ショパン作曲『子犬のワルツ』の難易度は?弾き方を極める7つのコツ
ピアノを習っていると、いつかは弾いてみたい作曲家の一人が「ショパン」。
ショパンの作品の中でもこの『子犬のワルツ』は、発表会で弾く人の多い、超有名で親しみのある曲ですよね。

でも、いざ弾いてみようと楽譜を開いてみても、フラットが5つもあるし3連符やトリルがやたらと出てくるしで、「なんじゃ、こりゃー!」と思ってしまっているあなた。
自称「ショパン愛好家」の私の体験を交えながら、弾き方を極めるコツを紹介しようと思います。
 
『子犬のワルツ』の動画はコチラ


ショパンの『子犬のワルツ』はどんな曲?

ショパンの『子犬のワルツ』はどんな曲?
テンポが速く、とても軽快で明るいこの曲は、ショパンの恋人だったジョルジュ・サンドが飼っていた犬がモデル。
自分の尻尾を追ってくるくると回っている可愛らしい姿を見て、ショパンが即興で作ったとされている曲です。
即興でフラット5つの変ニ長調を作曲するなんて、天才かよ!とつっこみたくなりますね。(もちろん彼は天才です)

私のイメージでは、小さなポメラニアンが、首に付けた鈴を「チリンチリン」と鳴らしながらくるくる回っている。そんな風に、具体的に自分の中で状況をイメージしてみると、曲の雰囲気もつかみやすく表現もしやすくなると思いますよ。

そしてこの曲は複合三部形式といって、A-B-A’で構成されています。
つまり、前半と中間部さえクリアすれば、後半は前半と同じ繰り返しです。

この曲の難易度は?

この曲の難易度は?
全音ピアノピースによる難易度は、中級のCとなっています。だいたいチェルニー30番程度が弾ければ、難なくマスター出来ると思いますよ。

先ほども触れたように、この曲は繰り返しの多い構成になっており、英語では「1分間のワルツ(Minute Waltz)」と呼ばれているほど軽快で短い曲です。
ですから、楽譜を開いた瞬間絶望してしまっても、意外と難易度は高くないと思って大丈夫です!

ちなみに、私がおすすめの楽譜はコチラ



全音出版の楽譜は解説も付いていて、わかりやすいですよ!
ピアノの先生で生徒さんに使われる方も多いようです。

弾き方のポイントをおさえよう

弾き方のポイントをおさえよう
いよいよ、具体的に弾き方を見ていきましょう。

ショパン「ワルツ第6番『子犬のワルツ』変ニ長調Op.64-1」ピアノ楽譜1
まず、最初から20小節目までをA-1とし、21小節目から37小節目までをA-2とします。

「Molto Vivace.」は「とても速く」、そして「leggiero」は「軽く」という意味です。

A-1は最初が肝心

A-1(動画0:00~0:11)では、とにかく右手は軽やかに!特に最初の4小節で曲の第一印象が決まってしまいます。

速いテンポで軽快に、なおかつ正確に弾くためには、音の粒を揃えることが必須。音の粒が揃っていないと、子犬が尻尾を踏んでこけちゃいます。

音の粒を揃えるために私がよくやっていたのが、リズム練習。ハノンで色々なリズムに変えて弾いていく練習をすると思いますが、アレです。
そして音の一つひとつにスタッカートを付けて弾く練習もとても効果的です。

いずれもメトロノームに合わせて、スローテンポで片手練習をするところから始めましょう。ビックリするほど音の粒を均等に揃えることが出来ますよ。

そして左手の動き。

ショパン「ワルツ第6番『子犬のワルツ』変ニ長調Op.64-1」ピアノ楽譜2
3拍子のリズムを刻み続けるのは、4拍子よりも崩れやすいんです。まずは、1小節を全部1拍目の音だけで弾いて、リズムをつかむ練習をします。
そのとき、1拍目だけにアクセントを付けて、2拍目と3拍目は軽く弾く!頭の中では常に「ズン、チャッチャッ」を意識する!これがポイントです。

また、この曲全体に言えることですが、ペダルは踏み込みすぎないようにしましょう。音が伸びすぎると、全体的に重~い雰囲気になってしまいます。
ペダルはせいぜい半分ほど踏み込めば十分。(ハーフペダルといいます)
気を付けましょう!

