「ブルグミュラー」25の練習曲の中の「アラベスク」。かっこいいイメージがありませんか??「でも難しいのかな?」「かっこよく弾くコツは?」この記事ではアラベスクについて詳しく説明していきます。
せっかくのかっこいい曲、バシッと弾ききるために、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね!
ブルグミュラー25の練習曲より「アラベスク」
「ブルグミュラー」は、ドイツ出身の有名な作曲家で、ピアノの練習者用の作品がたくさんあります。この「ブルグミュラー25の練習曲」はその中でもとても有名な練習曲集で、「ブルグミュラー」というだけでだいたいこの曲集のことを指したりしますね!
この「アラベスク」は、曲集の2曲目にあります。特にみなさんは、この「アラベスク」は聴いたことがあるのではないでしょうか?音楽室なんかで弾いている人がいたり、どれだけ速く弾けるか競争!なんてやっちゃうのもこの曲あるあるですね!(笑)
男子にも人気があります。かっこよく、ある程度速く、勢い良く弾けたらかっこいいのがこの「アラベスク」です。
さて、アラベスクとはどんな意味でしょうか?これはアラビアふうという意味で、美術や建築でも使われているアラビアふうの模様のことも言ったりするんですね。音楽では、動きが多かったり、細かく上下するような音の形の曲を、いろいろな作曲家が「アラベスク」という名前を使って作っています。
J-POPなどのように、ひとつの曲の名前は特定のひとつの曲だけを指すわけではないところがクラシック音楽のおもしろいところでもあり、ちょっと混乱しちゃう人もいるかもしれない、そんな特徴があります。
難易度は?
この曲は、インテンポ(本来の速さ)で仕上げるには、結構難易度が高いと思います。実際に、筆者は、発表会などでなかなかインテンポで弾けている人を見たことはないです(笑)弾ける人は相当な実力を持っているといっても良いでしょう。
ただ、曲としてそれなりに、ゆっくりめに仕上げるぶんには、十分初心者でも挑戦できます。
一番難しいところは、個人的には初めは右手に、そして途中から左手にも現れる、16分音符の含まれたスラーでつながれた音型。ここを指が転ばずに、しっかりと安定して弾くというのが最大の難点です。しかし、逆に言えばこれができるようになれば、もうこの曲の8割は完成していると思っても良いでしょう。
弾き方のコツ
まずこの「アラベスク」は、ブルグミュラー25の練習曲1曲目の「すなおな心」と同じく、冒頭を見てもらうとシャープもフラットもついていませんね。しかし、曲の感じは、「すなおな心」に比べると決して明るい雰囲気ではありません。実はこの曲の調は「イ短調」で、短調(物悲しい雰囲気の調)の中でも、シャープやフラットが一つもついていない調でできている曲になります。ちなみに、1曲目の「すなおな心」は明るい雰囲気なので「長調」です。
さて、冒頭ですが、左手の和音が4つ続きます。これは前奏といっても良いですね。
「前奏」ってなんだろう?と思う人も多いかもしれませんが、好きなJ-POP音楽を思い浮かべてもらうと、歌がはじまる前に、歌の入っていない音楽の部分がありますよね。(ない場合もたまにありますが)この部分を「前奏」といって、簡単に言うとこれから曲がはじまるよー聴いてねーと注意をひきつけるような意味合いがあります。
ここではそんな役割とともに、テンポ(速さ)を決める役割もあります。
あるあるなのが、この和音は簡単に弾けるからといって、かっこつけて速く弾いてしまうパターン。そうすると、右手のメロディーがはじまったときに、16分音符で細かいので、そのテンポについていけず、いきなり遅くなっちゃうんですよね。そうなるとかなりダサいので注意しましょう(笑)
必ず最初から弾けるテンポで落ち着いて和音をきざむことが重要になってきます!
そして右手のメロディ(動画0:03〜)は、5音ずつで一つのかたまりと考えましょう。16分音符は、「つぶをそろえて」弾くのが重要です。音のひとつひとつの入るタイミングがずれたり、鍵盤をかすったり(空振りしたり)、音の長さがバラバラになったりしないように何度もよーく練習していきましょう。
はじめはこれでもかってくらいにゆっくりからの練習を繰り返すのがポイント!
そしてしっかりつぶが揃うようになったら、軽やかになるように徐々に力を抜きつつ、テンポもあげていきましょう!
また、ここでは結構高いところまで音がありますね。六小節目の、右手の最後の音は「ミ」ですが、このくらいまでさっと読めるようになると、譜読みもはやくなって良いですね。はじめは分かる音から指を指しながら数えていって良いので、だんだん慣れていきましょう!
