ショパンのエチュードは、曲名は知らなくても誰もが1度は耳にした事がありますよね!
でも、練習曲だったとは、知らない人も多いはず。

技術的な練習曲に芸術的要素を盛り込んでいて、
曲としても素晴らしいので、ピアニストもコンサートでプログラムに取り入れたりするんですよ。
いつかは弾きたいと憧れを持っている方も多いと思います。

ショパンのエチュードでタイトルのついている曲は、特に人気ですよね。
中でも「革命」は、「別れの曲」「黒鍵」と並んで大人気の曲です。3歳からピアノを始め、一応音大卒の私も大好きな曲の1つです。

今回は、この「革命」の難易度と弾き方のコツをお教えします!


■ 目次

かっこいい曲!エチュード「革命」に挑戦!!難易度は、どれくらい?


ショパンのエチュードは、曲によってそれぞれ難しさのポイントが違います。
でも、いろんな要素を合わせて考慮した上で、ショパンのエチュードの中では、「革命」の難易度は、標準と言えるでしょう。

私には、結構難しいなと感じられた曲ですが、ショパンのエチュードの中には、まだまだ難易度の高い曲があるんです。決して、簡単ということではありませんよ!ショパンのエチュード自体が、難易度が高いので。
音大入試の課題曲にもなっているので、かなり弾ける人達の為の練習曲という感じですね。



私が初めに使っていた楽譜はヘンレ版でした。こちらの楽譜はOp.10とOp.25がどちらも入っています。この他に3曲の練習曲が一緒に入っています。



先生に勧められて途中からコルトー版に変更しました。解説や練習方法が細かく書いてあるので非常に役立つと思います。ヘンレ版とは違い、コルトー版はOp.10とOp.25が分けてあります。

動きが多くて大変!どうやったら弾けるようになる?弾き方のコツは?

ショパン自身が、「手首は、ピアニストにとって弓である」と言っていたそうです。
ショパンの作品を弾くには、手首のやわらかさがポイントになります。指だけではなく、手首も使って、しなやかに弾く事が求められます。

「革命」は、左手がほとんど休む事なく動くので、とても疲れます。指だけで弾き切るのは、相当指の強い人しか無理だと思います。手首や腕を上手く使って、力を抜き、疲れないように弾ければ最後まで無理なく弾けます。

この弾き方の良いところは、指だけで弾いた時よりも、多彩な音色が出せるようになり、ニュアンスをつけやすくなるところです。疲れずに弾けるし、色んな音色が出せるなんて、一石二鳥ですよね!!

もう1つポイントがあります。
左手に16分音符がたくさん出て来ますね。いくら手首や腕を上手く使って弾いても、1つずつ丁寧に弾いていては、疲れてしまいます。

1つずつ丁寧に弾かないようにして、1つの音を弾くエネルギーで後は、転げ落ちるように、固まりで弾けるようにすると疲れず、躍動感も出て、音楽が動くようになります。頑張るところと頑張らずに流してしてしまうところを作る事も重要なんです。

全部を全力で頑張っていたらメリハリのない演奏になってしまいます。頑張って演奏しても、結果は残念ながら、つまらない演奏なんです。

頑張るところと頑張らないところを見極めてメリハリのある演奏を目指して下さいね。

どうしても音がにごってしまう。ペダルは、どうやって踏めば上手く行くの?


「革命」は、左手の音数がとても多いので、ペダルを入れるとにごりやすいですよね。浅く細かく踏みかえるとにごりにくくなりますよ。
いつも同じペダルの踏み方をするのではなく、深く長く踏むところや浅く細かく踏むところなどその場に応じたぺダリングが必要なんです。

「革命」において、ペダルは、もう1つ重要な要素があります。
左手が下から上に上がる音形にクレッシェンドをする指示が何度も出て来ます。この部分、指だけでクレッシェンドをかけて行くと疲れてしまいますが、クレッシェンドをかける時にペダルを利用して大きくできるようになると、迫力も出てメリハリのある演奏になります。

ペダルを響かせるだけのものとして使うのではなく、ニュアンスをつける為に利用するんです!指で頑張らずに、ある程度ペダルに助けてもらって少し楽をさせてもらう感覚だと思って下さい。

まとめ

◆難易度は、ショパンのエチュードの中では、標準。
◆指だけで弾こうとしないで、手首や腕をしなやかに使って、疲労を軽減するのがポイント!
◆ペダルは、細かく浅く踏んで音がにごらないようにしよう!
◆クレッシェンドをかける時は、ニュアンスをつけるのにペダルを利用しよう!

ショパンの時代のピアノは、現代のピアノとは違って鍵盤が軽く、音色がもっとやわらかく、繊細だったようです。当時のピアノだと今よりももっと楽に弾けたのかもしれません。
現代のピアノで弾くには、いかに力を抜いて弾くかが、最大の課題になるかもしれませんね。



「革命Op.10-12」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    1880年にブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。Op.10全12曲が収録されており、Op.10-12は40ページからになります。
  • Mutopia Project(楽譜リンク
    最近整形されたきれいなパブリックドメインの楽譜です。Op.10-12のみ収録されています。


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