私がまだ中学生のころのある日、テレビからスペインを代表するフラメンコダンサーの一人「クリスティーナ・オヨス(1946年~)」の来日公演チケット販売のCMが流れていました。もちろん当時の私には聞いたことのない名前のダンサーでしたが、一度聞いたら忘れられないインパクトのあるその名前と存在感が印象的で、今でも忘れられずにいます。

中性的な美貌の容姿と、力強いダンスも印象的でしたが、そのCMで流れていた音楽が特に強烈なものでした。

トランペットの演奏で、とてつもなく明るい旋律。そしてギンギンに響く、楽器が壊れるんじゃないかというくらいの力強い音!当時中学に入学して吹奏楽部でトランペットを吹き始めた私には非常に刺激的な音で、今でも忘れられないCMです。いつかこんな音が出せるようになりたい・・・

その時の、クリスティーナ・オヨスの踊りと共に流れていた音楽が、ラヴェル作曲の名作「ボレロ」だと知るのは何年も経ってからでした。

そして今から90年前、この名作の誕生のきっかけになった人物が存在しました。そのクリスティーナ・オヨスのように圧倒的な存在感を誇ったダンサーが・・・・

ベルエポックの女神「イダ・ルビンシュタイン」

イダ・ルビンシュタイン(1885~1960)

1927年ごろの某日、パリの街を一人の口髭を生やした大柄な紳士が急ぎ足である所へ向かっています。何やらボヤいているようですよ…

「あたし、女って苦手なのよね。とくにこれから会う女は大嫌いよ。自分はロクに踊れないくせにバレエ団をつくっちゃうなんて!あたしと張り合おうってつもりなのね。この契約がなければ顔も見たくないわッ!」

当時絶大な権威を誇るバレエ団「バレエ・リュス」率いる芸(ゲイ)術プロデューサー、セルゲイ・ディアギレフ。この日はある高級なアパートの一室に、仕事上の契約のために訪れました。

どうぞ、と請われるままその部屋に入ると…


なんと!その広い部屋には虎やライオン、豹、カピバラなどなど、ありえない猛獣達が!!その猛獣達に囲まれて微笑みつつ、ノンビリと横たわり、こちらを眺めているのは全裸の美女!!

次の瞬間

「アッー!」

その中の一匹の豹がディアギレフに飛びかかります。


鋭い爪が!キバが!体に、喉に食い込んでくる!そして血が!と思った瞬間、全裸の美女が豹の首根っこを掴まえて部屋の隅に放り投げました。そして恐怖におののいてジタバタしているディアギレフを見て弾けたように大笑い。

「あンれまー、ディアギレフちゃん。タマ(ペットの豹)が脅かして、すまながっただョー!」

コテコテのロシア訛りでディアギレフを助け起こします。

「何すんのよアンタッ!この性悪女!露出狂!悔しい!キー!」

「まあまあ、許してくれろ。今回の契約もこれでいいだョ。ところで、今度のオラの踊りの曲な、ラヴェルちゃんに頼むだョ。アルベニスの『イベリア』ば編曲してもらうだョ」

「あら!素敵ね、très bienよ…って、知るかー!!勝手におし!今日のことは絶対に許さないワ!もうあなたとは絶交よ!」

かつてはディアギレフのバレエ団に所属し、その美貌でめざましい活躍をした美人バレリーナ、イダ・ルビンシュタイン。バレエや演劇の実力は決して卓越してはいなかったものの、見るものを強く惹きつける中性的な美貌と雰囲気が、数々の芸術音楽にふさわしく、舞台芸術で多くの業績を残しました。今やディアギレフと並ぶ、芸術界を代表する人物です。基本的に家では全裸。趣味は猛獣を飼うこと。

このルビンシュタインのイタズラに腹を立てたディアギレフ、この日を境にかつてのパートナー(芸術上の)であった彼女とは完全に仲違いしてしまいます。

サン・ジャン・ド・リューズにて


さて、場所は変わってここは1928年の夏、フランスの南、スペインの国境に近い大西洋沿いの港町「サン・ジャン・ド・リューズ」。ここは海水浴場としても有名な観光地です。大盛況のアメリカ演奏旅行から帰ってきたラヴェルは、このリゾート地での海水浴に友人と訪れています。

