ドビュッシーの『夢(夢想)』。幻想的な旋律が独特な世界観を感じさせる、まさに珠玉の名作ですね。
ところが実際のところ、ドビュッシー先生ご本人はこの曲に対していろいろと不満があったようです。
この曲はドビュッシー先生がまだ初期の頃の作品で、ご自身としては完成度的な部分等で納得がいかなかったというエピソードがあるそうです。
とはいえ、この曲は今や世界的にも大変有名ですし、私もこの曲は素晴らしい作品だと思います。
しかしそんなことを言われても、肝心なドビュッシー先生としてはどこか腑に落ちない部分も多いのかもしれませんね。
この曲は個人的には、幻想的な雰囲気の中にどこか感傷的な要素も含まれているように感じます。そしてこの曲を演奏、鑑賞する上での醍醐味の一つとしては、この曲特有の独特な和音の響きを味わえるところだと思います。
「ファンタジーな雰囲気の曲が弾きたい」、「ドビュッシーの世界に触れてみたい」という方は必見です。
こんにちは!ピアノ弾きのもぐらです。
畑の種まきや苗植えも、いよいよ本腰を入れる季節になってまいりました。畑の主さんも毎日頑張っておられるようです。
そういえば先日巣穴におりましたら、地上での話し声が聞こえてきました。
何だか気になるので耳を澄まして聞いておりましたら、畑の主さん曰く、サツマイモの苗を植えた場所に、間違えてさらにトウモロコシの種までまいてしまったのだそうです。
まさかとは思いますが、今年はトウモロコシみたいなサツマイモ、或いはサツマイモみたいなトウモロコシができるということなのでしょうか……。でもちょっと楽しみでもあります。
というわけで、今年も畑の豊作をお祈りしながら過ごそうと思います。
■ 目次
譜面や響きに慣れてしまえば難易度は高くない!
さて、本題に入りますね。
この曲は難易度的にはそれほどハイレベルではありません。
教則本を基準に考えますと、だいたいツェルニー30番を修了したという方であれば、充分弾けるくらいかと思います。
ただ、この曲には少し変わった指の運びがあったり、不協和音がたくさん出てきたりして、慣れないうちは「今この音を弾いているけれど、これで本当に合っているのかな?」等、いろいろと疑問が出てくることもあるのではないかと思います。
特にドビュッシー先生のご活躍された時期というのは、いわゆる近現代に位置づけられています。そして同じ時代にご活躍された他の作曲家の作品も、やはり不協和音が多く取り入れられているものが多く見られます。
音楽でも何でもそうですが、その時代の特徴というか風潮というのは、やはり必ずどこかに影響し作品に表れてくるものです。
そのあたりも踏まえて、広い視野で様々な角度から曲を観察してみると、面白い発見がたくさん出てくるかと思います。
予想外の変化が面白い独特な構成!
まずは、以下の動画を聴いてみてくださいね。
この記事では、以下のように一曲を小さなセクションに区切ってご説明していきます。セクションごとに一歩一歩マスターしていきましょう。
・セクションA(最初~0:28)
・セクションB(0:29~1:27)
・セクションC(1:27~2:10)
・セクションD(2:10~2:29)
・セクションE(2:29~2:52)
・セクションF(2:53~3:11)
・セクションG(3:11~3:31)
・セクションH(3:32~終わり)
※カッコ内の時間は上の動画に沿ったものです。動画をよく視聴して、だいたいの雰囲気や曲の流れを頭の隅に置いておくだけでも練習効率はアップするかと思います。
この曲の構成はとても場面変化に富んだものとなっていて、弾けば弾くほどまるで未開の地を旅しているような感覚を覚えます。
そして、この曲の面白いところは「まさかこんなところでこの音(響き)が出てくるなんて!」という、まったく予測のつかない要素がたくさんあるところです。
ただ、人によっては「予測がつかなさ過ぎて場面変化のパターンが全然読めない、何だか心が折れそう……」と感じてしまう方もおられるかもしれません。
実はかく言う私も、かつてはそのように感じることが多々ありました。
そういった意味で昔の私は、ドビュッシー先生の作品だけでなく、近現代に作曲された他の作品全般において、漠然とした苦手意識を持っておりました。
ですが、まさにそれは食わず嫌いのようなもので、少しずつでも真剣に譜面と向き合ってみたところ「なぜ私は今まで、こんなに素晴らしくて奥の深い作品をあんなに毛嫌いしていたのだろうか?」と徐々に思えるようになっていきました。
とにかく「ちょっと苦手だなぁ」と思ってしまっても安易に諦めてしまうのはもったいないですので、まずはできそうなことから少しずつ始めてみるという意識が大切です。
それでは、さっそく曲の練習方法に入っていきましょう!