A-2の3連符を制す方法

次にA-2(動画0:11~0:31)の弾き方です。

ショパン「ワルツ第6番『子犬のワルツ』変ニ長調Op.64-1」ピアノ楽譜3
ここは少し雰囲気が変わります。何か不安に思っているような、そんな感じが漂っていますね。
「cresc. poco」(「cresc.」は「クレシェンド」、「poco」は「少し」)とあるように、最初の「ファ」の音は不安な雰囲気を出すようにそっと入りましょう。

そして出てきました、3連符。
3連符はよくリズムが崩れてしまいがちなので、私は3連符を弾くときには、なるべくあることを意識しながら弾くようにしています。

「あること」とは・・・・・・
「3文字の名字!!」

「は?」と思う人もいれば、「あ、私も私も!」と思う人もいるかもしれません。

具体的に「タナカ」とか「スズキ」といった、3文字の名字を意識するのです。
私はいつも「タナカ」と意識しながら弾いています。(全国のタナカさん、ごめんなさい)

さらにこの曲では、3連符のあとに8分音符が4つ続いていますよね。
そこには何か4文字の言葉を当てはめます。

例えば、この最初の1小節に「タナカかわいい」と入れてみましょう。

どうですか?うまくリズムがとれそうじゃありませんか?
あとはその繰り返し。3連符が苦手な人は、ぜひ試してみてください。

Bはお昼寝をしているようにゆったりと

B(38小節目~/動画0:32~1:02)では、それまでの軽快な雰囲気から一転、ゆったりとした雰囲気に変わります。まるで子犬がはしゃぎ疲れてお昼寝をしているみたいですね。

私はここでは、子犬が夢の中でも楽しく走り回っているところをイメージしながら弾いています。

そしてBの最初のフレーズを繰り返すところで、装飾音が連続して出てきます。(動画0:49~)

ショパン「ワルツ第6番『子犬のワルツ』変ニ長調Op.64-1」ピアノ楽譜4
この装飾音を弾くのが難しければ、最初は同時に弾いてみましょう。そしてだんだんと音をずらしていくように練習するのがおすすめです。

そしてこの装飾音は、軽くかわいらしく弾くこと!イメージとしては、子犬の首に付いている鈴が鳴っているように弾きましょう。
頭の中では常に、主となるフレーズを歌いながら弾くのがコツです。

A’はAの繰り返し

Bの後半からA’にかけて、長いトリルが出てきます。(動画1:03~)

ショパン「ワルツ第6番『子犬のワルツ』変ニ長調Op.64-1」ピアノ楽譜5
このトリルは「2323」か「2424」の指使いで弾くのが弾きやすいと思いますが、手首を少し回しながら「1313」を使う弾き方もあります。
自分の弾きやすい指使いを見つけて練習しましょう。

なかなか音の粒を揃えて速く弾くのは難しいと思いますが、大切なのは指先に意識を集中して肩や手首の力を抜くこと。
最初はとにかくゆっくり。机の上などで練習するのもおすすめです。
慣れてきたら少しずつテンポアップしていけば、きれいに弾けるようになりますよ。

あとはAと同じフレーズの繰り返し。Aをしっかり練習してマスターしておけば余裕です!

ただ私の場合、Aとすこーしだけ変化を出したいので、左手が入ってくるフォルテの部分に向けての直前の2音ほどに、少々テヌート(音の長さを十分保つ)を付けて弾いちゃってます。

ショパン「ワルツ第6番『子犬のワルツ』変ニ長調Op.64-1」ピアノ楽譜6 (動画1:07~)

こんな感じで、少し雰囲気を変えて弾いてみるのも面白いと思います。

A’は、お昼寝から目覚めた子犬が、再びくるくる回って遊び始めるようなイメージで、可愛らしく弾いてください。

まとめ

ショパン作曲『子犬のワルツ』の弾き方のコツをまとめると、

  • AとA’はとにかく軽やかに弾く
  • 右手は音の粒を揃えて弾く
  • 左手はうるさくならないように気を付け、「ズン、チャッチャッ」を意識する
  • Bはゆったりとした雰囲気を出す
  • トリルは肩や手首の力を抜き、指先に意識を集中させる
  • ペダルはなるべくハーフペダルを意識して、踏み込みすぎないようにする
  • A-B-A’に区切り、メトロノームに合わせて、片手ずつスローテンポの練習から始める

の7つです。

根気強く練習すれば、必ず極められます!
負けず腐らず頑張ってください!


「子犬のワルツ(小犬のワルツ)」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1905年にペータース社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。
  • Mutopia Project(楽譜リンク
    最近整形されたきれいなパブリックドメインの楽譜です。


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