友人が泳ぎに行こうとラヴェルを誘いに部屋に入ると…



突然!豹が襲いかかってきました!…いや、豹の様なネコでした。


「こらこら、ムーニ(ラヴェルの飼い猫)、イタズラしてはダメだよ」

ラヴェルはピアノに向かい楽譜を書き込んでいる様です。飼い猫もサン・ジャン・ド・リューズにつれてきていたようです。じゃれてくるムーニを抱いて友人が尋ねます。

「もうだいぶ完成しているようだね。でも今回ルビンシュタイン女史に依頼されていたのは『イベリア』の編曲版ではなかったかい?」

「いや、実は既にアルボスさん(アルベニスの友人)の編曲版がある。彼は僕に再編曲する権利を譲るとは言ったけれど、やはり自分で1から作ることにした。それよりこれを聴いてみてみて」

ラヴェルは一本の人差し指で、子供が遊びで弾くように、不思議で簡潔なメロディーを奏で始めます。


「この主題からは何かしら執拗的なものを感じないかい?何度も繰り返したくなる…」

「そうだね、不思議な旋律だけど、何度も聴きたくなるね。でも、まさかこれを…?」

「僕はコイツを一切展開させないで、何度も繰り返し、そこに自分の持っている全力のオーケストレーションの技術で勝負してみようと思うんだ」

オーケストラの魔術師

クラシック音楽の作曲家のなかでも、オーケストレーションの技術が色彩的で巧みな作曲家といえば、リムスキー・コルサコフやレスピーギ、マーラー、スクリャービン、R・シュトラウス等。それぞれに個性的な楽器の使い方ですが、ラヴェルのオーケストレーションの技術は特に卓越したものでした。

単一の旋律とリズムのみで一曲を作り上げる。作曲家にできる残された技術とは、オーケストラの楽器をいかに巧みに聴かせるか、という一発勝負的な点のみ。一歩間違えれば、歴史に残る名駄作となるでしょう。しかしラヴェルはこの試みに相当な自信があったようです。

そしてその自信の表れは、90年経つ今でも熱狂的な感動を与えてくれる名作として、私達の耳に届いているのです。

それはまた、次々と現れる楽器のオンパレードともいえます。それもかなり巧みな。

しかしラヴェルはアメリカ演奏旅行から帰ってきた後、次第に脳の病気が悪化、この「ボレロ」の後、完成させることができた曲は、有名な2つのピアノ協奏曲と、ドン・キホーテを題材にした歌曲のみでした。純粋な管弦楽曲はこの「ボレロ」が最後の作品となります。

オーケストレーションの技術のみで勝負をかけた超名作「ボレロ」。その脅威の楽器使用術を、今回もオーケストラのトランペット席からご紹介しましょう。

究極の必殺奥義!「普通のクレシェンド」

 

フランクフルト放送交響楽団!今回もこのコンビはバッチリ聴かせてくれます!



もう多くの説明は必要ないでしょう。旋律はただ一つ。その旋律を前半Aと後半Bに分けて、次々と違う楽器で、巧みに展開されていきます。

旋律A

旋律B

次々と楽器が変わりながら、旋律Aを2回、旋律Bを2回づつ繰り返していきます。


そしてリズム。皆さんはお馴染みの、ボレロのリズム。パーカッションやコントラバス、ハープ等が担当しますが、旋律を担当した楽器も時にはリズムにまわります。


そして、最も音楽表現に欠かせない強弱記号はただ一つ!それは「クレシェンド」!ただそれだけ!約15分かけて、ただ音量を増していくだけではなく、最後に向かって聴く人を徐々に熱狂させていく真のクレシェンドといえます。

セビリアのとある酒場。一人の踊り子が、舞台で足慣らしをしている。やがて興が乗ってきて、振りが大きくなってくる。最初はそっぽを向いていた客たちも、次第に踊りに目を向け、最後には一緒に踊り出す。


まずは静寂から

ここから全てが始まります。シンッ!と静まり返る中、観客もオーケストラの団員全員も、裏方のスタッフも、皆スネアドラムのバチの先端に固唾を飲んで注目しています。

注目の小太鼓

そして指揮者の小さな合図とともに、スネアドラムの最初の打音(0:07)


リム(一番外側)の近くを叩くと、小さく甲高い音が出しやすい。


そしてppの最初の打音から最後まで、スネアドラムは同じリズムを繰り返してクレシェンドしていくのみです。後は任せたゼ!

そしていよいよ旋律が始まります!