もぐら式!弾き方のコツ
☆セクションA ~譜面の表記に慣れていこう~
セクションAから序奏となる旋律が始まります。
ここではあまり音の跳躍は見られないので、わりと弾きやすいところかと思います。
※ 『Andantino sognando』の意味は『歩く速さよりもやや速く、夢を見るように』
※ 『con espressione』の意味は『豊かな情緒をもって』
この箇所はなるべく音を控えめに保って弾きましょう。
また、この部分は左手だけではありますが、表記にもあるように情緒豊かに、そして一音一音を丁寧に弾くことを心がけましょう。
ペダルについては、上の譜面では小節の最後でペダルを踏み変える指示がありますが、譜面のバージョンによってはここで踏み変える指示が無いものもあります。
ですのでこの箇所のペダルに関しては、自分で弾いてみて綺麗に聴こえると思った方法がもしあれば、無理に譜面通りの踏み方にする必要はないと私は思います。
ここで「ん?」と一瞬立ち止まってしまうという方もおられるかもしれません。(0:13~)
というのも、ここでは右手の3連符と左手の八分音符を同時に弾かなければならないからです。
この箇所については、あまり細かく厳密に考えなくても大丈夫です。特に3連符は、だいたい二拍分の長さの中に収まっていれば問題ありません。
ちなみに私はこの箇所を弾く際は、譜面の音符の微妙な配置のズレに注目し「左手のタイミングを基準にしながら、そこに右手の3連符を合わせていく」というように考えることが多いです。
この箇所の表記はちょっとわかりにくいなぁと思います。(0:23~)
上の譜面における表記というのは、最初の二つの八分音符は左手、あとの八分音符は右手で弾くという意味になります。
そして最初の二つの八分音符(ファ、ド)はその小節内では、弾いたら押さえっぱなしにします。
また、上の譜面にて小節内の最初に出てくる全音符の『ファ』の音は、その音を別に弾くという意味ではなく「八分音符のファの音を弾いたら、その音をそのまま四拍分(ここでいう全休符分の長さ)のばす」という意味になります。
このあたりの表記が正直、ややこしいのです。
☆セクションB ~不協和音の奥深さに触れよう~
セクションBからは、独特な不協和音で構成された感傷的なモチーフが出てきます。(0:29~)ようやく曲の本題に入ったという感じですね。
※ 『meno』の意味は『~をより少なく』で、この箇所では『音量をより少なく』という意味合いになります。
ここから左手はアルペジオ(意味:分散和音とも呼ばれ、和音を構成する各音をばらして弾く奏法)の形で進行していきます。
そして、長めのスラー(意味:なめらかに)がついていますので、旋律が途中で切れてしまわないよう、ここでは譜面の指番号になるべく忠実に弾いたほうが無難かと思います。
この箇所におけるペダルの踏み変えのタイミングは、特に左手の音に注目し、同じような音が続く箇所ではなるべくあまり頻繁に踏み変えないほうが、何となくしっくりくるように思います。
ペダルを踏み変えないままだと、何だか音が濁っていないかと心配になってきますが、この部分に関してはペダルを長めに踏んだほうが、どちらかというと響きに深みが出るような気がします。
この箇所は次に大きな変化が待ち構えているところですので、少し抑揚をつけてみても面白いかもしれません。(0:42~)
ですが抑揚をつけるとはいえ、全体的な音量はあくまでなるべく控えめに抑えておきましょう。
ここからは、少し弾きづらさを感じるという方もおられるかもしれません。(0:48~)
特に左手は、音と音の間隔が大きく開いてくる箇所もありますので、譜読みの段階で音の位置をしっかり確認しておきましょう。
そしてここは、とにかく片手練習を徹底していきましょう。
この譜面の一つ目の小節ですが、譜面のバージョンによっては『f(フォルテ)』(意味:音を強く)の指示がある譜面もあります。(1:07~)
ここは盛り上がる部分ですので、けっこうがっつり音を出しても大丈夫です。
ただ、その後の小節では『p(ピアノ)』(意味:音を小さく)の指示があります。
