ベルガマスク組曲は、ドビュッシーのピアノ曲の中でも人気の作品です。

特に第3曲目の「月の光」は有名ですよね。
今回ご紹介するのは第1曲目の「プレリュード」です。

プレリュードは「前奏曲」という意味で、組曲などの最初の曲に付けられていることが多いです。
この曲も冒頭から何かが始まるような、わくわくする曲ですね。

ちなみに「ベルガマスク組曲」の由来は、ドビュッシーがイタリアのベルガモ地方というところの農民生活から受けた印象をもとに作曲されたと言われています。

ショパンのことをよく「ピアノの詩人」と言いますが、ドビュッシーは「ピアノの画家」と言われています。
美しい風景を音で表しているような、きらきらとした曲がたくさんあります。

ドビュッシーを練習する時は、ぜひ美術館などに行って色々な芸術に触れてみましょう!

難易度と曲の特徴


この曲はそこまで難しそうに聴こえないのですが、強弱や表現記号の指示が多いので、綺麗にまとめるのが難しいです。

中学生のコンクールの課題曲としてもよく使用されています。
テクニックは中級レベルですが、表現力やペダリング(音が濁らないようにうまくペダルを踏み変えること)は上級に近いですね。

tempo rubato(自由なテンポで)という指示があるので、演奏者によっては速かったり遅かったりするのも特徴です。

私も学生時代に弾いたことがありますが、それまではモーツアルトやベートーベンのようにある程度テンポが一定の曲ばかり弾いていました。

なので「テンポを自由に揺らして弾く」というのが難しく、とにかくCDを聴きまくって耳で覚えてイメージをつかんでいました。

今はネットで色々な人の演奏が聴けるので便利ですよね。
CDの時代の私からすると羨ましいです(笑)

ぜひ色々な人の演奏を聴いて、自分好みのものを参考にしてみて下さい!

楽譜はこちらの音楽之友社の曲集がおすすめです。



指番号が細かく書かれているので、ピアノ初心者の方にも分かりやすいと思います。
しかも「ベルガマスク組曲」だけでなく「版画」という作品も入っているので、お得感もありますよ!

弾き方のポイント

では楽譜冒頭から見てみましょう。

ドビュッシー「ベルガマスク組曲第1曲『前奏曲』ヘ長調L.75-1」ピアノ楽譜1 (動画冒頭~)

1小節目は和音に向かって力強く弾きましょう。自分の出した音を十分聴いて、次の16分音符の部分は粒をそろえてなめらかに演奏します。

楽譜の強弱記号の通り、クレッシェンドやデクレッシェンドをうまく付けていってくださいね。

ドビュッシー「ベルガマスク組曲第1曲『前奏曲』ヘ長調L.75-1」ピアノ楽譜2 (動画0:32~)

11~14小節目は両手とも重音で動くので少し弾きにくいですが、ぶちぶち切れないようにペダルを細かく踏み変えて繋がるように演奏しましょう。

ドビュッシー「ベルガマスク組曲第1曲『前奏曲』ヘ長調L.75-1」ピアノ楽譜3 (動画0:54~)

20小節目~のa tempoの部分はまさに「絵画的」でオシャレなところですね。

赤丸の印の音はト音記号で高い音ですが、左手で演奏します。
右手を飛び越えなければいけないので勢いをつけてしまいがちですが、あくまでもp(ピアノ)の中なのでポンっと軽く弾きましょう。

ドビュッシー「ベルガマスク組曲第1曲『前奏曲』ヘ長調L.75-1」ピアノ楽譜4 (動画1:21~)

26小節目~も左手が右手を飛び越える部分が出てきます。
「m.g.」とはフランス語のmain gaucheの略で、「左手で」という意味です。

ここも勢いをつけすぎないように、優しく演奏しましょう。
イメージは、「猫をなでるように」です!

ドビュッシー「ベルガマスク組曲第1曲『前奏曲』ヘ長調L.75-1」ピアノ楽譜5 (動画1:39~)

30~31小節目は右手、左手、というより4声部に分かれているイメージです。

ピアノは音を伸ばしてもだんだん消えてしまう楽器ですが、弦楽器はずっと音を伸ばし続けることができますよね。
4本のバイオリンで演奏しているように、丁寧に繋げていきます。

ドビュッシー「ベルガマスク組曲第1曲『前奏曲』ヘ長調L.75-1」ピアノ楽譜6 (動画2:30~)

さて、44小節目~は雰囲気が変わってきますね。
右手もヘ音記号で、低い音から少しずつ盛り上げていきます。

左手のオクターブを綺麗に繋げていくイメージで、ペダルをうまく踏み変えてスラーを守りましょう!

ドビュッシー「ベルガマスク組曲第1曲『前奏曲』ヘ長調L.75-1」ピアノ楽譜7 ドビュッシー「ベルガマスク組曲第1曲『前奏曲』ヘ長調L.75-1」ピアノ楽譜8 (動画2:48~)

52~59小節目のところはまた4本の弦楽器をイメージしましょう。
伸ばしている人と、動いている人がいますね。

左手のスタッカートの人は、ピチカート(弦を指ではじく奏法)のイメージです。


ちなみにこの部分は一番下の人が2小節のばしているのでペダルを踏みっぱなしにしたいところですが、2小節踏みっぱなしだと音が濁ってしまいます。

グランドピアノだと、ソステヌートペダルという真ん中のペダルを使えば最初に弾いた音だけ伸ばせるのですが、使ったことがない人やアップライトピアノの場合は使えなくても大丈夫です!

右のペダルだけで演奏する場合は低音の初めだけ深く踏み込んで、あとはスタッカートが濁らないように浅く踏み変えていくといいでしょう。

完全に踏み変えてしまうと低音がぶちっと切れてしまうので、浅く踏み変えるのがポイントです!


さて、ここまで来たらラストまであと少し!

66小節目~から再現部となり、76小節目~からコーダに入っていきます。

ドビュッシー「ベルガマスク組曲第1曲『前奏曲』ヘ長調L.75-1」ピアノ楽譜9 (動画3:55~)

ここからはラストに向けて盛り上がっていくので、集中力を切らさないように!
クレッシェンドやアクセントをしっかりつけて、最後のff(フォルテッシモ)の音まで力強く弾き切りましょう。

まとめ

・テクニックは中級でも細かい表現力が必要な曲!
・美術館に行ったり色々な人の演奏を聴いたりしてイメージを作る!
・途中は弦楽器の音をイメージして綺麗に繋げることが重要!

以上のポイントを押さえて、自分なりのドビュッシーの世界を表現してみて下さいね♪

音が濁らないように細かくペダルを踏むのが難しいですが、綺麗に弾けると本当に素敵な曲です。
めげずに練習してみましょう!



「ベルガマスク組曲プレリュード」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1905年にフロモン社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。「ベルガマスク組曲」全4曲が収録されています。おり、第1曲「プレリュード」は1ページからになります。


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