耳コピをしたことがある人、しようと思っている人、できたらいいなと思ってる人、いろいろいらっしゃると思うんですが、プロでもない限り、どうしても耳コピに時間がかかってしまうのは仕方のないことかも知れません。
たしかに物事には音楽に限らず、ある程度のレベルに達するには時間はかかるものですよね。料理、ゴルフ、車の運転などなど…。
クラシックピアノを習っている(習っていた)人はおそらく「耳コピ」という作業はあまりしたことがないんじゃないかと思います。
クラシックではまだまだ楽譜が中心で、昔私が習っていたピアノの先生にはよく「(初めての曲をCDなどで)どんな曲か聞いてから練習するのはやめなさい」といわれたものでした。
要するに「楽譜から入っていきなさい」というわけですね^^;
まぁ何となく何が言いたいかは今となってはわからないでもないんですが、それでも「(アマチュアにとって)それほど重要なことなのかなぁ」とは思いますねぇ。果たしてどうなんでしょうか。。。
ピアニストの辻井伸行氏は盲目のため普通の楽譜を読むことができませんでした。なのでほとんどの曲を耳から聴いて、それで覚えていったと聞いたことがあります。
それの是非はともかく、辻井さんのような国際ピアノコンクールで優勝の実績を持つ一流ピアニストが耳で聞くことから始まっていた、というのは事実のようなんですよね。
それでもピアノのレッスンの中には「聴音(ソルフェージュのひとつ)」というのがあってそれなら経験あると言われるかたもいるかも知れません。
いわゆる「ピアノで弾かれた音を限られた回数耳で聴いて楽譜に書く」作業なんですが、それはあくまで音感を鍛えるための作業であってレッスンのひとつです。
でも耳コピというのはなにもない状態から曲を楽譜にする作業なんです(^^)
耳コピをするために必要な作業は「聴いて書く」これだけです。
もうちょっと詳しく書くと「その曲を聴いて五線紙に音符を書いていく」になりますね。
もちろんこれがなかなかできないから苦労するんですけど(笑)
だけど物事には「慣れ」と「コツ」があります。
今回はその「コツ」をちょっと探っていきましょう!
君にもできる耳コピ!
実際に耳コピをやったことのない人に、まず心から取り外してほしいのは「難しそうで自分にはとてもできそうにない」と思い込んでしまう気持ちです。
これは一番思っちゃいけないことです。「必ずできる」と信じてやりましょう!
ちなみに私がおもに耳コピで行っているのは歌モノのピアノ伴奏譜面です。
もちろんソロピアノ曲でも一応対応はできると思うのですが、わたしの場合、メインではありませんのでご了承くださいませ。
それでは実際に私が耳コピをする際に用意しているもの(必需品)を紹介します。
1.曲の音源となるCDや動画など実際に聴ける音楽媒体。
これはもう必要なのは当然なんですが、昔の曲でCDも出ていないし…。となった時にYouTubeなどの動画サイトは役に立ちます。
2.デジタルオーディオプレイヤー。
※写真はイメージです
CDや動画サイトからこのデジタルオーディオプレイヤーに録音します。
そして何度も何度も聴いて耳コピします。
昔はカセットテープのラジカセや持ち運べる小さな再生機などで何度も何度も止めては回し、止めては回し、を繰り返してしまいにはテープが絡まってダメになったり再生機のほうが壊れてしまうことも少なくなかったと思われます^^;
しかしながら私が使っている某S社のデジタルオーディオプレイヤーは何百回どころか何千回止めたり再生したりを繰り返しても全く機能が衰えることなく、購入以来8年経ってもまだまだ元気です(さすがに電池はすぐ減りますけど。あ、内蔵だから交換できないんです^^;)。
3.五線紙ノートとB鉛筆と消しゴム
※写真はイメージです。
五線紙ノートの大きさはご自分のお好みで。鉛筆はBをオススメします。
濃いほうがはっきりくっきり見えて、練習しやすいです^^;
4.ピアノ等鍵盤の楽器
これもいうまでもなく当然なんですが、必要ですね^^;
この記事はアマチュアでピアノを弾いている人向けに書いているのでとりあえずここではピアノで、という前提で書かせて頂いてます(*^^*)
さて!耳コピしてみたい曲が決まって、ここまで準備ができたら耳コピに取り組んでみましょう!
