「タロット占いって難しそう」
なぜ難しそうなイメージなのか、その理由の多くは「カードの枚数が多くて意味をなかなか覚えられない」というものだと思います。タロットカードは大アルカナ(major arcana)22枚、小アルカナ(minor arcana)56枚の計78枚で構成されています。
確かに枚数が多い……。
せっかくタロットに興味を持っても、この「カードの意味が覚えられない」という壁にぶつかって挫折してしまう人も多いものです。
でも、それで挫折してしまうのはもったいないです。
この記事では絵柄からカードの意味を考えつつ、効率よく簡単にカードの意味を捉えるコツをお話ししてまいります。「カードの意味が覚えられなくて行き詰っている」という方は必見です。
こんにちは!ピアノ弾きのもぐらです。
この前の記事にて「今年のお野菜の出来具合」について占ってみて、その結果がいまひとつだったことを未だに引きずっている今日この頃です。
まあまあ、元気出して!
今年は雪どけが遅いです。お天気が良い日もあれば、4月になっても時々雪がちらつく日もありますし、何だか春なのか冬なのかわからないです。
地上はまだ雪が積もっていてなかなか出られませんので、私は地中でぬくぬく過ごす毎日です。早く暖かくなってほしいものですね。桜が見たいです。
■ 目次
精神の成長の物語!大アルカナとは?
さて、本題に入りましょう。
タロットカードは78枚ですが、今回の記事ではとりあえず大アルカナ22枚分について触れていきます。
ちなみにタロットというのは、大アルカナだけでも十分占うことができます。
へぇ、そうなんだ!
まだ始めたばかりのうちは、とりあえず22枚分のカードだけ読み取れるようになると手っ取り早いかと思います。そして慣れてくると、もっと幅広い解釈が欲しくなります。
小アルカナの56枚を学ぶのはそれからでも遅くはないです。
大アルカナは上記でも申しました通り、22枚で構成されています。「アルカナ(arcanum)」というのはラテン語で「隠されたもの」とか「秘められたもの」を表す単語です。
カードの絵柄から隠されたものを読み取っていくというわけだね!
そして、大アルカナのカードには「愚者」とか「魔術師」などのテーマが描かれており、0番から21番までの番号が振られています。
番号とテーマ、正位置のキーワードの一例は以下の通りです。
【0番:愚者(The Fool)】・・・自由、無知
【1番:魔術師(The Magician)】・・・自信、知性
【2番:女教皇(The High Priestess)】・・・洞察、直観力
【3番:女帝(The Empress)】・・・愛情、豊かさ
【4番:皇帝(The Emperor)】・・・行動力、積極性
【5番:教皇(The Hierophant)】・・・道徳、規範意識
【6番:恋人(The Lovers)】・・・調和、選択
【7番:戦車(The Chariot)】・・・勝利、克服
【8番:力(Strength)】・・・強い意志、受容
【9番:隠者(The Hermit)】・・・思慮、内省
【10番:運命の輪(Wheel of Fortune)】・・・転機、チャンス
【11番:正義(Justice)】・・・公平、中立
【12番:吊るされた男(The Hanged Man)】・・・辛抱、奉仕
【13番:死神(Death)】・・・終わりと再生
【14番:節制(Temperance)】・・・中庸、中和
【15番:悪魔(The Devil)】・・・欲望、快楽
【16番:塔(The Tower)】・・・崩壊、変化
【17番:星(The Star)】・・・希望、期待
【18番:月(The Moon)】・・・曖昧、不安
【19番:太陽(The Sun)】・・・成功、達成
【20番:審判(Judgement)】・・・復活、決断
【21番:世界(The World)】・・・完成、完璧
※ ライダー・ウェイト版のカードでは【8番:力】、【11番:正義】という順番ですが、カードのバージョンによっては【8番:正義】、【11番:力】という順番になっているものもあります。
実はこの順番にはある世界観が表されているのです。
世界観って?