ここ(動画0:16〜)で難関の左手の速い動きが出てきますね。右手の時にはできても、左手になると難しい!という人も多いです。かくいう私もその一人ですが…(笑)ショパンなど複雑な曲を弾くようになっても、なんだかんだいって一番難しいのは左手の速く細かい動きだったりするんですよね…
単純な「ラシドレミ」という順番にあがる音でも、頭では分かっていても指が言うことを聞いてくれなくて、どうしても転んでしまうものです。特に利き手が右手だったりするとそうですね。
なので、ここは上手く弾けないのが当たり前!と割り切りましょう。でないと、「この左手動いてくれない!どうかしている!!!」なんてかんしゃくを起こしかねません(笑)
ポイントはやはりこちらもかなりのゆっくりの速さから確実に弾けるようにして、本当にメトロノームで1ずつ速くしていくくらいでも良いです。根気はいりますが、確実に上達はしますよ!
あとは、ある程度の勢いが必要なのも確かです。「ラ・シ・ド・レ・ミ」と一個ずつに思っていてはなかなか難しいので、最後のミに向かって行くイメージを持って、スラーのかかった5つの音で1つと考えて弾くと良いですね!
最後は両手が同じ動きをします。(動画0:45〜)右手だけ、左手だけでも難しかったのに、同時に両手!?と思うかもしれません…。
まあ確かに難しいです(笑)
が、ここを決めないと、最後の最後にずっこけるような音楽になってしまうので、 ゆっくり、片手ずつの練習をして、今度はゆっくり両手で…とやっていくのが良いですね。
そしてここはフォルテで力強く!かっこよい見せ場なので、バシっと決まると良いですね!
最後の和音(動画0:47)は音さえ分かれば大丈夫だと思うので、瞬間的に強く弾き、あとはちょっと長すぎるかな?と思うくらい十分のばしましょう。(フェルマータ)
よく最後の音を弾いて安心してしまって、パッと離す人がいますが、せっかくのフィナーレを切り上げすぎるとかっこ悪くなってしまうので注意!終わり良ければ全てよし、かもしれないですよ…(笑)
弾けると?
この曲は、とっても聴き映えするので、発表会で弾く人は多いですが、なかなかかっこ良く決まっていることは少ないのが現状です…(笑)なので、ぜひこれを読んでいるあなたにはそれを打破してほしい!と思います!また、小学生などでは男の子に人気の曲でもあります。どうしてもまだまだ「ピアノっておとなしそうな、女の子のイメージではずかしい…」なんて思っている子もいたりするんですが、この曲をレッスンではじめると、「かっこいい!」「弾けるようになりたい!」と思ったりします。
そして「とにかく速く弾きたい!」なんて思って、速弾き競争がはじまったりもします。ただ曲を速く弾くだけというのは、音楽はスポーツではないので、本来はダメですね(笑)でも、子どもにとって、どんな形でもピアノに興味をもつという意味では、あながち悪くないとも、筆者は個人的には思います(笑)
そして、この曲が終われば、次からはシャープやフラットがつく調の曲が出てきます。今までもそういう曲は弾いたことがあるかもしれませんが、ブルグミュラーに入るとぐっと曲のレベルがアップしているのが分かってきたと思います。
なので今後もどんどん曲が進んでいけるようにするためにも、まずはシャープやフラットのついていない「アラベスク」そして1曲目の「すなおな心」に取り組んでいきましょう。
独学の人は、この曲だけでなく、「すなおな心」も練習してみることをおすすめします。
まとめ
アラベスクは、子どもたちに大人気の、かっこいい曲です。歯切れよく、かつ指が転ばないように、つぶをそろえて16分音符を弾くのが難しいですが、それさえクリアすればかっこよく、ノリノリで弾けて楽しい曲ですよ!曲の最初はテンポを決める重要な部分なので、一曲を通して、今の自分がどれくらいのテンポで弾けるのか、それをしっかり把握して弾き始めると良いですね。
また、難しい部分は、とにかくゆっくりから確実に安定して弾けるようにして、そこから少しずつテンポをあげていくことです。
スラーがかかっている部分の動きでは、スラーの最後の音に向かって進んで行くイメージを持って一息に弾くようにするのもポイントです。
最後には両手同時に16分音符で動くところがありますが、決めポイントなので、ここだけはなんとしてもこけないように入念に練習していきましょう。
この曲が弾けると発表会でも映えますし、特に小学生男子などには「かっこいい!」と人気だったりします。ピアノではこんなにかっこいい曲も弾けるんだ、というのが分かる一曲になっています。ぜひ取り組んでみてください!
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