「ブルグミュラー 25の練習曲」の中のひとつ、アラベスク。
難易度としては、(練習内容や、個人差もありますが)バイエルを終えてから、早い方で半年~2年くらいの間に挑戦されることが多いでしょうか。
でも、「練習曲」ってツマラナイ。「なんとなく」で練習しちゃっていませんか。

お恥ずかしながら、かくいう私がその1人でした。
20年ピアノを弾き続けてきましたが、アラベスクは「なんとなく」で10年以上前に弾いたきり。・・・だったのですが、久しぶりに弾いてみると、この曲ってとんでもなくかっこいい!今までの私、恥ずかしい・・・。

そこで今日は、今、アラベスクを弾いているあなたが、私のように恥ずかしいピアノ弾きにならないために、アラベスクをカッコよく弾くための弾き方をお教えしたいと思います。


■ 目次

そもそもアラベスクってどういう意味?


アラビア~ンなこと?踊りや音楽の名前??意外とわかっていないものです。

「アラベスク」とは、一般的にアラビア風の装飾のことを指しますが、音楽の際にはそうしたアラビア風の装飾、唐草模様のように流麗な旋律や細かい上下の動きが組み合わさった曲を意味します。

なるほど。ブルグミュラーのアラベスクも、その内の1つというわけですね。
ピアノ歴20年を経て、ようやくアラベスクの意味を知りました。うう、先ほどから恥ずかしさばかりが露呈しています・・・。



始まりはスタッカートで軽やかに

ブルグミュラー「25の練習曲第2番「アラベスク」イ短調Op.100-2」ピアノ楽譜1
楽譜を見てみますと、最初は左手のスタッカートが続きますね。
無から始まる左手の和音。聴衆が「なんだなんだ?何か聞こえるぞ」と耳を傾け始めたところで登場する右の旋律。想像するだけでゾクゾクしませんか。

右手は難関ですが、焦らず慌てず、軽やかな響きを目指してください。
左手の和音に乗っかるくらいの気楽さで良いと思います。
ところが右手の動きに気を取られていると、その左手がバラケがちになってしまう・・・。
これではせっかくの右手の登場も台無しになっちゃいますね。

左手はリズムキープを目的に、まとまった音で聴衆の耳をいざなうように。
せっかく練習した右手をきれいに聞いてもらうためにも、先頭を切る左手はまとまった音で演奏したいものですね。

中間部の左手、難易度高くない・・・?


さっきまで右手を頑張っていたと思ったら、次はその動きが左手へ。
「えーっ、やっと右手が動くようになったのに!次は左手だなんて、ひどい!その上フォルテ!?うう、ひどい!」・・・などとも言っていられません。
では、なぜ左手の難易度が高いのか?と考えると、右手のように動かないからなんですよねぇ。

ブルグミュラー「25の練習曲第2番「アラベスク」イ短調Op.100-2」ピアノ楽譜2
試しに右手で左手の音符を弾いてみてください。すんなり弾けてしまいませんか?
そう、もう右手の動きは前半の練習で慣れているので弾けちゃうのです!
目指せ、右手の動きを左手で。
ここはとにかく練習あるのみです。
アクセントをずらしてみたり、ゆっくりとしたテンポで弾いてみたり。様々な方法で練習してみましょう。

フォルテ=強く弾くのではなく、一音一音、しっかりと音を出すことを目標に。
右手はスラーの動きを大切に。スラーの間で途切れることのないように、なめらかに弾きましょう♪

Risoluto (リゾルート)・・・決然と、きっぱりと。

ブルグミュラー「25の練習曲第2番「アラベスク」イ短調Op.100-2」ピアノ楽譜3 さて、それでは最後の段へとうつりましょう。
中間部を終えて最初の動きに戻ったのもつかの間、すぐにラストがやってきます。
記号はクレッシェンド、音はどんどん高い場所へと上っていき、そこへ最後から 2 小節前の「risoluto」!こりゃもうテンションが上がらない方が無理って話です。

高低差が激しい部分ですが、ここは頑張って最後まで駆け抜けましょう。
最後の和音をはずしやすい場合は、全ての音を抑えに行かず、体の外側にあたる音(左手が低いラ、右手が高いラ)から優先的に鍵盤の位置を当てるようにすると、弾きやすいと思います。

まとめ

1. アラベスクとは、アラビア風の装飾のように、旋律が混じり合ったもの。
2. はじめは右手を軽やかに粒立てて。左手はリズムをキープ!
3. 中間部では、目指せ左手で右手の動き。右手のスラーは途切れずに。
4. 終盤は、心のままに盛り上がって!ラストまで駆け抜けましょう!

これならきっと、アラベスクがカッコよく弾けるはず!
たかが練習曲?いえいえ、されど練習曲。「つまらない」と思って弾いてちゃもったいない。
そして、以前の私のように知らずに弾くのももったいない笑
「これが練習曲?」そう思えるくらいかっこいいアラベスクに挑戦してください。

それでは、皆様楽しい鍵盤ライフを♪



「アラベスク」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1852年にショット・ミュージック社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。「25の練習曲」全曲が収録されており、第2曲「アラベスク」は3ページ目からになります。
  • Mutopia Project(楽譜リンク
    最近整形されたきれいなパブリックドメインの楽譜です。「アラベスク」1曲が収録されています。

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