トップバッターはフルートです(0:17~)

この間しばらく弦楽器は楽器をギターのように持ち、指でピチカート。これが源流のボレロのスタイルなのかもしれません。

クラリネット(1:05~)

高音用のE♭クラリネットもファゴットの後に登場(2:41~)。ちなみに、童謡「クラリネットを壊しちゃった」はフランス辺りの民謡だョ。ナポレオンの兵隊さんたちも歌ってただョ。

ファゴット(1:55~)

一見楽そうに吹いていますが、ファゴット奏者にとってはかなり高音域です。水上を優雅に進む白鳥の足のように、水面下の努力の賜物です。

オーボエ(3:30~)

朗々と吹くオーボエ・ダモーレ。オケではいつも旋律を吹くことがあるから、この旋律も楽々だろう・・・とか言うやつは誰ダ!?結構フィガリング(運指)が難しい調なんだョ!

ミュートトランペット(4:19~)

オリャァ!行け!


あ、後で思いっきり吹きます・・・

サックス(5:07~)

クラシック音楽のオーケストラではサックスはあまり使われることはありませんが、このボレロでは高音域のソプラノサックス、ダンディなテナーサックスが使われます。いかに甘く、メロウに聴かせるかがサックス奏者の聴かせどころになっています。サックス冥利につきるゼ!


ルガン?(6:44~)

ここでラヴェルのオーケストレーションの天才性がよくわかる音が聞こえてきます。オルガン(パイプオルガン)とソックリの音が鳴り響きます。ここは最もハッ!とする箇所です。
傍点
例えばブルックナーは「オルガンっぽいオーケストレーション」が特徴的ですが、ラヴェルのこの曲は正にオルガンそのものの音がします。実演で聴くと、頭上から響いてくるようでビックリします。どのようにしてこのオルガンの音を、この限られた楽器で再現しているのか?

オルガンの音は多くの倍音を含みます。ラヴェルはその倍音を全て聞き取り、一番低い基音をホルンに担当させ、順番に重なっている高次倍音をそれぞれオルガンのストップからチェレスタとピッコロに交互に割り当てて、それを並行音程にそって・・・・

なんか頭が痛くなってきたので簡単に説明しますと、オルガンの残響に含まれる音そのものを、ラヴェルは一つ一つ正確に音程で聞き取り、その音をピッコロとチェレスタに割当て、ホルンに重ね合わせて「オルガンの音」そのものを再現したのです。


ホルンとオルガンの中間的な音がしますね、私は勝手にホルンとオルガンを組み合わせた「ホルガンの音」と命名しています。まさにマジック。オルガンの音をここまで忠実にオーケストラの楽器のみで作り出すとは、ブルックナーも真っ青です。

木管室内アンサンブル(7:33~)

ホルガンの次はフルートを除くオーボエ、クラリネット、ホルンの木管室内アンサンブル隊です。

トロンボーン(8:20~)

そして旋律Bをトロンボーンソロが吹きます。サックスとはまた違ったメロウなポルタメント(旋律の音を滑らかにつなげる)を聴かせます。トロンボーンよ、ここぞとばかりに歌え!


こちらもかなりの高音域だがナ!

木管アンサンブル(9:08~)

先程の木管室内アンサンブルにフルートも加わり、オーケストラの要とも言える木管アンサンブルが次第に盛り上げていきますよ。

その次は・・・

ヴァイオリン(9:56~)

さあ!いよいよ盛り上がってまいりました!オーケストラといえばもう一つの要、やっぱりストリングス。ヴァイオリンの出番です。いつもの音を聴かせてくれィ!


チェロのピチカートが楽しそう(11:50)!そして途中から2番ヴァイオリンも加わり厚みが増してきます。そして大トリは・・・

突き抜けろピッコロトランペット!トランペット奏者達よ、吹きまくれ!(13:08~)


さあ!最後のクライマックス!トリを盛大に飾るのはトランペットアンサンブル隊です!特にオーケストラのすべての音を突き抜けてピッコロトランペットのハイトーンがバリバリ聴こえてきます。冒頭でご紹介した、私が昔見たクリスティーナ・オヨスの、あのCMの音がこれです!!

ピッコロトランペットの突き抜けるハイトーンに加え3本のトランペットが華やかに鳴り響きます。ここの時点でオケ全体は、長~いクレシエンドを経てフルオーケストラの大音量となっています。トランペットといえど全力で吹かないと、他の楽器に音がかき消されてしまいます。また金管楽器らしいギンギンした音色を主張し、弦楽器群との音色の違いを聴かせる必要があります。

ここは旋律A、Bは繰り返しなしです。

そしてトランペットもかなりの高音域が要求されます。そこでピッコロ・トランペットあるいはD管のトランペットを使います。

ピッコロトランペット。音程を合わせるのが難しい。

ピッコロトランペットとは、バロック時代の曲など、高音域を担当する場合に使われる特殊管です。この「ボレロ」を始め、ラヴェルが編曲したムソルグスキーの「展覧会の絵」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」などの様に近代音楽でも使われます。

