みんなが弾いてるブルグミュラー25の練習曲の24曲目「つばめ」。もうこの曲集も終盤にさしかかっていますね!
つばめのすばやく飛び交う様子が表現されたこの曲、はやく弾けるとかっこいい!弾いているところを見たことがある人は、上級者っぽい動きに魅了されたのではないでしょうか。
両手をクロスさせて華麗に弾く。それがこの曲の醍醐味です。しかし、楽譜を見てもなかなかどう弾くのか意味がわかりませんね。これまで23曲ブルグミュラーを弾いてきた人でも、今までにない表記に戸惑うこともあるかもしれません。
この記事ではピアノ歴23年の筆者が、弾き方を一から説明していきたいと思います!
ブルグミュラー25の練習曲より第24曲「つばめ」
ブルグミュラーは、ピアノの練習曲を大量に作ったドイツの作曲家です。この「ブルグミュラー25の練習曲」はその中でもとても有名な練習曲集で、初心者はみんなこの曲集をやるといっても過言ではありません。いわゆる、中級者への登竜門ですね。
みなさんも、一度は耳にしたことのある曲がこの曲集には何曲も入っていますよ!特に「貴婦人の乗馬」や「アラベスク」などを小学校の音楽室で弾いている人がいたりしたと思います(笑)
この「つばめ」は、そんな、子ども達にも有名なブルグミュラー25の練習曲の24曲目で、最後の曲「貴婦人の乗馬」の前の曲になります。終盤の手強い曲のひとつといっても良いでしょう…。
弾けるようになったらとっても楽しい!人にも聴かせたくなる…というか、見せたくなる!というくらい、弾いている見た目もすごい感じが伝わって来る曲になっています。
難易度は?
難易度は…はっきり言って結構難しいです(笑)音自体はそんなに変わった音が出てくるとか、和音がたくさんあるとか、そういうわけではないのですが、なにしろ両手を交差(クロス)するのが本当に難しい!!最初は筋肉痛になったなんて人もいるくらいです(笑)
弾き方のコツ
この曲はとにかく両手を交差させる練習です。
まずはどの音をどちらの手で弾けば良いのかを把握する必要があります。結構面倒なので、混乱してしまって挫折してしまう人が多いです。
m.gはマン・ゴーシュの略で、左手で弾くということです。一小節目で見ると、この「レ」だけを左手で弾くかたちになります。ちなみに余談ですが、私は小さい頃、m.gは「migite」かと思っていたので、なんで右手って書いてあるのに左手で弾くんだよ!と思っていました。(笑)日本語なわけないんですけどね…笑
冗談はさておき、具体的に一小節目の弾き方を下に書いてみます。
左手「ソ」
↓
右手「レソシ」
↓
右手はそのへんの位置に置いたまま、左手を右手よりも右にクロスさせて持って来る(上を通します)
↓
左手で高い「レ」
↓
右手「シソレ」
↓
左手を元の位置に戻して「ド」
…
といったことの繰り返しになります。
右手は普段弾くように弾き、次弾く音のために、その場にいてください。左手が迫って来るからって逃げないこと!(笑)あくまで、つばめのように飛び交うのは左手だけ。左手が、右手をぴょんぴょん飛び越えて、低い音から高い音まで奏でていきます。
この動きが、「つばめ」なのかな、と筆者は個人的に解釈しています。みなさんの解釈はどうかな…?
(動画0:47〜)最後の二小節は、ピアニシモになっていることもありますし、軽く弱くさらっと終わってください。ここは、手の交差というよりも、右手に左手がついていって、上から下へと降りていきます。飛び交っていたつばめが、最後に地面に着地するイメージでしょうか。
最初は音が把握しきれなくて弾くのが大変でも、それを思わせないようにさらっと弾けるといいですね。がちゃがちゃしない、身軽でスマートなつばめが良いですね。
弾けると?
この曲を軽く弾けるようになれば、手の交差はばっちりです。もちろん曲によって差はあるものの、この頭の混乱しそうな状態に慣れるのがまず第一関門ですからね。これは上級者でも、苦手な人が多いです。「譜読みに時間がかかる(めんどくさい)」「弾いている最中に左右が分からなくなり混乱してくる」というのが理由です。私もどちらかというと苦手なほうです。
しかし、ひとたび弾けるようになると、結構楽しかったりします。見た目も、なんかすごい!って感じはしますしね笑
この曲のような手の交差が出てくる曲は本当にたくさんあります。
例えば、リストの「ため息」は曲自体のレベルはかなり高いですが、手をクロスさせる動作は似ています。また、バッハの曲にも手を交差させる動きは結構出てきます。「ゴールドベルク変奏曲」や「イタリア協奏曲」「パルティータ」の中にもこのような曲がみられます。
また、ポップスでは、連弾デュオの「レフレール」なんかが、手をクロスさせた演出で有名ですね。
このように、両手を交差させて弾くことができると、見た目も音楽的にも結構派手できらびやかな感じの演出をすることができます。断然、上級者っぽく見えますね!!コンサートなどでは本当によく映えますし、「ピアノ弾けるんだー」っていう感じで、ちょっと誰かに弾いてみせる時なんかにはもってこいの曲です!(笑)
ピアノの曲には、実際弾くのが簡単でも、素人から見ると難しそうに見える(聴こえる)曲や、その逆もあります。ピアノをずっとやっている筆者でも、ベートーベンやバッハは、弾くのがとても難しいにも関わらず、「何かの練習曲?」なんて言われることがあるくらい、素人目には難しさや奥深さが伝わらないこともあったりします。
逆に、ショパンなんかは、案外弾きやすくできていて、個人的にはベートーベンよりはかなり完成させやすい部類だと思っています。しかし、ベートーベンを弾いたときよりも、「すごい!」って言われがちなんですよね(笑)
それに比べて、この曲は、そこそこ難しいものの、そのぶん本当に難しさが見る人(聴く人)に伝わりやすい曲になっています。大変なぶん、やりがいは十分にありますよ!
まとめ
ブルグミュラー25の練習曲集より24曲「つばめ」は、飛び交うつばめの様子をよく表している曲になっています。ちなみにブルグミュラーは練習曲でとっても有名な作曲家ですが、そのブルグミュラーの作った曲の中でも人気のある曲集が、この25の練習曲になっています。中級者への登竜門ともいえるこの曲集の中で、終盤に来るのがこの曲です。
難易度ははっきりいって難しいですが、苦労したぶんだけ「すごい!」という感じが見ている人(聴いている人)にも伝わる、とってもステージ映えする曲になっているので、ぜひ頑張ってみてください。
この曲は両手の交差(クロス)がポイントで、右手は移動させずに、左手がすばやく右手の上を行き来するように弾きます。
これが弾けると、様々なクラシック曲やポップス曲が弾け、音楽的にはもちろん、演出的にもとってもかっこいい演奏ができるようになりますよ!ぜひ、挑戦してみてくださいね!
「つばめ」の無料楽譜
- IMSLP(楽譜リンク)
本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1903年にペータース社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。「25の練習曲」全曲が収録されており、第24番「つばめ」は36ページからになります。
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