大アルカナというのは「精神の成長過程を表す旅」を描いた物語なのです。
精神は【0番:愚者】から始まって、いろいろな過程を経て【21番:世界】に到達するという意味が大アルカナにはあります。
うーん、よくわからないなぁ。
もう少し具体的にご説明しますね。
絵柄を眺めてみると、愚者は未知なる世界に向けてこれから旅に出ようとしている雰囲気ですよね。
愚者(=無知で未熟な精神)は「魔術師、女教皇、女帝……」と順にそれぞれのカードのテーマを経験し成長しながら、世界(=完全な姿)のカードに到達するというわけです。
尚、ここでは【0番:愚者】を「始まり」と考えてお話ししますが、解釈によっては【21番:世界】を「始まり」とし【0番:愚者】を「到達点」とするものもあります。
どちらを採用するかは人それぞれです。自分なりに考えてみるのも面白いですね。
さて、なぜ上記のことをここでお話ししたかと申しますと、「大アルカナ」という大きな枠の中で全体的な流れを捉えることが、それぞれのカードを解釈する上でのコツの一つだからです。
大きな枠の中で捉える……?
つまり、カード一枚一枚をそれぞれ別物として捉えるよりも、まず成長過程の物語の概要を掴んでから「じゃあ、このカードは成長過程の中ではこういう段階にあたる」と全体をつなげて考えたほうが、実は頭に入りやすいのです。
断片的ではなく、全体の脈絡を意識して考えるということです。
例えば【3番:女帝】のカードを考えるとしましょう。
女帝のカードの意味は「愛情、豊かさ」などですが、そのキーワードだけを頭に叩き込むだけではなかなか定着しないかと思います。
ですがこれを、
「女帝は大アルカナの3番にあたり、知性と自信を獲得し(1番:魔術師)、その上で深い洞察と学びを経て(2番:女教皇)、愛情や心の豊かさ(3番:女帝)に触れることができた段階」
と、解釈してみるとします。どうでしょうか。
キーワードだけで覚えるよりも、カードの印象が強くなった気がしませんか?
確かに!
やみくもに覚えようとするのではなく、このように大アルカナの「精神の成長過程の旅」という世界観をしっかり捉えてカードの意味を考えることが重要なのです。
9つのカテゴリに分けて考えよう!各カードのもぐら的解釈のコツ
次にもう一つ、カードの意味を考える上での大事なコツをお話ししていきます。
先ほどの世界観を理解することができたら、今度はイメージ的に似た要素のあるカードごとにカテゴリ分けをして考えていきましょう。
カテゴリ分けをすることで、大まかなカードのイメージが固まってきます。
でも、カード一枚一枚の意味はそれぞれ違うよね?
もちろんカードは一枚一枚意味が異なりますが、単体で覚えるよりも似たような要素ごとのつながりで覚えたほうがいくらか覚えやすいと私は思うのです。
というわけで、以下にて似た要素のあるカードをカテゴリ分けし、それぞれについてもぐら的な視点で解釈をしてまいります。
ちなみに、このカテゴリ分けはあくまで私個人の解釈の一例です。この考え方が全てではありません。
「こういったやり方を取り入れると理解しやすい」という一つの紹介だと捉えて、解釈の手がかりにしていただければと思います。
また、絵柄の背景についてもっと詳しく知りたいという方には、こちらの本がおすすめです。
この本は西洋文化史の観点からタロットカードの絵柄を解釈していくという、大変興味深い内容になっています。何度読み返しても新たな発見があります。
カテゴリ1:始まり【愚者・魔術師】
まず「愚者」と「魔術師」は、物事の始まりといった部分が似ているように思います。絵柄から「これから何かを始めよう!」という意気込みが感じられます。【0番:愚者】 | 【1番:魔術師】 |
「愚者」は「自由」とか「無知、未知」などを表します。青年が何物にも縛られず、自由に未知の領域に飛び出すかのような姿が描かれていますね。
しかし、そこは崖の上。危なっかしい部分もあるのがこのカードの特徴です。
悪く言えば無鉄砲とも言えるね。
「魔術師」は「自信」とか「知性」などを表します。机の上にはワンド(棒)、カップ(杯)、ソード(剣)、ペンタクル(金貨)が置かれていて、青年はこれから何かを生み出そうとしているような絵柄です。魔術師というだけあって、何か術を使うのでしょうか。
「愚者」と「魔術師」の大きな違いは「何かを持っているかどうか」というところだと私は思います。
