ピエツォンカという作曲家の「タランテラ」。
この曲は、広く知れ渡ってはいませんがよく発表会やコンクールで耳にします。
なぜかというと、譜面の割に聴き映えがするし難しく聞こえるからです^^

わたしも実はこの曲を小学校4年生の時に、とあるコンクールの全国大会の自由曲で演奏しました!
広いホールで、自由に弾けてものすごーーーく気持ちよく演奏した記憶が鮮明に残っています(笑)
(ただし、その後の二曲目の自由曲でなぜか冒頭から調を変えて始めてしまい落選。笑)
苦すぎる思い出ですが、タランテラに関しては良い思い出としてしまっております!

わたしもかなりの時間を費やした曲なので、今でも生徒さんの発表会やコンクールでこの曲を提案することがあります。


(この楽譜の最後の方に入っています)


この曲を練習するにあたって、教則本はブルクミュラーに入っていれば弾けると思います。
実は譜読みは結構簡単!
何が難しいかというとテンポを上げてどこまで速く弾くことができるか、なんですよね。

なのでブルクミュラー程度の教則本が終わっている子にとっては、かなり完成度が高く仕上げられると思います!


それでは、さっそく曲の解説にうつりましょう!
参考音源はこちら!

テンポ感が重要なカギとなる!

冒頭でもお話ししたように、この曲の最も難しい点はテンポをあげること!
譜読みや強弱に関してはそこまで要求されませんがテンポがあがらないと全然かっこよくなりません!
というか、この曲の良さを引き出すことができません!!
ですので、とにかくメトロノームをふんだんに使ってテンポを上げる練習をしてください。

「速いテンポでかっこよく弾くぞ~!!」という気持ちも分かりますがいきなり速く練習するのはかえって遠回りになります。
たまにやってみるのはいいですが、まずはゆっくりから始めましょう。

以下の順番で練習するのがおすすめです^^
(ここでは付点八分音符を基準とし、一小節を二つずつでとっていきます。)


①80  ②85  ③90 ………..
といったかんじで80から5ずつあげていくのがいいと思います。
もちろん片手ずつからやってくださいね!
頑張って180は目指しましょう^^
理想は200くらいです。(このくらい速いと付点二分音符で拍をとっても構いません。)

最初80からはじめて一日や二日で180いくなんて無理です!
一ヶ月くらいかけてテンポを上げていきましょう。

アクセントがもりだくさん!


>(アクセント)が冒頭では一拍目にきています。
アクセントだけでも一つの流れを感じましょう。
拍頭の「ファーミーレーミーファー」の部分のことです!
さらに余裕が出てきたら、左手とのハーモニーも感じられると良いですね。


ピエツォンカ「社交ダンス第1曲「タランテラ」イ短調」ピアノ楽譜1
途中、こういったところでも拍頭にアクセントがきています。(動画0:26~)
なぜこの場合、こうしたアクセントがついているのかといいますと。。。
一拍目の左手に注目しましょう。
左手の一拍目はタイになっているので弾きませんね。
 
つまり、ここを聴いた人はまるで右と左が同時に演奏する四拍目の位置が拍頭だと思ってしまうわけです!
それを避けるために、きちんと一拍目の「ラ」にはアクセントをつけて一拍目の音であると主張しましょう。

ただ、やりすぎるとスラーが途切れてしまうようになるので気をつけてくださいね!!

休符をしっかりかぞえる!

ピエツォンカ「社交ダンス第1曲「タランテラ」イ短調」ピアノ楽譜2
次の音に移り変わる時に、休符があるのか、それともすぐに次の音符を弾くのか、必ず確認してください^^

たとえば、上の楽譜の最初の「ファソファミー」の後には【四分休符→八分休符→四分休符→八分休符】というように合計六拍分の休みがあります。(動画0:29~)

でも、次の「ファソファミー」のあとには一拍の休符もなく次の「ファソファミー」が出てきます。
ここでしっかりメリハリをつけておくと、曲のおもしろさが出てくると思うので意識して弾いてみてください!

雰囲気をガラリと、、、

ピエツォンカ「社交ダンス第1曲「タランテラ」イ短調」ピアノ楽譜3
ここからdolce e cantabileとなっています。(動画0:45~)

ガラッと雰囲気を変えて、歌うように優しく弾いてみましょう。
(ここが第二テーマ)

また、右手で付点四分音符になっているところ(一拍目と四拍目)はメロディーの核となる部分。
よく歌ってあげましょう。
ここも、左手とのハーモニーが絶妙な部分!!

右と左を合わせるときは、メロディーの核となる部分だけを取り出してフレーズを感じる練習も効果的。
ただただ普通に弾くのではなく、音を減らしてもきちんと流れが感じられるようになればGOOD!!

クライマックスの盛り上げ方は、、、?

ピエツォンカ「社交ダンス第1曲「タランテラ」イ短調」ピアノ楽譜4
曲は進むにつれて最初と少しずつ形を変えます。
おなじ最初のテーマでも微妙に和音が変わっていたりリズムが変わったりしています。

クライマックスでは上記のような箇所があります。(動画1:55~)
ここでは今までメロディーだった右から、左に重点が移ります。

右がメロディーなのに変わりはないのですが、左の旋律の動きを感じることが大切な部分です。
「ラシドレミファミレド」の旋律です。
ここは音が上がるにつれてクレシェンド。
音が下がるにつれてデクレシェンドをかけます。
ここを強弱をつけて表現することで、低い音程の音の動きが感じられるようになり面白みが出てきますよ。


最後の最後は、荒れ狂った波のように激しく終わります。
終わりになるにつれて速くしていくとより緊迫感があって良いです。

ピエツォンカ「社交ダンス第1曲「タランテラ」イ短調」ピアノ楽譜5
「Prestissimo(きわめて速い)」という楽語もありますね。

おわりに


弾いていけばいくほど、中身が濃くてやりがいのある曲だと感じられると思います。
譜読みをして間違えずに弾けるようになったら完成ではなく、テンポだったり曲想だったりを自分なりに考えて弾いてみてください!

テンポがかなりあがれば、コンクールや発表会で映えること間違いなしです。
頑張って練習してくださいね^^



「タランテラ」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。アウゲナー社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。

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