小曲のコンサートなどで単独で演奏されることの多い名曲「火祭りの踊り」。この曲の冒頭はヴィオラと低音のクラリネットがひたすらトリルを続け、炎がメラメラと燃える様子が見事に表現されています。しかしこのアンサンブルがなかなか難しいようです。
とある日のオーケストラの練習風景。この難しいトリルの部分をゆっくりのテンポで何度もおさらいしています。ここでは出番のないトランペット吹きの私。「何か大変そうだなー!」と呑気に聞き入っていました。
おどろおどろしいような、神秘的なトリル。途中で音が「ミ~ファ」と半音動く所はまるで火の玉が動き出したような情景が脳裏に浮かんできます。ゆっくりのテンポに落とし、何度も繰り返してじっくりとトリルの精度を上げていく。指導する指揮者にも力が入ります。
・・・すると突然私は奇妙な感覚に陥ったのです!
「何だ?この感覚は・・・?私だけなのか?他の人達は気づかないのか?若い人達はどうなんだ?」
この湧き上がってくる感覚は何だ?これがファリャの、恋の魔術なのか?スペイン音楽の情熱なのか?いや、違う!このゆっくりのテンポで何度も繰り返される「ミ~ファ」のトリル・・・しかも時にオクターブ高くなる。これがさらに煽ってくる!ミファミファミファミファ・・・・・これはイカン!!
私は「あの言葉」を叫びたくなる衝動に駆られたのです。そう!
「UFO」と!
速いテンポでは気づかなかった・・・その後も私はついでに「火祭り」ではないダンスも踊りたい衝動を抑えつつ最後のクライマックスまで吹ききったのでした。
■ 目次
「火祭りの踊り」だけじゃないぜセニョール、セニョーラ、セニョリータ!
クラシック音楽で「スペイン」を題材にした曲はとても多いようです。例えば有名な「カルメン」や「スペイン交響曲(ラロ)」「スペイン狂詩曲(ラヴェル)」「スペイン奇想曲(リムスキーコルサコフ)」「狂詩曲スペイン(シャブリエ)」「スペインの雨(小柳ルミ子)」スペイン・・・・しかし!そのスペインを代表する作曲家となると意外と少ないのかもしれません。それでもアルベニスやラロなど素晴らしい名曲を残した作曲家はいますが、今回ご紹介するマヌエル・デ・ファリャ(1876~1946)はクラシック音楽の枠を超え、純粋なスペイン音楽にグッと近づいた作曲家といえるでしょう。
ファリャの代表的な曲といえば2つのバレエ音楽、「三角帽子」と「恋は魔術師」がまっ先に思い浮かぶでしょう。どちらもオーケストラとスペイン音楽が見事に融合した名曲です。今回ご紹介する「恋は魔術師(El amor brujo)」は特にスペイン歌謡やフラメンコ寄りの、ギラギラしたスパニッシュ感溢れる曲となっています。
名曲「火祭りの踊り」はこの「恋は魔術師」の中のクライマックスの曲ですが、他にも圧倒的名曲「愛の悩みの歌」や激しい「恐怖の踊り」、フラメンコ色の濃い「きつね火の歌」、感動的な「パントマイム」などなど、全曲で25分ほどですが、素晴らしい名曲が散りばめられています。
ジプシー美女や、幽霊になってもストーカー行為を続ける元夫など、ちょっと変わった登場人物たちが織りなす情熱的な恋の物語です。やっぱりスペインは熱いゼ!
でも「恋は魔術師」という題名、口にしてみるとなぜかちょっと照れるゾ!そんなスペイン色100%のバレエ音楽「恋は魔術師」。略して「恋マジ!!」これぞ真のスペイン音楽!というわけで今回もオーケストラ、トランペット席からご紹介しましょう!オレー!
恋マジあらすじ紹介。「夫の束縛が煩わしくて・・・悪霊退散しちゃいました♪」
バレエ音楽というよりは「サルスエラ」というスペイン劇に近い恋マジ、「恋は魔術師」。その物語は明快です!浮気ばかりしている夫「ホセ」を失くした美しい未亡人「カンデーラス」。悲しみに暮れるカンデーラスに若者「カルメーロ」が想いを寄せます。
しかし新しい恋人「カルメーロ」がカンデーラスに近付こうとすると、幽霊となった嫉妬深い夫「ホセ」がヤキモチを焼いてあれこれと邪魔をします(死してなおストーカー!?)。
夜な夜なカンデーラスの体に憑依し、荒野に連れ出してフラメンコを踊らせる、というメッチャ嫌なイヤガラセをする元夫
そこでカンデーラスはより美しいジプシーの女友達「ルシア」に幽霊になった夫を誘惑してもらい、現れたところを除霊しちゃおう!という作戦を立てます(ホセは生前からルシアに色目を使っていた)。
ある日の真夜中、幽霊夫はルシアの誘惑にまんまと引っかかり姿を現します。そこには他にも大勢の美しいジプシーっ娘たちが! そこでジプシーっ娘たちが大きな焚き火を囲いながら踊り始めます。「オッ、こりゃイイね~オイラも踊るぜ^^」と幽霊夫も鼻の下を伸ばしてまんざらでもなさそうです。
ジプシーっ娘たちの踊りは次第にスピードアップ!炎の周りをグルグルと周ります。そして踊りが最高潮に達した時、幽霊夫は炎の中に吸い込まれて行き、あえなく成仏します。なむ。
「1名様ご案内で~す」
この場面が全曲中のクライマックス「火祭りの踊り」になります。
そしてようやく幽霊夫から解放されたカンデーラス。新しい恋人カルメーロとめでたく結ばれたのでした。めでたしめでたし!
