ブラームスのピアノ曲の中でも有名な「2つのラプソディOp.79」は、ロマン派の曲を勉強する上で欠かせません。
よく某有名コンクールでも選曲されています。
ロマン派の時代になると、今まで宮廷や教会からの依頼で作曲・演奏をしていた音楽家たちが、「芸術家として自分たちの感情や主張を自由に表現する」という思想から音楽を作り始めました。
古典派と言われるベートーベンも、後期になるとそういった自由な表現で音楽を作るようになりました。
ブラームスもベートーベンの影響をかなり受けていたと言われています。
「ラプソディー」は「狂詩曲」と訳されますが、狂詩曲と言われてもいまいちピンとこないですよね。
私の解釈も入りますがラプソディーは自由な形式で、どこかファンタジックな世界観を持っている曲なので、それぞれ感じる世界観を持って自由に表現してみましょう♪
1番のほうが比較的有名ですが、今回は2番の方をご紹介します!
難易度は?
難易度は一般的には中~上級レベルです。
こちらの2番は1番よりも弾きやすいので、中学生くらいの子がよく発表会やコンクールで弾いています。
ベートーベンのソナタが弾ければ弾けるくらいですね。
ただオクターブがたくさん出てくるので、手が小さい方だと少し大変です。
無理して手を痛めないように、気をつけてくださいね。
手首や腕を柔軟に、脱力を心がけて下さい。
私も手が小さい方なので、オクターブの和音などたくさん出てくると「やめて~」と言いたくなります(笑)
手を十分に温めて、チェルニーやハノンなど軽く練習してから弾くことをオススメします!
ちなみに私の使っている楽譜はこちら。
原典版のためシンプル、そして大きめで見やすい楽譜です。
全音のブラームスピアノ曲集2巻にも「2つのラプソディー」が載っています。
こちらの楽譜はけっこう分厚いので譜めくりが少し大変ですが、ブラームスの色々な曲が入っているのでお得感はあります!
ブラームスがお好きな方は曲集の方がいいかもしれませんね♪
弾き方のコツは?
はじめに速度表記を確認してみましょう!Molto passionatoは「非常に情熱的に」
ma non troppo allegroは「しかし速すぎないように」
情熱的に演奏してほしいけど、速くなりすぎないで!という意味です。
自分が弾いているメロディーに酔いしれるように演奏できたら良いですね。
(動画冒頭~)
冒頭からフォルテなので、しっかり集中して息を吸ってから弾き始めましょう。
m.g.とは左手で、という意味なので2拍目と3拍目のメロディーは右手を飛び越えて左手で演奏します。
3の指など、力の入れやすい指で弾けば良いと思います。
ベースのオクターブも外さないように気をつけましょう。
4小節目でrit.(遅く)しますが、すぐ元のテンポに戻ります。
(動画0:17~)
8小節目のフェルマータで少しためて、9小節目からの和音をフォルテでしっかり掴めるように心の準備をします。
スタッカートの跳ねるようなリズムの部分は、速くなりがちなので注意しましょう。
(動画0:37~)
14小節目からファンタジーな世界観に入りますね。
右手は2声に分かれていますが、上のメロディーの方をしっかりと聴きながら感情をこめて歌います。
左手も臨時記号が多くて難しいですが、ゆっくり正確に譜読みしてくださいね。
(動画0:54~)
21小節目から新たなテーマが始まります。
とってもミステリアスで、うごめくようなリズムが特徴的ですね。
アウフタクトの「ラシ♭ラ」という部分の響きを大事にして、ペダルも濁らないように1拍ずつ踏み変えましょう。
(動画1:08~)
27小節目から5小節間かけてクレッシェンドで盛り上がります。
32小節目は右手が下降するのに合わせて落ち着いていきましょう。
(動画2:36~)
33小節目から、ソナタ形式でいうと「展開部」になります。
私はここからを勝手に「ミステリーゾーン」と呼んでいます(笑)
しばらく3連符の刻まれるリズムが静かに続いていくので、迷路に迷い込んだような不思議な世界観に入っていきます。
(動画3:04~)
45~47小節目で右手と左手がリンクする音が出てきます。
少しだけ目立たせるように、左手をはっきりと出しましょう。
(動画3:47~)
65小節目からppp(ピアノピアニッシモ)という非常に弱くという記号と共にsotto voce(声をひそめて)という指示も書かれています。
相当弱くしたいので、ここからソフトペダルを使うと良いでしょう。
2小節前の63小節目あたりから、ソフトペダルを踏む準備をしてください。
(動画4:15~)
77小節目あたりからフォルテッシモに向けて盛り上がっていくので、ソフトペダルを外します。
75小節目あたりから外す準備をしましょう。
ちなみにソフトペダルを使うタイミングは演奏者によっても変わるので、あくまでも参考にしてくださいね。
ソフトペダルを外したとたん急に音が大きくなってしまうとおかしいので、外した後も緊張感を持って指の力で音をコントロールしましょう。
(動画4:35~)
85小節目のアウフタクトから「再現部」となり、初めのテーマに戻ります。
(動画5:11~)
しかし98小節目から音が変わっていますので、しっかり譜読みしましょう。
ト短調で終わるために転調していますね。
(動画5:33~)
106小節目からト短調で別のテーマが始まります。
ここから終結部(コーダ)になるので、最後まで集中力を切らさないように頑張りましょう!
(動画5:41~)
110小節目あたりからクライマックスです。
オクターブでメロディーを出す左手が難しいですが、ここが左手くんの見せ場です!
最後はデクレッシェンドで消えるように終わると見せかけて、フォルテッシモの和音で終わります。
最後の和音はペダルを使ってしっかり響かせましょう。
まとめ
・難易度は中~上級。ロマン派特有のファンタジックな世界観を自由に表現しよう♪・オクターブがたくさん出てくるので、脱力を意識して手を痛めないようにしよう♪
・ソフトペダルを必要に応じて使ってみよう♪
以上がポイントになります!
私がこの曲を初めて聴いた時は、暗くてネガティブになりそうな曲だなぁと思いました。
ですが弾いてみるとメロディーも綺麗ですし、魅力にどんどんハマっていくような不思議な曲です。
ブラームスに挑戦してみたい方は、ぜひ弾いてみてくださいね♪
「2つのラプソディ第2番」の無料楽譜
- IMSLP(楽譜リンク)
本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1926年にブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版され、その後再版されたパブリックドメインの楽譜です。「2つのラプソディ」全2曲が収録されており、第2番は10ページからになります。
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