バッハのインベンションは、クラシック曲を学ぶ上で欠かせない教材となっています。
今回は15曲ある2声のインベンションの中でも演奏されることが多い「第4番」をご紹介します!
個人的にも好きな曲で、ニ短調という悲しげな調なのにとても躍動感がありメロディーの美しい曲です。
強弱をあまり付けなくても美しく聞こえるのですが…
この曲は現代のピアノでしっかりと強弱を付けて感情を込めて弾いた方が、綺麗にまとまるのではないかなと思います。
難易度は?
第4番は2声のインベンションの中でも比較的易しく弾きやすいので、最初の1番を弾いた後に弾かれることが多いようです。
私もピアノを習っていた頃インベンションを何曲か練習しましたが、2番目か3番目くらいに弾いた覚えがあります。
メロディーも特徴的で覚えやすいので、譜読みもしやすいです。
ただし短調の曲は臨時記号がたくさん出てくるので、そこだけ少し難しいかもしれません。
難易度的にはブルグミュラー程度ですが、右手がメロディーで左手が伴奏という一般的な曲の形とは違います。
ポリフォニーと言って、2つ以上のメロディーを同時に弾くのがバッハの音楽の特徴です。インベンションでは2つ、シンフォニアでは3つのメロディーを同時に弾きます。
一般的な曲は右手のメロディーの方をしっかりと弾けば、それなりに弾けているように聞こえてしまうのですが…
インベンションはそうはいきません(笑)
右手も主役、そして左手も主役になるのです!
この曲も右手と左手どちらも大事なメロディーを演奏するので、片手ずつしっかりと覚えていきましょう!
弾き方のポイントは?
まず重要なテーマとなるメロディーを確認しましょう。(動画冒頭~)
赤丸で囲っている16分音符のメロディーと、青丸で囲っている8分音符のメロディーの組み合わせでほぼ構成されています。
16分音符のメロディーは、滑らかに歌うように弾くのがポイントです。
8分音符のメロディーの方は、1音1音確かめるように丁寧に弾くのがポイントです。
スタッカートまではいきませんが、1音ずつ指を離して演奏しましょう。
(動画0:12~)
11小節目や13小節目のような、右手と左手が同時に16分音符で動くところはテンポがずれてしまいがちなので気を付けましょう。
弾きにくいなと思ったら、付点のリズムなどに変えてリズム練習をすると指がスムーズに動くようになりますよ。
(動画0:21~)
19小節目の右手のトリルは3小節続きます。
一生懸命弾いてしまうと疲れてしまうので、手首の力を抜いて楽に弾くように意識しましょう。
トリルは「レドレドレド…」というふうに演奏しますが、3と1の指で弾くのが弾きやすいと思います。
左手の16分音符のメロディーに合わせて、だんだんクレッシェンドすると綺麗です。
(動画0:32~)
次に29小節目~33小節目までは、左手の長いトリルが出てきます。
先ほどの右手のトリルより長いので、ここも疲れないように手首の力を抜いて指の重みだけで弾くイメージで5小節間がんばりましょう!
ここのトリルは「ミファミファミファ…」というふうに演奏します。
2と1の指で弾くか、途中で3と1の指に変えてもいいでしょう。
(動画0:45~)
42小節目~クレッシェンドで盛り上げたら、44小節目で初めのテーマに戻ります。
この部分は今までで一番盛り上がるつもりで、フォルテでしっかりと演奏しましょう。
49小節目の音が下行していくところから、だんだん小さくして最後は優しく丁寧に終わります。
ちなみにテンポは、8分音符=120~140くらいで演奏されることが多いです。
少し速めのテンポなので1分ほどで弾き終わってしまいますが…
短い中でも右手と左手のメロディーの移り変わり、転調、強弱表現など様々なテクニックが詰め込まれた曲ですね。
まとめ
・第4番はインベンションの中でも弾きやすく、よく演奏されている♪・16分音符と8分音符のメロディーは対照的に弾き分ける♪
・長いトリルの部分は一生懸命になりすぎず、力を抜いてリラックス♪
以上がこの曲のポイントになります!
ちなみにチェンバロで演奏している動画もあります。
チェンバロの音色だとまた雰囲気が変わって面白いですよね。
私は最近、気軽に弾ける電子ピアノでぽろぽろと好きな曲を弾いているのですが…
電子ピアノだとチェンバロの音色が入っているので、バッハの曲はチェンバロやオルガンの音に変えて弾くという遊びをしています(笑)
電子ピアノをお持ちの方は、せっかくなのでピアノ以外の音色でも弾いてみてはいかがでしょうか。
バッハの曲の、新しい魅力に気付くかもしれません♪
「インベンション」の無料楽譜
- IMSLP(楽譜リンク)
本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1890年にペータース社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。「インベンション」全15曲が収録されており、第4番BWV775は10ページからになります。
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