高齢者施設で働いていると、レクリエーションのネタに困って、何か新しいことをしてみたいと思うことってありませんか?
そんな時、音楽療法や音楽レクなどを勧める書籍などを見かけたことはありませんか?

やってみたくても、音楽は好きだけれども、音楽療法なんて難しそうだし、そもそも音楽療法のやり方なんてわからないし、と躊躇してしまう…

そんなあなたに、高齢者施設での音楽療法のやり方やその効果、可能性についてご紹介します。

■ 目次

高齢者デイサービスで音楽療法を行う条件


あなたには何か演奏できる楽器がありますか?
歌うことは得意ですか?
高齢者のみなさんの前で、お話をすること、時にちょっとおバカなふりをすることはできますか?

音楽療法を行う際には、楽器の演奏ができることが好ましいです。
でも、この楽器の演奏というのは何も名演奏をする必要はありません。

ピアノでクラシックの難しい曲を弾きこなす必要はありませんし、ギターで難しいコードを押さえる必要もないのです。

最初のうちは、簡単な童謡や唱歌を1,2曲。
そこから徐々にレパートリーを増やしていければ大丈夫です。

楽器の種類は、あなたが楽器を演奏していても歌ったり話をしたりすることができるといいですね。
そして、メロディーや伴奏を演奏できる楽器がいいです。

木管楽器や金管楽器、打楽器などだけで高齢者の音楽療法を行うのは難しいでしょう。

歌についても、美声を響かせて歌う必要はありません。
ただ、大きな声で歌えた方がいいですね。

高齢者には耳が聞こえにくくなっている方がたくさんいます。
大きな歌声は、そんな高齢者の耳にも音楽を届けることができますよ。

また、高齢者のみなさんの前でお話しすることについては、他のレクリエーションと同様に必要になってくることです。

音楽療法の最中には、歌ったり楽器を演奏したりすることの他に、お話をする場面もたくさんあります。
時には、その曲について知らないふりをして、高齢者に尋ねることもしなくてはいけません。

そんな時には、ちょっと演技をしながら話を膨らませると、楽しいレクリエーションになりますよ。

高齢者デイサービスでの音楽療法のやり方


音楽療法は行き当たりばったりに歌を歌っていくのではなく、プログラムに沿った形で行わなければなりません。

また、高齢者に歌を歌ってもらうだけではなく、楽器の演奏をしてもらったり、体操に取り組んでもらったりもします。

まずは導入曲として、だれもが知っているような季節の歌を歌っていただきましょう。
自分の知っている曲が流れてきたら、歌いたい気分になりますよね。

次に、楽器の演奏や体操を取り入れてみましょう。
楽器の演奏は、慣れないうちは、特に多くの決まり事を作ったり、難しい曲に合わせた演奏などは行わない方が無難です。

誰もが知っている曲に合わせて、自由に楽器を鳴らしていただくことから始めてみましょう。

体操については、普段音楽に合わせて行っている体操があれば、その体操を取り入れるのもいいでしょう。

慣れないうちは、取りかからなければならない項目は少ない方がいいです。
そうすることで、スムーズな音楽療法の時間を作る事ができますよ。

体を動かして温まったところで、少し難しい歌謡曲に挑戦してみましょう。

こちらも、だれもが知っている、聞いたことのある曲だといいですよ。
レクリエーションがさらに盛り上がるでしょう。

最後はクールダウンのための曲を歌います。
これは、音楽療法の終わりを認識してもらうためのものです。

音楽療法の効果

音楽療法の効果は様々なものがあげられます。
懐かしい音楽を聴き、昔を思い出すことによって、脳内の血流が活発になります。
当時の思い出について高齢者同士で話をすることが、コミュニケーションをとるきっかけにもなります。

これは、近年高齢者ケア、特に認知症ケアの分野で有効とされて注目されている回想法の理論に基づいたものです。

回想法とは、若いころに聞いた音楽や、読んだ本、その頃の写真などについて触れることで、昔を思い出し、自然と集中力や記憶力などが使われ、脳が活性化されるという理論です。

高齢者の音楽療法でも、基本的には若いころに慣れ親しんだであろう曲を利用し、それを歌い、また、その曲が流行したころの時代背景について語り合うことで、その効果を期待しています。

また、歌を歌うことで、心肺機能、口腔内の機能の維持向上が図られます。
音楽に合わせて体操をしたり、楽器を演奏することで、楽しく身体を動かすことができます。

大勢の中で一緒に歌うことや、演奏することは、社会性を維持する助けにもなりますよ。

まとめ

1.高齢者のデイサービスでの音楽療法を行う条件、楽器演奏・大声で歌うこと・大勢の前で話すことのいずれかが得意なら、それを足掛かりに音楽療法をやってみましょう。
2.高齢者のデイサービスで音楽療法を行う際は、起承転結のあるプログラムを考え、それに沿って行うようにしましょう。
3.音楽療法の効果は様々ありますが、脳の活性化や心身の機能の維持向上が期待できますよ。

高齢者のデイサービスでは、レクリエーションの内容を充実させることが求められることが多いですよね。

そんな時、大変だけれどもやりがいのある音楽療法というレクリエーションプログラムも取り入れてみてはいかがでしょうか?


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