気が付けば弾いている。この前も弾いていた。次に弾きたい曲も、そして、いつか弾きたいと目標にしている曲も。あれもそれも、気が付いてみたらおんなじ作曲家だった―――なんてことはありませんか?

私にとっては、シューマンがそのうちの1人といえます。

といいますのも、「きれいに弾きたい、弾けるようになりたい」と思っている曲の1つがシューマンの「飛翔」であり、そしてピアノを練習するとき、よく弾いているのが以前ご紹介しました「楽しき農夫」や、そして今回弾き方を考えてみる「メロディー」だからです。

遠い目標でありながら、いつも身近で触れ合える、そんな存在。そんな曲。

今日は、シューマンの「メロディー」の魅力を考えて行きたいと思います。



難易度はどのくらい?


難易度は初級。ソナチネを練習している方でしたら十分に挑戦できるレベルです。

ページ数も少なく、オクターブもありません。
繰り返しや、似たような指使いや音運びが多いので、最初の8小節ほどの譜読みが終われば、もう殆ど弾けたようなものだと思います♪

シューマンってどんな人?メロディってどんな曲?


まず、シューマンについて、簡単にご紹介いたします。
シューマンは、さいしょピアニストを目指していましたが指を痛め挫折。のちに作曲家の道へと進みました。
今の世にシューマンの曲が伝わっているのは、シューマンの死後、奥様のクララがシューマンの曲を演奏して広めたおかげでもあります。

次にメロディについてご紹介します。
この曲は、「こどものためのアルバム(ユーゲントアルバム)」という、シューマンが自分の子供のためにつくったといわれる曲集の第1曲目にあたります。この曲集の中では10曲目にあたる「楽しき農夫」が特によく知られていることでしょう。

6度の響きを感じながら

(動画 00:17~)

メロディにおいて特徴的なのは、右手と左手の音の関係性だと思います。

一番わかりやすいのは、5小節目でしょうか。
右手はレドシ。左手は(右手と音の入りが重なる部分のみを抜き出すと)ファミレ、となります。

少し専門的な話になりますが、ここはそれぞれ
(左)(右)
ファーレ・・・長6度。
ミード・・・短6度。
レーシ・・・長6度の関係となります。

短や長の違いはありますが、どれも同じ6度の響きを持つ関係。
メロディという曲は、こうした動きがとても多いのです。

それぞれの分担しているメロディライン。
右手でいうと1小節目から「ミレドシラドシレドソ・・・」と続いていく、いわゆる主旋律の動き。
そして、左手の伴奏としての動き。あるいは複旋律としての動きも大事ですが、ある程度譜読みができてきたら、こうした音の響きにも注目して弾いてみてください。

音量バランスを考えて

(動画 00:00~)

さて、それではあらためて弾き方を考えていきたいと思います。
強弱記号はpですが、特別小さく弾く必要はありません。
(個人差はありますが)力まずに、ご自身の弾きやすい楽な音量で弾いてかまわないと思います。
なぜなら、3小節目にデクレッシェンドがついていますので、あまり小さく弾きすぎると、かえって弾きにくくなるからです。

(動画 00:17~)

5小節目からは、6小節目、7小節目へ進むにつれて、音の高さがどんどんあがっていきます。
音楽は、特別な表記がない限り、たいていのものは音の高さが上がるにつれて、音量も上がっていきます。みなさんの心も、音があがるにつれて、興奮してくることはありませんか?

大きな音を出すのが目的ではありませんが、興奮のテンションに任せて弾いていきましょう。7小節目ではデクレッシェンドがついていますので、そこで興奮を少し覚ませばokです。

(動画 00:26~)

9小節目からは、冒頭部分から、先ほどの部分までの繰り返し。

(動画 00:44~)

17小節目にあらためて冒頭が繰り返されて、曲はおしまいとなります。

まとめ

1. 難易度は初級。ソナチネ前半程度。
2. この曲は、かつてピアニストを目指していたシューマンが自分の子供の為に作った(といわれている)アルバムの中の1曲。
3. 6度の響きで構成されている
4. 全体の音量、盛り上がりなどを意識して弾く


最後まで弾き終えて、「繰り返しばかりでツマラナイ」と思った人はいらっしゃいますか?

そんな時は、たとえば
1回目は自分の弾きやすい音量で。
2回目は、1回目よりも大きく、のびのびと弾いてみる。
3回目は、音の響きを重視しながら弾いてみる。
4回目は、今までのどの部分よりも控えめな音量で弾いてみる。
など、それぞれをどう弾くか決めて弾くと楽しくなることと思います。


音楽的解釈からは外れてしまうかもしれませんが、あえて強弱記号などを無視して、自分の弾きたいように弾いてみる!・・・―――そして、あとで楽譜通りに弾いてみて、答え合わせのような事をしてみるのも楽しみの1つだと思います。

作曲者が表現したかったもの、どう弾いてほしいのかを紐解いていくのはクラシックの醍醐味とも言えましょうが、「自分ならこう弾く。こう弾きたい」と思って弾いてみるのも
(たとえそれが、曲の解釈とは違っていても)それも1つの音楽であると私は思います。

理想的な演奏を知って。
そして、自分の理想を求めて。
「これが私の演奏です。皆様、どうぞ聴いてください」
そう自信を持って弾けるようになれば、きっと演奏がもっと魅力的なものになることと思います。


「メロディー」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    1849年にシューベルト社から出版された楽譜です。「子供のためのアルバム」全43曲が収録されており、第1曲「メロディー」は3ページ目からになります。

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