「大切なもの」という合唱曲は、今や小学校でも中学校でも歌われているとっても有名な合唱曲の一つです。
また、小学五年生の音楽の教科書にも同声二部合唱として記載されています。
中学校でも混声三部合唱として、合唱コンクール等でよく歌われています。
ピアノ伴奏は、ある程度ピアノをやっていればできるレベル。
簡単なほうです!
教則本でいえば、バイエルの終わりのほう(90番以降くらい)でしたら、十分弾けるレベルだと思います。
小学校の教科書に載っている楽譜は、シャープやフラットのなしのハ長調なのでめっちゃめちゃやりやすいです!
小学校中学年でも弾けてしまうひとはいるのではないでしょうか。
ただ、混声三部合唱の楽譜では調が違っているのです。
混声三部合唱バージョンでは、なんとフラットが5つ!!
変ニ長調になっています。
少々譜読みに苦戦するかもしれませんが、リズムはいたって単純なものなのでやりにくくはないはずです。
同声二部合唱版
混声三部合唱版
楽譜はこの曲集に入っています。
作曲者からのメッセージって?
作曲者は、以下のメッセージを残しています。あなたにとって「大切なもの」とはなんですか?
わたしは、励ましの言葉や人との出会い、そして一人で生きているわけじゃないんだと感じる人とのつながりなど、たくさん大切に思うものがあります。
繰り返される季節の中で風を感じながら、新しい出会いや、つらいこと、うれしいことが待っている日々。
そんな中で、見失いがちな大切なものを思い出してくれたら、と思います。
具体的に「○○を思い浮かべてください」や「○○をイメージしてつくりました」などとは書かれていません。
自分にとっての大切なものを思いながら歌ってほしいということですね。
この山崎朋子さんは非常にたくさんの合唱曲を書かれていて、それらの曲はどれも素敵なものばかりです。
作曲者のメッセージも汲み取って曲を仕上げていくことが大事ですね。
右手の弾き方が合唱をひきたてるコツ!
ピアノ独奏だと、おそらくほとんどの場合が右がメロディーで左が伴奏であることが多いのではないでしょうか?しかし、合唱などの伴奏の場合はその概念からはずれましょう!
もちろん、前奏、間奏、後奏のピアノだけになるところでは、右のメロディーは出してOK!
でも、合唱が入ったところでは右手をできる限りおさえることが合唱をひきたてるコツなのです。
例えば、6小節目から「そらにひかるほしを」と歌が入ってきますね。
そこからは、できる限り右手はおさえて弾いてみましょう。
そして、バスを奏でる左手は右手よりもわずかに出すと最高にいいバランス!
なぜかというと、右手はこの曲の場合ほとんど四分音符で進行しています。
ここを出してしまうと、メトロノームのように拍を刻む役割をしてしまって音楽の流れをさまたげてしまいます。
なので、あくまで陰で拍をとるというイメージで弾くと良いでしょう。
強弱の上手い下手を左右するのはピアノ!
合唱曲でも、強弱は欠かせない音楽要素の一つです。でも、この鍵をにぎるのはピアノなんです。
ピアノが合唱と一緒になってしっかり(極端に)Pにすると歌もつられてぐっと小さくなります。
そこからクレッシェンドをぐっとつけると、歌も勢いがついてきます。
「大切なもの」では、大きく3つの部分に分かれています。
①そらにひかるほしよ、、、
②あれから いくつもの、、、
③たいせつなものに きづかないぼくがいた、、、
それぞれ強弱は、①メッゾピアノ、②メッゾフォルテ、③フォルテ
と変化しています。
だんだんと曲が盛り上がっていくのをしっかりピアノも強弱をつけてサポートしてあげると、より歌い手も歌いやすくなると思いますよ!
最後のritとppの弾き方は、、、?
この曲は、だんだん弱く消えるように曲が終わっていく曲です。ピアノ伴奏の腕の見せ所です!!
この曲では、最後にサビが再度登場し、盛り上がったところで急に優しい曲想に変化します。
その変化を手助けするのは42小節目です。
「きみがおしえてくれた」の「た」で次の曲想にむかう準備をします。
その間に動きがあるのはピアノだけなので、しっかりこの小節の間でPにもっていってください。
最後の「たいせつなものを」はritでなおかつPPです。
指揮とずれやすくなる箇所なので、ここは指揮者と綿密に相談して合うまで何度も練習してください。
そして、できるだけ肩の力をぬいて力まずに。
最後のフェルマータも見逃さないようにしてください。
最後の音まで気持ちをこめて大切に弾くようにしましょう。
最後に
わたしもこの合唱曲が大好きです。
とっても奇麗な旋律が印象的ですね。
より流れるように歌うにはピアノ伴奏がカギです。
ぜひ、今お話したことに気をつけて練習してみてくださいね。