久石譲といえばジブリの曲を思い浮かべる方が多いでしょう。でもジブリの曲だけでなく、久石譲の曲には感情移入がしやすい素敵な曲がたくさんあります。

今回は久石譲の曲「Friends」について解説します。

■ 目次

「Friends」ってどんな曲?

(動画9:40~)
久石譲のアルバム「Piano Stories II」の1番目に収録されている曲です。

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この曲を聴いた私個人のイメージですが、単純な明るい関係の友人というよりは「苦しい時を共に過ごしてきた友人」という感じですね。学生時代に部活や勉強などいろんな困難を一緒に乗り越えてきた友達と卒業後分かれてしまった後、何気なく卒業アルバムを眺めた時に「あいつ、今何してるかな…」と思い出に浸りながら友人を想っている情景が浮かびました。

難易度は?

ピアノの教本でいうとツェルニー30番後半を学習中の方にオススメです。

動画を見ていただくと分かるように、右手はオクターブが多いので手の小さい方は少し苦労するかと思います。

左手の16分音符が続く部分が1番練習が必要になります。各小節の1番最初の低い音はミスタッチすると特に目立ってしまうので「左手を見なくても弾ける」ぐらい時間をかけて練習しましょう。

このようにしっかり練習が必要な部分があるものの、リズムが難しくないのと、楽譜が4 ページと長い曲ではないことからこの難易度にしました。

弾き方のポイント

①右手の和音は外側の音をしっかり弾こう。

例えばこんな和音を弾く場合
久石譲ENCORE「Friends」(アルバム『Piano Stories II』) ピアノ楽譜1
ほとんどの方は上下のファのオクターブは親指と小指で弾くと思います。

この時、親指と小指をしっかり弾いて、中の音は力を抜きましょう。
というか手を抜いちゃいましょう!

久石譲ENCORE「Friends」(アルバム『Piano Stories II』) ピアノ楽譜2
全部をしっかり弾こうとするとメロディーがはっきり聴こえず、うるさく聴こえてしまいます。力を抜けるところ、そんなにはっきり聴こえなくてもよいところは手を抜いて、余計な力が入らないようにしましょう。

②オクターブはボールをつくような動きで弾こう。

試しに、まずボールをついてみましょう。「あんたがたどこさ」を歌いながらでもいいでしょう♪

この時、手首はガチガチになっていないはずです!自然と手首を動かしてボールをついています。この動きをピアノに応用します。

楽譜通りに弾く前に、「ド♪ド♪ド♪ド♪ド♪」同じ音をオクターブで連打しましょう。ボールをつくように手首を動かして弾けるようになったら楽譜通りに弾きましょう。

手首が固まらないように柔らかく動かせると余計な力が入らず、音もきれいに聴こえます。


③左手の16分音符は各和音の最低音を大切に弾こう。

39~46小節(11:34~11:55)と64~67小節(12:50~13:01)に出てくる左手の16分音符ですが、2拍で1つの和音になります。

例えば、39小節目の1拍目と2拍目は「レファラド」の和音を分散和音にしていて、3拍目と4拍目はソシレの和音を分散和音にしています。

16分音符すべての音をしっかり弾いてしまうと、ペダルを踏んだ時にうるさくなってしまいます。39小節目の1拍目の低いレと3拍目の低いソの音をミスらずに丁寧に弾いたあとは、軽く流れるように弾きましょう。

余談、アルペジオの謎

この曲にはアルペジオの記号が数ヵ所あるのですが、5ヵ所に矢印付きのアルペジオの記号があります。

久石譲ENCORE「Friends」(アルバム『Piano Stories II』) ピアノ楽譜3
普通の記号でも和音の低い音から順に弾くのですが、なぜ矢印がさらに書かれているのかが不思議に思いました。他のアルペジオと何か区別をつけるためにあると思うのですが、「Piano Stories II」のCDを聴いても矢印が付いている理由が特に思いつきませんでした…。

ちなみに画像とは反対の下向きの矢印が付いていた場合は、和音の高い音から順に弾きます。でも「Friends」の楽譜内には下向きの矢印は無いんですよね~。

何かお分かりの方は是非コメントに書いていただけたら嬉しいです。

まとめ

①右手の和音は外側の音をしっかり弾こう。
②オクターブはボールをつくような動きで弾こう。
③左手の16分音符は各和音の最低音を大切に弾こう。


私も発表会でこの曲を弾いたのですが、発表会が終わった後に「何の楽譜に載っているの?」と同じ教室に通っていた生徒さんから聞かれました。それぐらい、魅力的な曲なんだと感じました。

「ENCORE」の楽譜全体的に言えることなのですが、無駄な装飾音がなくメロディーがすんなり耳に入ってくるアレンジになっています。

みなさんも「Friends」のメロディーの魅力を味わいながら弾いてみてはいかがでしょうか♪




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