愚者は荷物も少なく、ほとんど手ぶらだね。
それに対して魔術師は、既に自信と知性を身につけています。
ここではこの二枚を同じカテゴリにしましたが、「身につけているかどうか」で考えるとそれぞれの解釈はだいぶ異なるもののように思います。
カテゴリ2:思考【女教皇・隠者・月】
「女教皇」、「隠者」、「月」は思考の在り方を表しているというところで共通しているように思います。この三枚は、私がタロットの勉強をし始めた当時「紛らわしくて覚えにくい」と感じていたカードの一部です。
特に「女教皇」と「隠者」は個人的にイメージが似ているように思います。
【2番:女教皇】 | 【9番:隠者】 | 【18番:月】 |
「女教皇」は「洞察」とか「直観力」などを表します。
女性が落ち着いた様子で座っている様子が描かれていますね。彼女は物事の真髄を静かに、かつ鋭く洞察しているようです。
私は彼女を見ていると、何もかも見透かされている気がして怖くなります。
「隠者」も何だか「女教皇」のように静かに洞察しているように思えますが、ランプを持った老人は外の世界や他人ではなく、自分自身の内面を見つめて考えているようです。
「隠者」は「内省」とか「深い思慮」などを表します。
「月」は三枚のうちではわりとわかりやすいように思います。「月」は「不安」や「曖昧さ」などを表します。
絵柄のお月様は困ったような表情です。
一体何をそんなに悩んでいるんだろう。
とにかくこのお月様の表情を見れば、実際の解釈もスムーズにできるかと思います。
カテゴリ3:快楽【女帝・恋人・悪魔】
「女帝」、「恋人」、「悪魔」というと、一見全然違うカードのように思えますが、実はこれらには「快楽」という共通の要素があります。悪魔だ……。
特に「悪魔」は単に「良くないカード」というイメージが強いという方もおられるかと思いますが、大事なことはそのようなカードについて「どこがどう良くないのか?」という、イメージの根拠を突き止めることだと私は思います。
【3番:女帝】 | 【6番:恋人】 | 【15番:悪魔】 |
「女帝」は「愛情」とか「豊かさ」などを表します。
ゆったりとした服(ローブ)を着た女性が、実り多き豊かな自然の中に座っていますね。彼女は大きな愛情で包み込んでくれるような、そんな雰囲気を醸し出しています。
優しそうなイメージだね。
ただ、愛情も度が過ぎると依存や堕落につながります。
女帝の溢れる愛情もほどほどが大事なのです。
「恋人」は「調和」とか「選択」などを表します。
このカードは楽園の「アダムとイブ」がモチーフになっています。
彼らは天使に祝福され、楽しく幸せに楽園での暮らしを謳歌しているかのようですね。
しかしよく見るとヘビも描かれています。このヘビが禁断の果実を食べるように誘惑し、二人は後に楽園を追放されることになるわけです。
このカードは、楽園を謳歌している状態(=調和している)である一方、ヘビの誘惑にのるかどうかという選択も同時に迫られているようなイメージです。
イメージがそのままカードの意味するキーワードになっているんだね!
そして多くの人が怖がる「悪魔」のカードは、「欲望」とか「快楽への依存」などを表します。
カードには鎖で繋がれた男女と大きな悪魔が描かれていますが、よく見ると男女の鎖はゆるく繋がれています。
鎖から抜けようと思えば抜けられそうですが、それでも彼らはそのままの状態に甘んじようとしている雰囲気があります。
「このままではダメだ」と頭ではわかっていても、快楽に負けて結局このほうが楽だと捉えているように思えますね。
これは私個人の感想ですが、「女帝」と「恋人」そして「悪魔」は紙一重のようなイメージです。
先ほども触れましたが、「女帝」の愛情や「恋人」の快楽による調和も、行き過ぎると堕落につながり、結果それは「悪魔」の依存へと変わってしまうように思います。
カテゴリ4:行動力【皇帝・戦車】
「皇帝」と「戦車」はとにかく強そうなイメージです。「絶対にこれを成し遂げるぞ!」という強い意志と行動力を感じますね。
この二枚が出ると、何だか勇気づけられたような気分になります。
【4番:皇帝】 | 【7番:戦車】 |
「皇帝」は「行動力」とか「積極性」を表します。
皇帝が座っている場所というのは実際の戦場なのだそうです。戦場で彼は皇帝、つまり陣地のトップです。彼は戦略を練りつつ、自分でもいつでも戦えるようにスタンバイしているような状態に見えます。
頼もしいね!
