私の中でベートーヴェンの曲は几帳面なイメージがあります。
しかし、その中にもドキッとするような胸を焦がすメロディが入っていたりして、とても好きな作曲家です。
ピアノで弾いていても、ベートーベンの曲はいつも自分の中でどこか腑に落ちる部分があって、私とベートーベンの曲は馬が合うのかなぁ・・・と思っていました。
ベートーベンに限らずとも、皆さんにもそんな経験はありませんか?
それを知ってか、ピアノの先生もよくベートーベンの曲を私によく弾かせたがったものでした。
しかし個人的にはショパンやリストなんかが好きだったので、それはそれで複雑な気分でしたが(笑)
この曲は私が生まれて初めて弾いたソナタで、初めて弾いたベートーベンでした。
仄暗い中にもきらりとメロディが美しく光り、いまだに好きな曲の一つです。
難易度は?
全音ピアノピースの難易度に私の感覚で当てはめるとB(初級上)でしょうか。私と同じように、ソナタデビューにはうってつけの曲です。
難易度は低くても、魅力的な曲に変わりはないので、弾いたことがないという上級者の方にも是非弾いていただきたい曲です!
暗い中にも美しいメロディ
最初は、ものさびしいメロディから始まります。強弱の指定はピアノですが、3小節目にはメゾフォルテピアノがついています。この記号はメゾフォルテした後に、すぐピアノで弾く。という意味です。
ここは右手メロディのレガートと、左手伴奏のレガートがついている位置が一緒ではないため、両手のレガートの位置に気を付けましょう。
また、伴奏の和音がしっかり同時に打鍵されて音が鳴るように気を付けましょう。
15小節目は3つの装飾音符がついていますね。
ここは装飾音符の頭と、左手の1拍目の8分音符の頭がそろうように弾きましょう。
また、メロディの拍の裏の8分音符は重くならないように、手首から音を抜きます。
17小節目からは雰囲気が変わります。
ドルチェの記号もついていますが、この記号はかわいらしく弾くという意味がありますので、元気よくというよりはちょこちょこと動き回る小動物のようなイメージをもって弾いていました。
18小節目のターンは「シドシラシドレ」と弾きます。ここもターンは音符が詰め込まれている!と考えると力が入ってしまってしまいます。すると、ドルチェの雰囲気ににそぐわなくなってしまうので、一定の音の強さになるように指先で軽やかに弾きましょう。
また、親指は力が入りやすい指ですが、そこだけ打鍵が強くなり、音が大きくなってしまうというのは美しいとは言えません。
指の都合でここは強く、ここは弱くとならないようにするためにも、ハノンやツェルニーなどで基礎をよく練習しましょう。
35小節目からはまた場面が変わります。
ここはメロディが男性的ですので、力強く弾いてみましょう。
また、この小節にはトリルの記号がついていますので、「シドシラシ」と弾きます。
40小節目からはうって変わってメロディも伴奏も高音になります。
強弱記号もピアノになっておりますので、繊細なイメージをもって弾きましょう。
また、45小節目からの右手のメロディの前には必ず16分休符がありますね。
なんとなくメロディを弾き始めるのではなく、フッと短く息を吸い込むイメージで、休符もしっかり刻みましょう。
53小節目からも先ほど同様、メロディの8分休符をよく意識します。
ここは短い間に転調を繰り返しますが、とくに60小節目2拍目の響きは独特ですので、よく聞いてみましょう。
79小節目の半拍前からは左手がメロディとなって、最初と同じメロディが始まります。
左手がメロディではありますが、個人的には右手が奏でる伴奏パートの方につい耳を傾けたくなります。
哀愁が漂い、切なげな雰囲気が昔から好きで、ここの部分がこの曲が好きな理由なのかもしれません(笑)
87小節目からは前半部分が転調したメロディが出てきますね。
ここにも同様にドルチェがついていますが、ここは前半部分とはだいぶ雰囲気が違いますよね。強弱指定はピアノではありますが、自信に満ち溢れるように弾いてよいと思います。
104小節目からは左手がメロディを奏でます。右手の伴奏はメロディを邪魔しないように軽やかに8分音符を刻みましょう。
また、左手のメロディはレガートのついている部分だけペダルを踏んでもよいと思います。しかし、音が低いため、音が濁らないようにするためには、なるべく浅めに、短く踏んだ方がよいですね。
114小節目のラストには私の楽譜にはスモルツァンドという記号がついていました。これはだんだん弱く、そしてだんだん遅く弾く。という意味があります。
ラストに向かって、まるで消えるように弾きましょう。
まとめ
1、ターンや装飾音符など軽やかに♪2、休符をよく意識して弾く!
3、よく変わるメロディの弾き方の雰囲気を合わせる!
いかがでしたでしょうか?テンポもゆっくりですし、難易度が要求される曲ではありません。一度弾いてみて、この曲の美しさを理解していただきければと思います!
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