ここでは音量の差をしっかりつけることで、メリハリというか起伏を表現できるかと思います。また、特にこの箇所は情緒豊かに表現していきましょう。
そして臨時記号も目まぐるしく変化していきますので、うっかり見落としてしまわないように気をつけましょう。
☆セクションC ~主旋律をしっかりと際立たせよう~
セクションCは先ほどのセクションとはまた違った旋律が登場します。(1:27~)ここでは、たくさんの音の中で主旋律となる音をしっかりと際立たせる技術が求められます。
※ 『espressivo』の意味は『情緒豊かに』
この箇所から主旋律が左手になります。そのため、右手は特に音が大きくなり過ぎないように細心の注意を払って弾いていきましょう。
ですが、どうしてもここは気がつくと右手に集中しがちになる箇所だと思います。
というのは、確かに主旋律自体は左手なのですが、右手は和音を維持しつつ八分音符を鳴らしていかなければならないからです。そして、さらにその右手全体の音量をなるべく小さくしていく必要があるので、何かと気を遣う部分が多いのです。
ここは、ある程度慣れるまでは安易に両手練習には入らないことが重要です。
練習をしていると、早く両手で合わせたいという気持ちも出てくるかもしれませんが、ここは特に右手に余裕が出てくるまでは片手練習を続けていくことが大事です。
そして、片手練習も最初のうちはとにかく遅いテンポから、焦らず取り組んでいきましょう。
※ 『rit.』は『ritardando.』の略称で意味は『だんだんテンポを遅く』
※ 波線のような記号は『アルペジオ』と呼ばれ、この記号のついた和音は、構成されている各音をまるでハープのように下から上へばらけさせて弾きます。
ここからさらに譜面が複雑になってきました。(1:52~)
この箇所は先ほどの譜面に加えて、今度は主旋律を奏でる左手にまで和音が登場します。本当にここは主旋律を際立たせるのに一苦労という印象です。
特に左手については、片手練習の段階で主旋律になる音とそうでない音との区別をはっきりさせるような練習をしていくことが重要です。
具体的な練習方法としましては、同じ左手でも和音と主旋律になる音とを分けて、まずは別々に弾いていくという方法がおすすめです。
とにかくここは、同じ左手だからといってそこに出てくる全ての音を同じように弾いてしまうと、何を表現したいのかがさっぱりわからないような印象になってしまいますので、充分気をつけましょう。
☆セクションD ~それぞれの和音を丁寧に鳴らそう~
セクションDは8小節と短いですが、雰囲気がガラッと変わる重要な部分ですので、ここでしっかりと気持ちを切り替えていきましょう。(2:10~)※ 『a tempo』の意味は『元の速さに戻す』
※ 『piu』の意味は『さらに~』で、そのすぐ後に『p(ピアノ)』が指示されているため、上の譜面上では『さらに音を小さく』という解釈になります。
ここでは右手にスタッカート(意味:音を短く切る)とスラー(意味:なめらかに)が同時に出てきますが、これはノンレガート(意味:音をあまり切り過ぎない)と解釈するのがこの箇所においては適切かと思います。
つまり、スタッカートとスラーの中間というような感覚ですね。
また、上の譜面にて二つ目の小節の左手に出てくる、音符についた『―』という指示記号はテヌートといい『音を充分に保つ』という意味になります。
個人的にはこの音に限らず、このセクション全体において、常に一つ一つの音の長さを長めに、そして念を入れるように丁寧に弾くことが重要だと感じます。
そして、そこへさらに繊細さと慎重さも取り入れていくことで、他のセクションとの雰囲気の違いがより一層はっきりと表現できるかと思います。
☆セクションE ~調の変化と響きの違いに注目しよう~
セクションEからは調が変わり、ヘ長調だったものがホ長調になります。(2:29~)ここは特に和音が印象的な部分です。安定感のある響きをつくっていきましょう。
この箇所は右手の存在感をしっかりと出していきましょう。
左手に関しては、なるべく控えめに弾いたほうが、全体的に音のバランスが良くなるかと思います。