そして「戦車」も戦場を連想させますね。
「戦車」は「勝利」とか「克服」を表します。
2匹の白と黒のスフィンクスが引く戦車に乗った男性は、まっすぐに向かうべき方向へ突き進もうとしています。まさに「猪突猛進」という言葉が似合う絵柄ですね。
この「皇帝」と「戦車」も「積極性」という点ではなかなかにイメージが似ていますが、どちらかというと「皇帝」は先を見据えた戦略的要素が強く、一方「戦車」はそれを踏まえた現在進行形の行動力のように私は解釈しています。
「皇帝」で練りに練り上げた策を「戦車」で実行しているようなイメージですね。
ただ「戦車」の実行力もあまりに行き過ぎると暴走につながります。
カテゴリ5:社会【教皇・正義・節制】
「教皇」、「正義」、「節制」は、私たちが社会を渡り歩く上で必要なことを表現しているように思います。私はこれらのカードが出ると、解釈に迷ってしまうことがあります。
というのもこの三枚がそれぞれ表すものは、私たちの日常生活ではあまりにも大事すぎて、それでいてごく無意識的に働いているものばかりだからです。
普段あまり表立って意識しないことというのは、いざ「こう!」と意味を提示されると途端に戸惑ってしまうものなのだなと感じます。
うーん、深いね。
【5番:教皇】 | 【11番:正義】 | 【14番:節制】 |
「教皇」は「道徳」とか「規範意識」、「ルール」などを表します。
中央に描かれている教皇が、二人の神父にありがたい説教をしていますね。カードの意味の通り、教皇は道徳や生きるために必要な規範意識などを説いています。
神々しい雰囲気だね。
そんな「教皇」のカード、実際に出るといまひとつピンとこないことも多いのです。
そうなの?
特に「現在」などの「状況」の場所に出たとき、「現在は道徳?ルール?」とそのままの意味で考えるとちんぷんかんぷんになってしまいます。
うーん。確かに。
そこで重要なのが、描かれている教皇の様子です。どんなふうに見えますか?
「落ち着いている」、「ルールに忠実」、「何かを教えている」とか?
あと「ちょっと偉そう」とも感じますね。
いろいろと印象が出てくるかと思います。そして上記は一例ですし、どれが正解不正解というのはありません。
このように、そのカードの意味が深すぎたりわかりにくかったりしてピンとこないというときは、絵柄の様子を解釈の材料にすることがとても重要なのです。そうすれば、どんなに難しいカードで意味をよく理解できていなくとも、すんなり解釈ができるのです。
「正義」は「中立」とか「公平」などを表します。
絵柄の構図が「皇帝」に似てるね。
確かに。でもカードの意味する雰囲気は全く異なります。
座っている女性は裁判官で、剣と天秤を持っています。彼女はやはり裁判官というだけあって自分の主観や情を挟まず、あくまで冷静かつ公平に裁きを下す、そんな雰囲気ですね。
私はこの裁判官さんのこと、しばらく男性だと思い込んでいました。
この中性的な風貌も「中立」というカードの意味を連想させるような気がします。
そして「節制」は、「中庸」とか「中和」を表します。……とキーワードを言われてもいまひとつよくわからないと思いませんか?