普通のトランペットのちょうど1オクターブ上の音域で演奏するように作られています。ベルも小さく音色も突き抜けるような明るい華やかな音になります。調によってB♭管とA管を使い分けますが、このボレロではA管にセットすると指使いが少し楽になります。

ピッコロトランペットやD管トランペットについてはまたの機会に詳しくご紹介しましょう。

ラストだョ!全員集合(14:38~)


そして最後のキメ。打楽器も含めて全合奏です。最初は控えめに踊っていた一人の踊り子が、最後は多くの人々を熱狂の渦に巻き込みます。ずーっと繰り返されてきたメロディーはここでようやく変わり、突如転調して観客の大歓声を模写した後、全合奏でなだれ落ちるような6連符の下降でバシッとキメます!オレー!!(ブラボー!)

名盤紹介

古くはラヴェル自身の演奏から、様々な盤があります。というよりも、CD等で名前が出てくる指揮者は、ほぼ全て「ボレロ」の録音を残していると言ってもいいでしょう。私自身オーケストラ等で演奏し、「ボレロ」の理想の演奏を求めてCDを30枚以上買いあさりましたが(後悔はしていない)、最終的にヘビーローテーションで聴ける、特に素晴らしい演奏をご紹介するだョ。

クラウディオ・アバド/ロンドンフィル

ラヴェル:管弦楽曲集

録音がきれいで、とても聴きやすい演奏です。テンポはやや速め。しかしこの盤の聴きどころは、最後のトランペット隊の華やかさ。そして、ラストは団員たちが歓声をあげています。聴いて熱狂できる演奏はこの盤だけでしょう。

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団

ラヴェル:管弦楽曲集

もっとも個々の楽器が素晴らしいのはこの盤です。

途中の「ホルガン」の鮮明さ、トロンボーンの音、そして最後のピッコロ・トランペットの綺麗さ、スラーの付け方が「ラ・ヴァルス」の時と同様セクシーです。

ちょっと綺麗すぎてギンギンさに欠けますが、オーケストラのハイトーントランペットとして、最も理想的な音です。そして相変わらず歌い方は絶品。このような音で吹いてみたいものです。そしてラストのなだれ落ちる6連符のキメがバッチリです。

アンドレ・クリュイタンス/パリ音楽院管弦楽団

ラヴェル:ボレロ―ラ・ヴァルス―スペイン狂詩曲(クラシック・マスターズ)

古くから名盤として有名です。オーケストラ自体は現代の楽団に比べて上手とは言えませんが、それ以上の魅力がある音です。ポイントは個々の楽器の歌い方!とても自由に歌っています。サックスの味わいが最高です。そして最後のピッコロ・トランペットが必死で吹いているのがいい味を出しています。現代の洗練されたオーケストラでは聴く事のできない、古き良き時代の演奏です。

ピエール・ブーレーズ/ベルリン・フィル

ラヴェル:ボレロ、スペイン狂詩曲、他

この曲の最後の6連符は、なだれ落ちるような6連符で下降して終わるのですが、トロンボーンとイングリッシュホルンだけ上昇音形になっています。この最後の上昇音形がはっきり聞こえると、曲全体が締まったいい演奏になるのですが、このブーレーズの盤が最もよく聴こえます。このキメを聴いた後の満足感が素晴らしい!

ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィル

ラヴェル:ボレロ、スペイン狂詩曲/ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

初めて聴いたときは、なんて汚い音だ!と感じたのですが、実際に自分が演奏した後に聴くと、この盤ほど実演のオーケストラの生音に近い盤はないと思います。旋律の歌わせ方に特徴があり、カラヤンお馴染みのコテコテのレガートで歌っています。

ワレリー・ゲルギエフ/ロンドンフィル

Daphnis Et Chloe Bolero Pavane

これは素晴らしい演奏!!最初の緊張感、楽器のメリハリ!ゲルギエフが爪楊枝で指揮をしているのが最高。最後の盛り上がりの、叩きつけるようなアクセントの付け方といい、最も理想的なボレロかもしれません。

ボレロってなぁに?

