シューベルトの即興曲op.90は全部で4曲ありますが、コンクールやコンサートでよく弾かれるのは断然、2番のようです。
一度聴いたら憧れてしまう一曲ですよね。

速い動きの右手に、情熱的なメロディー。
「かっこいい!」といわれる要素が満載です!


わたしも小学6年の時に、ドミトリー・シシキンというピアニスト(その時はまだ15歳くらいの少年でしたが後のショパンコンクールファイナリスト)のシューベルトの即興曲を聴いてめちゃめちゃ憧れて、CDまで買いました(笑)


そうして練習を開始したのですが、練習を始めてみると案外思ったより弾きやすくて驚いた記憶があります。

もちろん、早いパッセージをきちんと弾くにはそれなりに練習しなければできませんでした。

ですが、教則本でいえばツェルニー30番から40番程度だったら弾けると思います。
30番のはじめのほうだと少し厳しいかもしれませんが、、、
でも、かつてブルクミュラーの子がコンクールで受賞していたこともあるので頑張れば大丈夫ですよ。

さて、それではさっそく弾き方の注意点をお話します!!

 
参考動画はこちら!!


第一テーマ、右と左のレベルが全然ちがう?!

普通、一曲の中で右手と左手の難易度というのはだいたい同じくらいで作られています。
(エチュードなんかで右手や左手のための練習のものだと、極端にちがうものももちろんあります!)

けれど、この曲の第一テーマをみてください。
これは、曲の冒頭部分です。


右がずっと動いているのに対して左手はずっと付点二分音符と二分音符でリズムを刻んでいるだけです。
いってしまえば、左手はバイエルくらいの難易度なのです。

この曲のミソは右手です!
しかも、右手はずっと休む暇もなく動き続けるので疲れてしまいます。
そうならないように、まずはしっかり右手の練習をしてくださいね。

練習方法はさまざま。
でも、一番効果的なのはリズム練習!!
ハノンにも、リズム変奏というのがついていて、8分音符でずっと動いているのを、あえていろいろなリズムに変えて練習しますね。

これは、指の動きをなめらかにするとともに、動きを機敏にするもっとも良い練習方法なのです。

この曲の場合は三連符で動いているのである程度リズムは絞られますが、ぜひ色々なパターンで練習してみてください。
今回は、リズム練習の紹介ではなく、できるだけ指が疲れない(負担にならない)方法を伝授します。


まずは、脱力。
よく先生から「もっと腕の力を抜いて!」といわれませんか?
けれど、必死に弾いている身としては、案外自分の体に力が入っていることに気付かないものです。
それはなぜかというと、インテンポで弾いているから。

脱力した状態を保つには、かなりゆっくり弾いてみないと確かめられませんし、ゆっくり弾くと自然と力を抜いて打鍵できるものです。

疲れるのは速い動きで余裕がないことから生まれます。
まずは、脱力できているかを確かめながらゆっくりの練習(リズム練習含む)をしてみましょう!


それができたら、曲の流れを考えます。
子どもが弾くと多いパターンの一つに三連符をひとつとして演奏してしまうことが挙げられます。

冒頭でいうなら、「ソシラ」「ソファミ」「レドシ」のまとまりで弾いてしまうことです。
確かにゆっくりな練習をしているうちは、大きな流れでとることは難しいと思いますが、ある程度慣れてきたら流れについて考えてみるといいかもしれません。

8小節1組の流れにしてみるとこうなります。


これで一つ。


その直後現れるのはコレ。



そしてまた直後がコレ。


同じフレーズが三回出てきますね。

右手がずっと動いている第一テーマであるこれらは、前半では全部で3回出てくるわけです。
つまり、冒頭から大きな流れは3つということ!

大きな流れでとれば、腕の負担も軽減されます。
それは、拍を手首でとろうとせず、からだ全体でとろうという意識からです!

ぜひ試してみてくださいね。

第二テーマは転調がいっぱい!

↑第二テーマのはじめ(動画 0:30~)

第二テーマは、第一テーマと違い、臨時記号が増えていますね。
それは、多く転調しているからです。
長調だった第一テーマに対し、少しずつ第三のテーマに向けて準備しているのがこの第二テーマ。







こうしてみると、すべて半音ずつ下がっています。
こうした音の動きをしっかりと知っておかなければいけません。
そうすると、階段状に強弱をつけることができますね。
この場合だと少しずつデクレシェンドするといいですね。

第三テーマは深みのある音を!

三つ目のテーマでは、しっかりと音を出して乱暴ではない深みのある音を出して下さい。
きっとこの曲にあこがれた人の大部分はこの第三テーマに魅力を感じたのでは?

とっても素敵ですよね!!

ただ、盛り上がるからと言ってただフォルテで弾くとちょっぴり残念。。。
少し切なさや悲しみなどの感情もしっかりプラスしてあげてください。

また、右手でメロディーと伴奏の二つを担当しています。


(動画 1:22~)

「シーシーシドレドー」が曲の旋律ですね。
そして和音を含む「シレ♯ファシ シ♯ドソシ」が伴奏です。

同じ右手でも、しっかり弾き分けをしなければならないので注意してください!
ここの練習方法は、メロディーと伴奏に分けて練習してみることです。
特に伴奏を右と左で弾くことになるので、そこを確実に聴き分けられるといいですね。

そしてメロディーと伴奏の音量バランスを考えて練習に取り組みましょう。

とってもかっこいい部分なので、ここをしっかり仕上げられると曲全体の完成度もグッと上がってきますよ!
頑張ってくださいね。

まとめ

大きく分けてわたしからのアドバイスは3つです!

①第一テーマはとにかく右の練習を徹底してやってみよう!そして大きな流れを大切にして弾こう!

②繰り返される転調を感じながら弾くことが大切な第二テーマ!そこから階段状に強弱をつけていこう!

③一番盛り上がる第三テーマ!ここは、ただ大きく弾くだけではなく、深みのある音を目指そう!練習では、メロディー部分と伴奏部分に分けて弾くと効果的!


以上です。
シューベルトの即興曲op.90は、この曲の他にあと3曲あります。
どれもとっても素敵で魅力いっぱいのものばかりなんです!


即興曲op.90はシューベルトの晩年の作品です。
シューベルトの魅力が満載で、シューベルトの作品の中でも評価がとっても高いんですよ!
シューベルトは、「歌曲の王」と呼ばれただけあって他の作曲家にはない、歌曲のように歌える部分が盛りだくさんです。
即興曲op.90を全4曲弾くことで、新たなシューベルトの魅力を見いだせるかもしれません!
ぜひ、2番だけでなく、他の作品にもチャレンジしてみてくださいね!!


「即興曲第2番Op.90-2」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1888年にブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版された楽譜です。「即興曲Op.90」全4曲が収録されており、第2番は7ページ目からになります。
  • Mutopia Project(楽譜リンク
    最近整形されたきれいな楽譜です。「第2番Op.90-2」1曲が収録されています。


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