絵柄には二つのカップを手にした天使が描かれています。
天使はカップの水を混ぜ合わせているようにも見えるね。
このカードの解釈には想像力を働かせることが特に大切になってきます。
二つのカップを行き来する水は、まるで日常生活におけるコミュニケーションのように思えます。
つまりこのカードは、他者との意思の疎通によって、お互いの意見を混ぜ合わせる(=中和させる)ことの重要性を表現しているということが言えるわけです。
一人で煮詰まったときは誰かの意見を聞いてみると、自分では思いつかなかったアイディアが出てきて道がひらけることもありますよね。
まさに「三人寄れば文殊の知恵」ということわざが似合うカードです。
カテゴリ6:受容【力・吊るされた男】
「力」と「吊るされた男」は、受け入れる心を表しているように思います。自他共に受け入れることにより道が開けてくるような、そんな優しくも力強い印象を感じるカードです。
また「受け入れることは愛情」ということも同時に学ばされました。
【8番:力】 | 【12番:吊るされた男】 |
「力」は「受容」とか「強い意志」などを表します。
女性が獰猛な獣を優しく手なずけていますね。すごい勇気だと思います。
私にはこの「力」のカードの境地は、まさに永遠のテーマです。
とにかくこのカードのすごいところは、権力や暴力で獣を押さえつけることなく、優しさと愛情と強い意志によって受け入れることで、獣を鎮めているところです。
人間ともぐらもこのような関係だったらいいのに、と思います。
もぐらさんは大変なんだね。
「吊るされた男」は「辛抱」とか「奉仕」などを表します。
吊るされた男性を見ていると、何かのため誰かのため、自分の身を差し出したかのような献身的な愛を感じます。彼もまた、この苦しい状況を冷静に受け止めているように思えますね。
愛のかたちも様々、ということだね。
また「力」は強い意志と愛をもって獣を手なずける、転じて「問題を受け入れ、克服し乗り越える」という意味にもなります。
カテゴリ7:変化【運命の輪・塔】
「運命の輪」と「塔」は大きな変化を表すという点で共通しているように思います。ただ変化といっても、カードから受ける印象というところで両者には違いがあります。【10番:運命の輪】 | 【16番:塔】 |
「運命の輪」は「チャンス」とか「転機」などを表します。
この「運命の輪」のカードにはいろいろなモチーフが描かれており、それぞれのモチーフが何を意味しているのかを知れば知るほど、ますますタロットが面白くなるように思います。
しかし絵柄が奥深いというだけあって、初心者にとっては複雑なカードの一つかもしれません。
うん、確かによくわからないよ。
ちょっと難しいお話になりますが、このカードの絵柄はキリスト教やギリシャ神話がモチーフになっています。
奥が深い!
タロットカードはヨーロッパで生まれたものですので、このカードに限らず他のカードにもキリスト教や神話などの要素がふんだんに盛り込まれています。
恥ずかしながら実はかく言う私も、キリスト教や神話等についてはまだまだ勉強中の身です。
知識を深めた暁には、いつか別の記事にてそのあたりをまた詳しくお話できたらいいなぁと思っております。
ところで、実際のリーディングで「運命の輪」が出ると「あ!何かの転機なんだな!」と私は思います。
ただ、このカードの「転機」というのは「運命の輪」というだけあって、「抗えない」という要素も含みます。
否が応でもやって来る転機やチャンス、か。
それを掴むも逃すも自分しだい、というようなメッセージを感じますね。
「塔」は「崩壊」とか「変化」などを表します。
このカードにも怖いイメージがあるという方が多いのではないでしょうか。
実際私もこのカードが出てくると、ちょっと身構えてしまいます。
塔に落雷が襲い、人々が真っ逆さまに落ちていく様が描かれていますね。
絵柄の色味も何だか怖いなぁ。
「塔」も「運命の輪」と同様、「抗えない変化や転機」の要素が強いですが、「塔」はどちらかというと「崩壊し変化することをどのように受け止めるか、そこから何を学ぶのか」というテーマがあるように私は思います。
またこのカードは「怖いな」と感じると同時に、「何か変えるべきことがあるのか!」と気づくための忠告、つまり状況に対する強いアドバイスのようにも思います。
例えば、日常においても強く言ってくる相手には、苦手意識や恐怖心が出てしまいますよね。このカードもきっとそんな存在なのかなと思います。
でも、そういう存在こそ実は必要だったりするんだよね。
カテゴリ8:希望【星・太陽・世界】
「星」、「太陽」、「世界」は希望のあるイメージですね。この三枚が出ると、何だか幸先が良いような嬉しい気持ちになります。
【17番:星】 | 【19番:太陽】 | 【21番:世界】 |
「星」は「希望」とか「期待」を表します。
満天の星空を眺めていると、不安や心配事なんて何だか小さく思えてくるね。
そう、お星様はまさに希望の象徴なのです。
裸の女性は何にもとらわれず、純粋にこれからを期待しているかのような雰囲気です。そして女性が注いでいる水は命の水、世界を潤してくれる水です。
「星」は「希望や期待」、転じて「目標」とか「願望」も表すカードだと思います。
ちなみに実際のリーディングでこのカードが逆位置で出ると、個人的には「がっかりしている」とか「目標を見失っているなぁ」などと感じることが多いような気がします。
「太陽」は「成功」とか「達成」などを表します。
絵柄の白馬に乗った子どもはとても達成感のある表情ですね。そこに輝くお日様はまるで祝福してくれているかのようです。
ひまわりと太陽って、何だか夏っぽくて眩しいイメージだなぁ。
ちなみにこの「太陽」のカードの「成功」や「達成」というのは、「まだ上に行ける、次が待っている」というような意味合いも含みます。
ここで満足してしまうのはまだ早いということですね。
向上心があるね!
