっそく弾き方の解説にいきましょう!!

■ 目次

最初がカギをにぎる?!

ショパン「ノクターン第13番ハ短調Op.48-1」ピアノ楽譜1
結構耳がこえている人というのは最初の一音目をどのように弾くのか、よく聴いているんです。
特にこの曲の一音目はとても重要!
オクターブのCの音ですね。
適当に入るのではなく、自分がどんな音を出したいのかをしっかりイメージして入らないといけません。

また、右手のメロディーの一拍目は休符から始まっていますね。
つまり、曲の始まりは伴奏のみで始まるわけで、しかも一拍あとにはすぐメロディーが入ってきます。
なので、オクターブのCで曲の雰囲気に聴き手を引き込まなくてはいけないということです!

最初に出てくる記号「mezza voce(メッザ・ヴォーチェ)」があります。
この意味は「半分の声で」「音量を落とし、やわらげた音で奏でる」です。

ピアノを使わず、意図的にmezza voceを使っていることから、ショパン自身もこの一音目に非常にこだわっていたことがうかがえますね。

具体的な弾き方ですが、良い音を出そうとすると集中するあまり肩に力が入ってしまう人が多いです。
ここは、肩の力を抜いてリラックスした状態から静かに入るのが理想!

また、弾き始めもオクターブの用意から打鍵する際、一度手首をあげて上から弾く人をたくさん見てきましたがそれもあまり好ましくないです。

用意した手をおもりが乗ったかのようにそのまま打鍵するととっても自然な音が出ますよ!
是非、お試しあれ!

指が足りなくなる?!

ショパン「ノクターン第13番ハ短調Op.48-1」ピアノ楽譜2 (動画 2:15~)

上の楽譜の左手をたどってみてください。
指は5本のはずなのに途中で足りなくなってしまいます。

ここ、案外難所なんです!
わたしはここがなかなかうまく弾けなくて、繰り返し練習していたら指が痛くなった、という経験があります(笑)

たとえば、二小節目の左手。
ここは明らかに指またぎしないと無理ですね。
この楽譜ですと、左手でト音譜表の一番下のミまで弾くという番号表示です。

つまり、ドソドミソドミ順番に5321321を左手。
右手はソドミソを1235を使うのが好ましいです!


気をつけなければならないことは、指番号を最初にしっかり決めておかないと後からぐちゃぐちゃになってしまってもつれる原因になるということ。
必ず最初に決めてしましましょう。

また、左手だけの練習も必須!
テンポがゆっくりだからとあなどれません。
ここの和音でテンポがくるってしまうことが多いので、メトロノームでまずは合うように練習してください。
それでも難しければ指番号を変えるのも一つの手です。

このように途中で指が足らなくなってしまうところは、無理にヘ音譜表は左、ト音譜表は右、というようにきめてしまうのではなく、ト音譜表でも左手で弾いてももちろん構いません。
柔軟に対応してください!

まとめ

最初と最後でテンポが倍速になるという変わった曲ですが、一度練習を始めるときっとよりこの曲のすばらしさにのめりこんでいくはずです。

そのためにも効率的な練習をして、上達への近道をぜひ通ってくださいね!


①大事なのは最初!最初の弾き方を徹底的に研究してみよう。
②オクターブ以上の音程が出てくるところは最初の段階で指番号をおさえておこう。


この二つは特に大事なことだと思ったので今回ピックアップして紹介させていただきました。
最も盛り上がる最後の部分はやりがいもあるし、練習していて楽しいところですよね。

最後まで練習をがんばって、この曲をマスターしてくださいね!!



「ノクターン第13番Op.48-1」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1894年にシャーマー社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。「ノクターンOp.48」全2曲が収録されており、Op.48-1は1ページからになります。


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