仕事をしながら趣味を持ちたいと考えている人、たくさんいらっしゃると思うんですが、もしあなたが「なにか楽器のひとつでも習得して弾けるようになってみたいな」と思われてピアノを選択されたのであればそれはとても素晴らしいと思います!\(^o^)/


なぜならピアノという楽器は「初心者でもわりとすぐに楽しむことができる」楽器だからです。

「ピアノは難しい」と思っていませんか?

ピアノに限らず管楽器、弦楽器、打楽器など、どんな楽器でも難しい、といいますか、そうそう簡単に「弾ける、吹ける、叩ける」ようにはならないというのはたしかにあなたの想像どおりなんですが、ものすごく極端なことをいわせて頂くと、そのたくさんある楽器の中でもいろんな意味で「ピアノは簡単」な部類に入る楽器なんです。


もちろんこれは「子供さんが将来クラシックのピアニストを目指して英才教育を受けている」のとは全く別次元の話、ということはご了承くださいね^^;

先に書きますが、クラシックのピアニストとして世界で活躍できるのは英才教育を受けたエリートの中でもひと握り中のひと握りなんです(・・;)

音大を卒業すればたしかに誰でも、いわゆる「自称ピアニスト」にはなれるかも知れませんが、音楽ホールを満員にできる「一流ピアニスト」になれるのは、ほんの僅か。ましてや「ピアノの巨匠」などと呼ばれる存在になれるのはそれこそ一世紀に数人いればいいほうかも知れません。


そんな別次元の話は私とこれを読んでくれているあなたには全く関係ありませんので(失礼!)どうかご安心を(笑)。

ピアノは簡単?その真意とは!



ピアノが簡単だといえる最大の理由は「誰が鍵盤を押しても音が鳴る。たとえ猫でも(笑)」ということに尽きますね。


「え?そんなこと当たり前じゃない!」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
だけど他の楽器はどうでしょうか?


ヴァイオリン、トランペット、クラリネット等、弦楽器や管楽器はまず音を出せるようになるまでが大変なんです。つまり根気がいるんです。


これが子供さんには我慢できても大人になるとなかなかできない人が多いんです^^;

大人はどうしても「仕事もあって忙しいんだから(こんな基礎練習ばかりじゃなくて)早く自分の好きな曲をやりたいよ!」とほとんどの方は思われるんですよね。

「歌の伴奏」ならちょっとの努力ですぐできる!

まるで某食品会社の商品みたいなサブタイトルになりましたが(白菜があればすぐできる、みたいな^^;)、これは本当の話です。


もう少し具体的にいいますと「ちょっとカッコいい(←ココ重要)伴奏ならちょっとの努力ですぐできる」のがピアノという楽器です。

クラシックやジャズなどのピアノ独奏曲がスラスラ弾けたらそれはもちろんカッコいいんですが、なんだか想像以上にハードルが高いな、と思ってらっしゃるピアノ初心者の方、ちょっとだけ廻り道をしてみましょう。


いつも通ってる道をちょっとだけ変えて、でも目的地(楽しくピアノを弾くこと)は同じです。

いつもと違う景色を見たらこれまでにない新鮮な気持ちになるかも知れません。

「カッコいい伴奏」って? 「ちょっとの努力」って?

今回もまたおそらく知らない人はいないであろうと思われるカラオケの代表といってもいい、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」(作曲:三木たかし)を題材にして進めて行きたいと思います。

「津軽海峡冬景色」伴奏例


※ピアノアレンジと演奏は私です。


それではまず「カッコいい伴奏」の逆、つまり「カッコ悪い伴奏」ってどんなものか想像してみてください。



カッコ悪い、といってしまうと語弊がありますが、例えば「コード(和音)だけしか弾いてない」あるいは「カラオケのガイドメロディーのようにただ単に旋律(メロディー)を弾いてるだけ」というのは正直、それほどセンスのある伴奏とはいえないと思うんです。


ですので、上に書いたようなパターンだけでも省いて考えてみれば「ちょっとカッコいい伴奏」になることでしょう。

アルペジオ(分散和音)における「バタートーン」ってなんだ?




この「津軽海峡・冬景色」は三連符のアルペジオのパターンで作られています。



ピアノでアルペジオをちょっとカッコよく弾くには低音部の三度の音はできるだけ弾かないのがコツです。「三度の音」とは仮にドミソの和音ならドから三つ目のミの音、ソシレの和音ならソから三つ目のシの音になります。



この「三度の音」は長調(明るいイメージ)か短調(暗いイメージ)かを決定づける非常に大事な役割を担っています。



しかしながら実際に弾いてみるとわかるんですが、この音を低音部で多用すると逆にうるさく感じてしまいます。


そういう意味でこの低音部での三度の音は俗にいう「バタートーン」なんていう言われ方をされることもあるんですよね。そう、料理で使うバター同様、使い過ぎると「くどくなる」んです。



例えばCのコード(ドミソの和音)の場合、低音部でそのままドミソドとアルペジオを弾けばおそらく「濃い」「ちょっとうるさい」という印象を持たれると思います。


なのでそこをドソドミと上がっていってみてください(つまり低音部の三度であるミを飛ばしてその1オクターブ上のミを弾く形)。


なんだかちょっとさっきよりキレイに聞こえませんか?(*^^*)



ここに貼り付けました私の演奏でも左手はこの弾き方を取り入れています。



※おもに0:28秒~の部分です。


「津軽海峡・冬景色」はキーはAm(イ短調)なので例えばAmコード(ラドミの和音)での音の上昇はラドミラミドではなく「ラミラドラミ」と弾いています。


この程度のテクニックなら、全音ピアノピースのレベルB「エリーゼのために」が弾けるぐらいのテクニックがあればまったく問題はありません。

弾き方をちょっと省略して難易度を下げてみてもいいかも知れません




もし「この弾き方では1オクターブを越えるし、自分には難しくて無理!」と思われる方は手は動かさずそのままで三度の音(ド)だけ抜いてみてください。

「ラミラド」と上昇して行く


のではなく「ラ(左手小指)ミ(左手人差し指)ラ(左手親指)」


の音だけでAmのコードを表現します。



そんなことをしたら長調か短調かわからなくなるんじゃないの?さっきは「三度の音は長調か短調かを決定づける大事な音」と書いていたじゃないの?と思われた方はさすがです!(*^^*)
私の文章をちゃんと読んでくれているんだなぁ、と思うと嬉しくて涙が出そうです^^;


でも三度の音が無くても大丈夫です。人間の耳は優秀に出来ていますので、たとえその三度の音がなくても曲が始まれば(メロディーが聴こえれば)もう勝手に「長調」か「短調」かを聞き入れてくれるのです。


なので先に書きましたように、くどくなるような低音部の「バタートーン」を入れないことの方を優先してみてください。


もしあなたが現在なにか伴奏の曲に取り組んでらっしゃるのであればこのコツひとつで「ちょっとカッコいい」伴奏に聴こえることでしょう!


初心者の方でも弾き方によっては「上手に聴こえる楽器」であるピアノにあなたもぜひ挑戦してみてください!


今回も最後までお読み頂きありがとうございますm(_ _)m

※竜飛岬から見た津軽海峡です

まとめ

1.趣味で弾くのであれば、ピアノは取っつきやすい楽器である。
2.歌の伴奏なら初心者でも、ちょっとカッコよくできるコツがあります。
3.それはいわゆる「バタートーン」を極力使わないようにすることです。
4.もしそれが難しいと思われたなら簡単にする弾き方もあります。


石川さゆり「津軽海峡・冬景色」(三木たかし作曲)の記事一覧

 ピアノ曲の記事一覧