「舟歌」。この曲はチャイコフスキーの12曲からなるピアノ曲集、「四季」の中の一つの曲です。
イタリア語で「バルカロール」と名付けられたこの曲は、ヴェネチアのゴンドラ漕ぎが歌う歌を指しています。

アンダンテカンタービレのテンポ指定ですので、まるでゴンドラ漕ぎが歌いながらヴェネチアの運河をゆっくりと進んでいく…というイメージが頭にあると、きっと雰囲気良く弾くことができると思います。

べねちあ?イマイチよくわからない!という人は参考までに是非、東京ディズニーシーのヴェネチアンゴンドラに乗ってみてください。ゴンドラに乗り優雅な水中散歩が体験できますよ。運が良ければ船頭のお兄さんがサンタルチアやオーソレミーオなどを歌ってくれりすることもあります!日本にいながらヴェネチア気分を味わえますよ(笑)

私個人的には四季の中でも一番好きな曲であります!
前半の仄暗いイメージから一変、途中の転調してからの明るく美しくメロディは是非素敵に弾きこなしたくなりますよね!


どれくらい難しいのか?



難易度は全音ピアノピースではC(中級)となっていますが、ゆっくりとした曲なので、難しいパッセージや技巧的な場面はありません。しかし、複雑なレガートに苦戦するかもしれません。

私自身もこの曲で一番苦労したのはレガートでした。ここで右手のレガートが終わるけど、左手はまだ繋がってるぞ…と、頭で理解しても、なかなか上手く弾けませんでした(笑)

これを克服し、情緒的なメロディを美しく弾きこなすことができるようにするために、運指がとても重要になってきます!十分注意しましょう!!

ゴンドラ漕ぎの歌と運河を流れをイメージ♪

チャイコフスキー「四季6月『舟歌』ト短調」ピアノ楽譜1
前半の哀愁漂うメロディはまさにゴンドラ漕ぎが歌うメロディとでも言えますね。
特に6小節目のメロディは右手で伴奏も一緒に弾くことになりますが、レガートをしっかり守り、途切れないようにするために、運指に注意が必要です。

12小節目からのメロディは、音階を駆け上がる毎にクレッシェンドし、気持ちも高ぶるイメージです。

左手の伴奏は、運河のゆったりした流れをイメージすると良いと思います。
決してメロディの邪魔をしないようにしましょう!

雰囲気が一変!軽やかなメロディ♪

チャイコフスキー「四季6月『舟歌』ト短調」ピアノ楽譜2
32小節目からは転調して、雰囲気がガラリと変わりますね。右手・左手と和音が続いて思わず尻込みしてしまうかもしれませんが、左手は同じ和音を繰り返しているだけなので、そんなに難しくはないかと思います。
ただ、ペダルの細かい踏み変えに気をつけましょう。右手・左手共和音が続きますので、ペダルを上手に踏み変えないとすぐに音が濁ってしまいます!

チャイコフスキー「四季6月『舟歌』ト短調」ピアノ楽譜3
40小節目からは三拍子の明るいメロディが始まります。ここはしっかりスタッカートをして軽やかに弾きたいですね。スタッカートで弾くときはペダルも控えましょう。

44小節目はナチュラルになったりシャープになったり、和音が複雑なので、片手ずつ練習すると良いと思います。あくまで軽やかに弾きたいので、あまり和音に噛り付いてしまうといけません!

チャイコフスキー「四季6月『舟歌』ト短調」ピアノ楽譜4
50小節目のアルペジオの和音は、難しいと思いがちですが、よーーく見ると同じ音の和音が展開して変化しているだけですので、そんなに難しくありませんよ。アルペジオになってはいますが、個人的にはあまりジャララララン♪と、崩さず弾いた方が好みです(笑)

まるで消えていくような・・・物寂し気なラスト

チャイコフスキー「四季6月『舟歌』ト短調」ピアノ楽譜5
53小節目からは最初のメロディに戻りますね。ただし、左手の伴奏はちょっとバージョンアップします!

54小節目の3拍目裏からの左手は、伴奏というよりは右手のメロディに答えるようなイメージです。
左手はちょっと変わりますが、他は前半とほとんど変わらないので、前半が弾ければあまり苦なく弾くことができると思いますよ。もちろん、同様にレガートに注意をして弾きたいですね!

チャイコフスキー「四季6月『舟歌』ト短調」ピアノ楽譜6
ただ、83小節目から最後にかけては新しいパッセージが始まりますね。
また右手は和音が続きますが、左手は比較的簡単になりますので、右手の和音に集中して弾けそうですね。また和音が続く…と、ウンザリしてしまいそうですが、次は1オクターブ下がっただけで同じ音なので、ご安心を!

91小節目からはラストへ向けて、更に物寂しげな雰囲気になります。
右手の和音はスタッカートの八分音符ですが、ここは雰囲気に合わせてあまり短く切りすぎない方が良いと思います。

まるで運河をゆったりと進むゴンドラが、何処か遠く、霧の中へ徐々に、徐々に消えていってしまうような…そんなイメージで最後のアルペジオの和音は弾いてみたら良いと思います。

まとめ

1、ヴェネチアのゴンドラ漕ぎが歌いながら運河をゆっくりと進んでいくイメージを持ちながら弾く
2、複雑なレガートを確実にするために、運指が重要!
3、転調してからは雰囲気をがらりと変えて!スタッカートで軽やかに♪


少々寂しげながらも、本当に美しい曲ですよね!是非ピアノ弾きのみなさんのレパートリーの中に入れていただきたい一曲です!



「舟歌」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1891年にシューマー社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。


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