あれ、なんでピアノじゃない絵が出ているの?
今回ご紹介する「コンスタント・ベイス」はこの楽器が登場します。どこで登場するのか予想しながら演奏動画をお聴きくださいね。
■ 目次
コンスタント・ベイスってどんな曲?
「コンスタント・ベイス」はアメリカ生まれのピアノ教師&作曲家であったウィリアム・L・ギロック(1917-1993)によって作曲されました。「ジャズ・スタイルピアノ曲集」の2曲目に入っています。(動画2:15~)
こちらは私が演奏したものです。少しでも参考になれば幸いです。
英語でコンスタントは「一定の」ベイスは「最も低い音」という意味です。
ジャズの最も低い音を担当する楽器となると、
やはりコントラバス(動画左側の大きな楽器)ですね。イヤホンを通して聴くと低い音が聞き取りやすいので分かりやすいですよ。
すなわち左手の低い音はコントラバスの音をイメージして弾く必要があります。レッスン前に生徒さんにコントラバスの音を是非聴かせてあげましょう♪
楽譜はこちらから購入できます。
難易度は?
「ジャズスタイル・ピアノ曲集」の中で私は一番簡単ではないかと思います。ピアノの教本でいうとツェルニー30番を学習中の方でも弾けると思います。「ジャズスタイル・ピアノ曲集」の難易度についてはこちらでも解説しています。https://shirokuroneko.com/archives/10966.html
見開き2ページ、1分程度の短い曲なので、譜読みが苦手な方でも取り組みやすい曲です。
曲集を通してみても音の数も少ない方だと思います。
さっそく練習してみよう!
1、まずは左手から
この曲の左手は最初から最後まで単音です。臨時記号に気を付ければ、すぐに通せるようになります。楽譜の3小節目の下に「light staccato throughout」と書かれています。これは「最後まで軽いスタッカートで(弾むように短く切って演奏して)」という意味になります。私はコントラバスの弦をボンッボンッと弾いているような音をイメージして弾くようにしています。
片手練習の時に強弱にも気を付けて練習しておくと、両手で弾くときに強弱を意識しやすいですよ。
2、右手の練習
まずはメトロノームに合わせてゆっくり練習しましょう。拍をしっかり合わせることに重点を置いてください。3連符でリズムが転ぶ(1拍の中で均等に3分割になっていない状態)ことがないようにしましょう。この曲は拍の頭にくる音をアクセントをつけるように強めに弾くとかっこよく弾けます。ただし強すぎには気を付けてください。
次に12小節目からの親指で弾く右手のソの音と
(動画2:37~2:43)
16小節目からのドの音は
(動画2:44~2:48)
あまり力を入れなくても大丈夫です。どちらかというと親指以外で弾く和音になっているところを目立たせましょう。
ピアノを始めて間もない方には右手の和音をつかむ練習(和音がバラけず、すべての音を同時にしっかり弾くこと)にもなると思います。
3、両手で合わせてみよう
両手で練習になってもしばらくはゆっくりメトロノームに合わせて練習しましょう。右手の練習の時と同様に拍を合わせることが大事です。弾きなれてくるとだんだん速く弾いてしまいがちなのですが、テンポ132を確認すると意外と遅く感じます。
だいたい暗譜ができて弾きなれてきたら、メロディーを歌いながら弾いてみましょう。自分だったらどんな歌い方(フレーズや強弱の付け方など)をするか考えてみましょう。
私の勝手な音のイメージですが、クラシックのようなきれいな澄んだ音というよりは、かっこいい濁った音という感じです。
「コンスタント・ベイス」まとめ
①左手の音はコントラバスの音をイメージして弾こう②拍に合わせて弾けるように練習しよう
③ジャズらしく、かっこよく、演奏できるように弾きこもう!
コントラバスの低い音のかっこよさ、ジャズのかっこよさを感じながら楽しく弾いてみてください♪
編集者による補足解説
曲の情報
- 曲名:コンスタント・ベイス(英語:The Constant Bass)
- 作曲者:ウィリアム・ギロック(William L. Gillock/アメリカ人)
1917年7月1日-1993年9月7日(76歳没)
音楽教育家・ピアノ曲の作曲家
※美しいメロディーの教育用の曲を数多く作曲したことから「教育音楽作曲界のシューベルト(英語:the Schubert of children’s composers)」とも呼ばれています。ギロックがどのような人物だったかについてはこちらの記事もご覧ください。
https://shirokuroneko.com/archives/5185.html#i
- 曲の種類:ピアノ独奏曲/ジャズ
- 拍子:4分の4拍子
- 発表年:1965年(作曲者は48歳)
- 演奏時間:約1分20秒
- アメリカの出版社、ウィリス音楽社(英語:Willis Music Company)が1965年に出版した5曲からなる曲集「ニューオリンズ・ジャズ・スタイル(英語:New Orleans Jazz Styles)」の第2曲
同社からのちに出版された2つの曲集とあわせて、全音楽譜出版社(英語:Zen-On Music Company Limited)が日本語に訳して販売している曲集が、15曲からなる「ジャズスタイル・ピアノ曲集」です。
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