ところで、ボレロとはどのようなものなのでしょう。

現在ではボレロというと、このラヴェルのバレエ音楽を指すことが圧倒的に多いです。また、社交ダンスで踊られるラテン音楽にもボレロというダンスがあります。しかし元祖のボレロはもっと古くからありました。

教科書的に、W○KI的に言えば1700年代後半に、スペインで舞踊家セバスティアーノ・カレッソが創作したとされる3拍子の舞曲です。カスタネットやギター、それに歌を交えて1人または2人のペアで踊ります。元々のボレロはもっと速いテンポの、華やかで賑やかな曲です。

しかしスペイン舞曲としての、オリジナルのボレロは現在ではなかなかお目にかかれないのではないでしょうか。

ラヴェルのボレロはあくまでもクラシック音楽であり、元々バレエ用の音楽です。振り付けられる踊りもバレエ、あるいは創作ダンスといえます。またピアノの詩人、ショパンも非常にすばらしいボレロのピアノ曲を残していますが、こちらもポーランド色も交えた純粋なショパンの音楽です。


この元祖のボレロは長い年月をかけ、形も変えてアメリカ大陸へと渡ります。現代、ダンスのボレロと言うと、南アメリカのラテン音楽のルーツの一つともなった2拍子あるいは4拍子の、2人で踊る甘いロマンチックなダンスのことを指すことが多いです。社交ダンスでよく見かけると思います。


(1:37辺りから)見た目以上に難しい!

私も以前、素敵なマダムに教わりながら踊ったことがありますが、見た目以上に足の運びが難しく、マダムの足を何度も踏んづけてしまいました。このダンデーなムッシュのようになりたいものです。

南アメリカのラテン音楽のボレロ。


また、主に女性が着用する服にもボレロというものがあります。ドラクエでも「ふしぎなボレロ」という防具がありましたね。前のボタンがない、短いジャケットのような衣類です。スペインのボレロの踊り子が着ていたことからこの様に呼ばれるようになったようです。

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闘牛士の着ている上着でもあります。ちょっと昔の不良学生の短ラン・・・・ではないですね・・・


そしてボレロのリズム。これは現在まで様々な音楽で使われています。しっかりと前に進んで行くような、次第に次第に力強く盛り上がっていくような高揚感のあるリズムは、様々な旋律によく合います。アニメやテレビCM、フィギアスケート等など・・・

私たち日本人にとって最もピンと来るボレロといえば、時代劇の「水戸黄門」のテーマ曲ではないでしょうか?まさにボレロのリズムそのものです!

「ラヴェルの人生もまた、楽ありゃ苦もあった」

このラヴェルの「ボレロ」は他のクラシック音楽とくらべても特異な音楽ではないでしょうか。

一つの「リズム」と一つの「旋律」、そして一つの「クレシエンド」。非常にシンプルで、下手をすれば信頼を失う駄作となりかねない、一発勝負ともいえる手法。

音楽の大切な要素であるリズム、旋律、強弱を限定した「縛りプレイ」だったからこそ、逆にラヴェルの最も得意としたオーケストレーションの技術のみを縦横無尽に活かすことができる「自由なフィールド」ができたのでしょう。本当に!思い切った作曲だったといえます。シンプルゆえに様々な音楽に多くの影響を与えた超々名作といえます。

しかし、もしこのシンプルさが災いして当時の人々に受け入れられなかったらどうなっていたのでしょう・・・

ラヴェル本人はきっと突き進んだでしょう!ボレロ、それはしっかりと前へ歩いてゆくリズム。ただ一つの旋律のみで人々の心を奮い立たせてくれる。自分の道を、さあ歩け。ボレロ、ああ、ボレロ・・・

年も明け新しい一年がスタートしました。今年も「ボレロ」のように、徐々に徐々に盛り上げていき、初心を忘れず、末広がりの一年になるよう頑張っていきましょう!!

彼女は理解している

「ボレロ」の初演は大盛況で終わり、楽屋でラヴェルとルビンシュタインは今日の成功の余韻に浸りつつ談笑しています。

「そういえばラヴェルちゃんの近くの席に座ってたどっかのバレエ団の娘ッコが、『この曲の作曲者は狂ってる』って騒いでただナ」

「ウイ(ええ)、マドモアゼル。どうやら僕の曲を1番理解してくれているのは、その彼女のようです」

するとルビンシュタインは何も言わずに、満足そうに微笑んだのでした。


The picture of Boehmklarinette By © DrKssn via Wikimedia Commons.
The picture of Selmer piccolo B♭/A trumpet By w:User:Nevilley (from english WP, photo by User:Nevilley) [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons.
The score of Bolero themes By Par Kokin (Travail personnel) [CC BY-SA 4.0], the themes A-1, A-2, B-1, B-2 via Wikipedia Commons.
The score of Bolero rhythm By Par Kokin (Travail personnel) [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons.
The score of reconstructing Organ sound By anonymous author [GFDL], via Wikimedia Commons.

ラヴェル「ボレロ」の記事一覧

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