右手の和音はとにかく一音一音が不揃いにならないように気をつけましょう。
また、この部分もなるべく全体的にテヌートを意識して、音が移動する際の微妙な空白をなるべく埋めるように弾いていきましょう。
そしてペダルの表記も確かにあるのですが、この箇所については練習の最初の段階では、なるべくペダル無しの状態で、いかに一つ一つの音を大事に弾けるかに集中した練習を行っていきましょう。
というのは、ここで最初からペダルを入れた練習をしてしまうと、肝心な和音の弾き方をつい考えずに弾き流してしまうという癖につながるからです。
そして一旦その癖がついてしまうと、せっかくの和音の響きにも注意が向きにくく散漫になってしまいますので、まずはしっかり両手が弾けてからペダルを入れるようにしましょう。
※ 『poco cresc』の意味は『少しずつ音量を上げていく』
ここはまるで合唱のようなイメージにも感じられます。(2:43~)
この箇所の響きも独特な雰囲気を出しています。
ここは次の場面に入る大事な箇所です。上の譜面の後に出てくる箇所では『mf(メッゾフォルテ)』(意味:音をやや強く)の指示がありますので、少しずつ音量を盛り上げていきましょう。
☆セクションF ~3連符の存在感がカギになる~
セクションFでは、今度はホ長調だった調が突然ハ長調に変わります。(2:53~)このあたりは「何だかちょっと変化についていけない……」という心境になりやすい部分です。少なくとも私は、どうしてもここに来るとそういう心境になってしまいます。
やはり場面変化の予測がつかないというのは、冒頭では「面白い」だとか簡単に申しましたが、やっぱり大変な部分もありますね。でも、頑張りましょう。
ここは先ほどのフレーズに、さらに3連符やいろんな音符が加えられ、より一層複雑な譜面に進化したといった印象を受けます。
この箇所では、3連符の存在感を濃くしすぎず薄くしすぎず、丁度良い具合に出していくことが重要になってきます。
ですが、正直ここはこの曲の一番の難所とも言えます。
この箇所の3連符も、特に上の譜面にて一つ目と二つ目の小節では、オクターブの3連符となっているため、音の跳躍という面でもけっこう指の動きが忙しくなります。
それでいて和音も押さえて、左手の主旋律も際立たせなければならないので、最初は正直大変だと思います。
かく言う私も、実はこの箇所でこれまで何度も挫折してきました。
ここで心が折れないようにするためには、あえて「ここは難しいところなのだ」と最初から割り切って、決して焦らないことです。
そして先ほども申しましたように、ここでも片手練習の段階で和音と主旋律、そして3連符とに分けて、少しずつ練習をしていくという方法をおすすめします。
☆セクションG ~冷静に譜面と向き合おう~
セクションGでは曲の冒頭、セクションAでのモチーフが少し変化して再び登場します。(3:11~)ここは譜面の表記に慣れないうちは、いろいろと混乱してしまうところでもありますが、冷静に譜面を読み込めば何のことはありませんので、過度に身構えなくても大丈夫です。
※ 『TempoⅠ』は『テンポ・プリモ』と呼ばれ、意味は『曲の始めの速さで』
※ 『melodie legato et marcato』の意味は『旋律をなめらかに、なおかつ音をはっきりと』
この箇所も譜面の表記がなかなかにややこしいところです。
特にこのスラーのような曲線が混乱を招くように思います。
しがないもぐらの素朴な疑問ですが、なぜドビュッシー先生はこの部分を、このようなややこしい表記にされたのでしょうか……。
この箇所は冒頭で登場した主旋律となるフレーズが再び現れているわけですが、たとえば上の譜面にて一つ目の小節の場合、フレーズの最初の二分音符(ソの音)は右手、そして次の二分音符(レの音)は左手が担当するという意味になります。
つまりこのスラーのような曲線とは、主旋律のフレーズを担当する手がどちらなのかを親切に教えてくれているという表記なのです。
とはいえ、やはりややこしいよなぁと私はどうしても思ってしまいます。
ここは何と言っても片手練習が大事です。
