ピアノが上達してきたら、有名音楽家の作品にチャレンジしたいもの。
有名な曲や、耳なじみのある曲は、弾けると嬉しくて楽しいし、練習も気合が入りますっ!
その中でも、モーツァルトの「トルコ行進曲」は、特に有名な曲ですよね!
昔、女性デュエットがダバダバダ・ダバダバダ♪とスキャットで歌っていたこともあって、誰でも耳なじみのある曲だと思います。
人前でちょっと弾ければ「おっ!」と反応が返ってくること間違いなしで、
発表会やリサイタルでも必ず弾く人がいる定番曲でもあります!
そんな、クラシック音楽を語るうえでは絶対に欠かすことのできないモーツァルトの名曲。
「トルコ行進曲」の難易度と弾き方についてレクチャーします!
トルコ行進曲を知ろう!
トルコ行進曲の正式な作品名は、「ピアノソナタ第11番 イ長調K.331 第3楽章 トルコ風ロンド=アレグレット」です。
本来は3部構成のソナタですが、この楽章だけが単独で演奏されることが多かったので、「トルコ行進曲のソナタ」→「トルコ行進曲付き」と呼ばれたりもします。
今では第3楽章だけで弾くのが定番化したため、「トルコ行進曲」という名前が定着しました。
そんなトルコ行進曲は、当時流行していたトルコ風を用いられて作られました。
左手の伴奏は、トルコ軍の楽器隊の打楽器のリズムをモチーフとしていて、曲の初めから終わりまでほとんど変わらない拍子で奏でます。
テンポは、原曲はアレグレットですが、速く弾く人が多いのか、私が聴いたことのあるトルコ行進曲はアレグロくらいのテンポが多かった印象です。
しかし、この曲は速く弾き始めてしまうと、後々大変なことになるので注意です!!
その理由は、後ほど書いていきますねっ!!
ペダルも使ったり使わなかったりと、弾く人によって結構違います。
ペダルも技術的なコツがあるので、やみくもに使うより、ポイントで使うことで、曲にメリハリをつけることができます!
その点も、後述の弾き方の部分で触れていきます♪
トルコ行進曲を弾こう!弾き方のコツ♪
トルコ行進曲冒頭部分です。
速さはアレグレットと書いてありますが、練習はじめのうちはもっとゆっくりのテンポが良いでしょう。
トルコ行進曲は、テンポ感がとても大切な作品です。
出だしは比較的簡単なので、つい、速く弾きたくなってしまうのですが、速く弾いてしまうとこの後のレガート部分でとても大変な思いをします!!(笑)
こちらが問題のレガート部分です! (動画1:01~)
譜面だけ見ると「そんなに難しくないじゃん!」と思われるかもしれませんが、速いテンポでここに到達してしまうと、右手の指が速さに追いつけなくなり、大混乱!!行進に急ブレーキがかかったようになってしまいます!!
これは私の実体験で、冒頭部分や盛り上がる部分(動画0:46~)ってノリノリで弾けるので、ついつい無意識でテンポアップしてしまうんですよね!そして、この速弾きパートに来ると右手がもつれるもつれる。。。
トルコ行進曲ならぬトルコ千鳥足曲??って感じです(笑)
当然、先生にも叱られました。
行進曲なので足並みは揃えて、勝手に速くなったり遅くなったりしてはいけないのです。
この部分の練習の仕方は、右手のパートはひたすらに練習!
特に3指と4指は、独立して動かすのが難しいので、「速く動かすのがつらい…」という部分は、無理なく反復練習を繰り返しましょう。
この時の曲全体の練習も、レガート部分がスラスラと弾けるようになるまでは、テンポは抑えめに。このパートに入ってもテンポダウンをしなくてもよい速度で練習しましょう。
速く弾きたい人には、少し我慢が必要です・・・。
次に、オクターブ奏法の部分です。(動画2:47~)
ここは、手の大きい人であればさほど難しくないパートですが、子どもや手の小さい人には弾きづらい部分です。。
私は手が小さく、小指が特に短いので、どんなに手を広げてもオクターブはギリギリ。この曲は速いし本当に苦労しました。何回も手がつりました(笑)
それでも、ゆっくり反復練習をしていくと関節の可動域が広がるので、弾くのが楽になってきます。
なので、みなさまも諦めず、必ず弾けるようになるので自信をもって練習してみてください!!