といいたいところなのですが…。
#や♭や♮は左右どっちに書く?
これまで「読むだけ」だった譜面をいざ書こう!となった時に意外とぶつかるのが「あれぇ?#って音符の右にあったかな?左にあったかな?(笑)というような壁(゜o゜;
些細なことでも人間って実際にやってみるまでほんとに意識にないものなんですよね。
たとえば車の運転にしても助手席に乗っているだけではまず道はほとんど覚えられないと思います。
やはり自分で運転して曲がり角には何の看板があって、等なんらかの意識付けを行いますよね^^;
なので今日まで譜面を書く習慣のなかった人には面倒なことかも知れませんが、一度「写譜」というものをやってみましょう!
「写譜」とは文字通り譜面を自分の手で、写し取ることです。
何も難しい真っ黒(細かい音符がたくさん、という意味 笑)な譜面を写譜する必要はありません。
上に書いたような#や♭などの位置。繰り返し記号やコーダの原則、等々譜面上の様々な「ルール」を写譜することで基本から(知っている人も復習のつもりで)もう一度学んでみましょう。
いよいよ採譜に!
採譜の方法は文章で説明するのはちょっと難しいんですが、頑張って書いていきたいと思います。
今回は「ピアノのみの歌の伴奏を耳コピする場合」で進めます。
手順としては…。
1.ベース音(低音部)を聴き取る。
2.コード(和音)を聴き取る。
3.フレーズの音をひとつずつ拾う。
1.はベースの音を聴き取るだけなのでそんなに難しくはないと思うんですが、最初は慣れないかも知れません。根気を出して頑張ってみてください!
2.はベース音がわかればコードが分かってきます。というのもひとつのキーで使われるコードはだいたい決まっていてそれは多くの歌モノの場合、せいぜい4個から12個程度のものだからです(複雑なテンション系コードなどを除いた場合)。
3.が最も時間が掛かると思われます。人形づくりに例えるなら上記までが骨組みで、この「3.」はまさに「肉付け」の作業になるからです。
デジタルオーディオプレイヤーで自分の聴きたい音が鳴った瞬間にスパッと再生を止めましょう。そしてその音をすぐにピアノなどで探します。でも正直これは時間が掛かります(^_^;)
以上のような作業を経て完成したのが下↓に貼り付けました動画「いい日旅立ち」(谷村新司)です。
※耳コピー(採譜)と演奏は私です。
これは谷村新司がピアノ一台の伴奏で歌っていたCDをまるまる耳コピしたものです。
コツは…。
「わからないと思ったらそこは飛ばして先へ行く(気分を改めればまた聴こえ方が変わってきます。不思議なことに)」
「最初から順番通りに、などと思わずやりやすいところから進める(物事に取り組む際は音楽に限らずこのほうが成功します)」
「集中力が無くなってきたら無理せず休憩する(焦ることはありませんし、急いでも良いモノはできません)」
うーん、コツとはいっても随分とメンタル面ばかりを書いてしまったかも知れません。
だけど慣れたらこれは確実にできます。そこは私が断言します(*^^*)
また、冒頭のタイトルにありますように耳コピをすればその曲を「知り尽くす」ことになります。これがどういうことか、は実際に耳コピをされた人なら分かると思います。
ちょっと変なたとえですが「(異性の)友達」から「恋人同士」になるようなもの…。かな(^_^;)
そう、聴いているだけの時にはわからなかった、細かなちょっとした音の動きや音色に気付くこともまた耳コピの素晴らしい魅力だと思います。
「いい日旅立ち」という曲はあまりにも有名なので例としてあげるのはこれがいいなと思って前回に続きアップしました。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
まとめ
1.耳コピに限らず、どんなことでも習得するまでには時間が掛かるものである。2.耳コピの準備をします。
3.だけどすぐに始めるのはちょっと待ってください!
4.採譜の前に写譜をしよう。
5.採譜に関する過程を書きます!