「世界」もイメージ的に「太陽」に似ているところがあります。
カードにはワンド(棒)を持って踊る女性、月桂樹のリースなどが描かれています。
不足なく完全に満たされたような雰囲気がしますね。
「世界」は「完成」とか「完璧」を意味しますが、「太陽」の解釈と違うところは「最終的な到達点」というところです。
「太陽」はまだ先がある達成ですが、「世界」は「最終的な到達点としての達成」を表します。
「世界」のカードが出ると、何もかもが何とかなるようなイメージを抱く方も多いかもしれませんが、視点を変えると「完成されてしまったから、もうこれより上にはいけない」というようにも捉えられます。
物は考えようなんだね。
カテゴリ9:再生【死神・審判】
「死神」と「審判」も一見全然違うカードに思えますが、両者には「再生」という要素が共通しているように私は思います。「死神」も一般的には怖いイメージが強いかもしれません。
ですが、「死神」という名前だけで判断せず、その意味するものをしっかりと受け止めてみましょう。
そうすれば、いくらか感じ方も変わってくるかと思います。
【13番:死神】 | 【20番:審判】 |
「死神」は「物事の終わり」とか「再生」などを表します。
白馬に乗った死神と倒れた人々などが描かれています。
恐ろしい図だなぁ。
でも、よく見てください。
背景には太陽が昇ろうとしている様も描かれています。
この太陽は夜明けを表し(夕暮れだと解釈する人もいます)、暗い夜もやがては明けて、また一日が始まる、つまり苦しい状況がやってきてもそれはいつまでも続くわけではないということを語っているかのようです。
そしてさらに転じて、「苦しい状況を終わらせて、また一から仕切り直そう」というメッセージを「死神」は与えてくれるのです。
そう考えてみると、あながちネガティブなカードでもないですよね。
「審判」は「復活」とか「決断」などを意味します。
「審判」は、かの有名な「最後の審判」がモチーフになっています。
最後の審判、聞いたことがあるよ!
このカードにもキリスト教の色を感じますね。
天使がラッパを吹き、死者たちが棺からよみがえっていく様子が描かれています。これもまた深い絵柄です。
このカードが実際のリーディングで出ると、「過去に諦めた物事が再来する」とか「最終的な決断をする時期に来た」などと解釈することが多いです。
さらに転じて、「まだ諦めるのは早い!」というようなアドバイスとして捉えることもあります。
また「審判」が出るときというのは、何か可能性が残されているにもかかわらず、それに気づけていないというような状況が多いように私は思っています。
気づきのきっかけを与えてくれるカードなんだね!
おさらいしよう!全体的なまとめ
いかがでしたか?
では、以下にて全体的な解釈のコツをまとめていきます。
- 「精神の成長の旅」という大アルカナ全体の世界観を捉える
- 似た要素ごとにカテゴリ分けをして考える
- 意味のキーワードを暗記するのではなく、絵柄から意味を連想する癖をつける
- カード自体が難しくてピンとこないときは、人物などの様子を材料にして解釈する
以上の4つのコツを念頭に、カードと向き合ってみてくださいね。
カードの枚数は確かに多いですが、上記でも申しましたように一枚一枚につながりや共通点を見出して考えると、案外すんなり記憶できるものです。
タロットの勉強も「木を見て森を見ず」状態にならないようにしよう!
とにかくまずは全体像を捉えましょう。
最初は難しく思う部分もあるかもしれませんが、タロットカードの意味というのは解釈が深まれば深まるほど、どんどん面白くなっていくものだと私は思っています。
それでは、またの記事にてお会いしましょう!
あなたのピアノも占いも、畑の地中からいつでも応援しております。