装飾音のきれいな弾き方
トルコ行進曲内には、装飾音がたくさん出てきます。装飾音は、上のような「⌒」でかかっている音で、1音として演奏します。
トルコ行進曲はテンポが速い曲なので、なんとなく弾けてしまうと思うのですが、意外とこの装飾音は、曲を美しく弾くためにはおざなりにできない部分です。
上の例の場合は、左手の小指(ラの音)から手の内側に向けて重心を動かすだけで、アルペジオのように弾くことは可能ですが、この音は「厳密に1音として弾く」必要があります。
少し細かい技術ですが、イメージとしては、流れ(重心・なんとなく)で弾くのではなく、5指・4指・3指(人によって違うと思います)の指で個々に鋭利に弾きあげると、とても美しく聞こえますよ!
この装飾音は、曲中でたくさん出てきます。
この部分もそうですね。(動画3:06~)
和音に装飾音がかかっているので、装飾音も含めて押しつぶすように弾いてしまいがちです。
ここも、装飾音はできるだけ鋭利に。指先を尖らせるようなイメージで弾きます。
「トルコ行進曲の譜面の音符は、イクラだと思って!」
と、私は先生に言われたことがあります。
なぜイクラ?と思ったのですが、イクラの粒は1つ1つがころころとしていますね。
そして、力を入れてしまうと、プチっとつぶれてしまいます。。。
この装飾音も同じで、ころころのイクラがべちゃっとつぶれないように。
丁寧だけど、ころころした感じに弾きます!
あまり神経質になる必要はないですが、やっぱり1音1音丁寧に弾かれているトルコ行進曲は、聴いていてわかります。
…ということは、逆に、適当に弾いてもよくわかるということですね;
トルコ行進曲の難易度とペダルの有無
トルコ行進曲は、ピアノ初級~中級者くらいの方でも弾ける、有名曲のひとつです。
譜読み自体もさほど難しくはないでしょう。
曲の長さも3~4分くらいなので、体力的にもラク、曲の構成もリピート多く、暗譜もしやすいので、ピアノをはじめて少しした時の発表会の曲として、とてもおすすめできます!
ある程度練習すれば、比較的簡単に弾きこなすことができるので、モチベーションアップにもなりますね♪
しかし、この曲を「美しく弾こう!」と思うとなかなか大変です!
シンプルな曲ほど、1音1音のタッチや拍の取り方、強弱の付け方などが顕著に現れます。
つまり、弾き手のクセや性格、得意不得意、どのくらい練習したかがそのまま曲に反映される、ということです。
聴き手に「このモーツァルトはすごいぞ!!」と思われるような演奏になるよう、頑張ってみてください!!
それから最後に、「トルコ行進曲にペダルは必要なのか?」という疑問をよく見かけるのですが、これは人によってさまざまです。
私の楽譜にはペダル記号はついていませんでしたが、ペダル記号付きの楽譜もあるようです。
ペダルは、装飾音を補う形で使われたり、アクセントの部分を強調するために使われることが多いそうですが、トルコ行進曲は全体的にスタッカートで弾くので、ペダルは必要ないかもしれません。ただ、曲にメリハリをつけるために踏みたい!という方は、ダンパーペダルを半分くらい踏む程度にしましょう。
ペダルを強く踏んでしまうと、歯切れの良さがなくなって、音がジャ~~~ンとなってしまいます!
トルコ行進曲は、あくまで行進曲なので、交響曲風?にならないように注意ですよ!!
まとめ
モーツァルトのトルコ行進曲は、ソナタのトルコ風の曲で、左手の伴奏はトルコ軍楽器隊の打楽器をイメージ!テンポを乱さないよう気を付けて。練習から速いテンポで弾くと、レガート部分でつまづいてしまうので、速く弾くのが難しいうちはスローテンポで練習。右手の反復練習を繰り返し、慣れてきたら曲全体をテンポアップしていきましょう。
装飾音は大切に。1音1音を指先でしっかり弾くように弾くと、丁寧で美しく聞こえます。
発表会や人に聴いてもらう機会のある人は、1音1音を丁寧に練習するよう心がけると、演奏にも反映されますよ!
モーツァルトのトルコ行進曲は、ピアノを始めたばかりの人でも目標にしやすい曲です。
ですが、細かな技法が出てくるので、1つ1つを美しく弾くには、技術力が必要です。
また、トルコ行進曲は、弾き手のレベルがよくわかる曲です。
慣れてきても、大切に演奏するということを心がけましょう。そうすれば、トルコ行進曲はあなたの立派なレパートリー曲になること間違いなしですよ!!
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