そして、できれば譜面を見なくても弾けるくらいしっかりと片手練習をしてから両手練習に入ったほうが、ちょっと退屈な時間が多いかもしれませんが、後々になって混乱せずに済むかと思います。
つまり、ここでは譜面の表記だけでなく指の動きにもある程度慣れることが必要ということになります。
☆セクションH ~自分なりの表現で曲を締めくくろう~
ここからようやく曲も終盤に入ります。(3:32~)ここまで来れば、もうほぼマスターできたようなものです。セクションHではセクションBでのフレーズが再来しますが、締めくくりの箇所ですので少し変化もあります。
繊細さを心がけて、穏やかに曲を締めくくりましょう。
ここから少し変化します。(3:41~)
上の譜面では左手から少しずつ変わっていきますので、臨時記号等は予めしっかりと把握しておきましょう。
そしてこの箇所の後には、セクションDに出てきたフレーズが、音を変えて同じように出てきます。ここでも和音の独特な響きに注目し、一つ一つを大事に弾いていきましょう。
※ 『rall. e perdendosi』の意味は『だんだん遅く消えるように』
このあたりは曲の締めくくりですので、最初に決められていたテンポにはとらわれず、自分の中でしっくりくるように、自由に抑揚をつけて表現していきましょう。(4:09~)
この終わりの部分をどのように弾くかによって、弾き手の個性の違いが出てくるような気がします。
ただ、いくら自由に弾いて良いとはいえ、たとえば『pp(ピアニッシモ)』(意味:音を非常に弱く)の表記があるにもかかわらず『ff(フォルティッシモ)』(意味:音を非常に強く)で弾いてしまう等、あまりにも曲全体の雰囲気にそぐわないような極端な表現というのは、さすがに控えたほうが無難かと思います。
演奏を通して自分の個性を出していくことは確かに大事なことではありますが、その前にまずは曲全体の空気を読むというのも、同じくらい重要なことなのです。
振り返ろう!全体的な弾き方のまとめ
ここまでドビュッシーの『夢(夢想)』についてお話ししてまいりましたが、いかがでしたか?
ここで、以下に全体的な弾き方のコツをまとめました。
- ドビュッシー特有の譜面の表記や不協和音に慣れる(全体的に)
- ペダルは自分でやりやすい方法があれば、無理に譜面に合わせなくても良い(特にセクションA)
- ただし、ペダルは場所によってはあまり頻繁に踏み変えないほうが良い箇所もある(特にセクションB、セクションH)
- 臨時記号や調の変化は、予め譜読みの段階でしっかり把握しておく(全体的に)
- 主旋律がどこにあるのかを把握して、しっかりと際立たせる(特にセクションC、セクションF)
- 和音は一音一音丁寧に弾く(特にセクションD、セクションE、セクションH)
- 片手練習にしっかりと時間をかける(特にセクションB、セクションC、セクションF、セクションG)
以上の7つのコツを念頭に、練習してみてくださいね。
冒頭でも触れましたが、この曲は譜面と独特な不協和音にさえ慣れてしまえば、決して難曲ではありません。
また、冒頭でもお話ししましたが、昔の私のように弾く前から漠然と苦手意識を持ってしまうというのは、新たな世界への扉を自分から閉ざしてしまうようなものですので、大変もったいないことなのです。
そして「完璧に弾けるようにしよう!」という意気込みも確かに素晴らしいことではありますが、時にはつまずいたって全く問題はありません。
むしろつまずいたことによって、自分の苦手なところや課題を新たに発見できたというケースもよくあるものです。ですので、たとえつまずいたとしても、諦めずに何度もチャレンジする気持ちを大切にしていきましょう。
粘り強い努力こそ、やがて自分自身にとっての貴重な糧となっていくのです。
それでは練習、頑張ってくださいね!畑の地中から毎日盛大に応援しております。
- IMSLP(楽譜リンク)
本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1918年にアルバート・アーネスト・ウィアー社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。