こちらは映画版です。以前「ボレロ」の記事でチラッとご紹介したフラメンコダンサー「クリスティーナ・オヨス」が演技しています。マジの演技です!
声かすれまくりの、完全なフラメンコの歌声です。
こちらのラストはカンデーラスとカルメーロが結ばれる他に、幽霊ホセ(「火祭りの踊り」で失敗し成仏できなかった)とルシアもまた恋が成就し夜明けとともに二人は冥界へと消えていきます。
バレエ音楽「恋は魔術師」全曲をオーケストラ奏者が解説!
「フランダースの犬」でお馴染み、ベルギーのフランダース交響楽団による演奏。グイグイ迫ってくる「歌」が素晴らしい!バレエ音楽というよりは、アンダルシア地方発祥のフラメンコのような音楽です。「スペイン」の名を冠するスペイン以外の国の作曲家が書いた曲は多くあれども、これこそ本当のスペインの音楽でしょう!
序奏と情景(0:06~)
冒頭一発目からトランペットが大活躍です!スペイン、フラメンコらしい激しい旋律。ティンパニの「ジャガジャガジャン!」のリズムがスペインっぽさをさらに醸し出してくれます。しかしミュートを付けて吹くので音が貧弱にならないように注意です。他のピッコロ、フルートやピアノも同じ音を高音で奏するのでシッカリ音を主張しないとオーケストラ全体が貧弱な音に聞こえてしまいます。
存在感たっぷりのアルト歌手がすでに指揮者横、フロントで待機しているので、情熱的なスペイン美女の姿をトランペットの情熱的な音で際立たせてやりましょう!
洞窟の中で(0:39~)
すぐに陰鬱な雰囲気へ。遠くから響いてくるようなトランペットのファンファーレ(1:32~)。オーボエのまさに「ミステリアス」な歌(2:16~)。悩ましい愛の歌(2:44~)
私の個人的な感想として、この1曲は「スペイン」の名の付いた全てのクラシック音楽の中でも最高の傑作だと勝手に思っています。スペイン音楽、フラメンコで重要な要素は「リズム」「踊り」そして「歌」です。
この曲はまさにそれらの要素が詰まった名曲だと思います。「スペイン歌謡」というか、クラシックオペラ風の歌では物足りなさが浮き彫りになります。野太く低い女声、独特な演歌のような「コブシ」が聴きどころです。
綺麗な歌声ではなく「しゃがれる、かすれる」一歩手前のドスの効いた歌声がいいのです!!
カンデーラスは幽霊夫にとりつかれ、とりつかれている間に自分が何をしていたのか分からず困惑します。彼女は歌います。自分は「ヒターノ(ジプシー)」の女として浮気などせず夫のみを愛してきたのに、嫉妬の炎は恐ろしい・・・
幽霊(4:18~)
幽霊となった元夫が現れます。10秒ほどの短いトランペットのファンファーレにピアノのグリッサンドが華やかに彩ります。恐怖の踊り(4:31~)
これも名曲です!引き続きスペイン風のスピード感溢れるダンス。トランペットの絶妙なスタッカートでのタンギングが意外と難しい。民族音楽風の低音楽器のうねりがカッコいいゾ(5:48~)!!魔法の輪(6:28~)
ここまでの情熱的な曲とは打って変わって、非常にロマンティックな曲です。ミュートトランペットのオスティナートが綺麗です。これも聴かせどころ。この曲は目立たない曲ですが隠れた名曲だと思います。オーケストラではわかりにくいですが、これがギターで演奏されると静かに癒やされる魅力的な曲だと気付かされます。
ギター版の『魔法の輪』(最初から2:09まで)。2曲目に同じくギター版の『きつね火の踊り』も演奏されています。
真夜中(8:47~)
30秒ほどの、次のクライマックスへの短い繋ぎの曲です。短いながらも非常に神秘的な曲です。どこか同じファリャの交響的印象「スペインの庭の夜」の冒頭を思わせる雰囲気です。火祭りの踊り(9:18~)
全曲中の核となる名曲です。幽霊となった元夫を除霊する、「悪霊祓いの儀式」の踊りです。
ザワザワしたヴィオラとクラリネットの長いトリルは炎の揺らめく様を見事に表現しています。
オーボエの魅惑的な「歌」(9:39~)。他のクラシック音楽では聴くことのできない独特な旋律です。物憂げな雰囲気に突如として咆哮するホルン(10:25~)。
急激なクレッシェンドから叩きつける1音が何度か繰り返されます(10:46~)。これも見事で、名曲と呼ばれるにふさわしい表現です。
ラストはホルンとトランペットが畳み掛けるような旋律を奏し(12:51~)、何度も何度も激しい1音を叩きつけ、最後は崩れ去るように締めくくられます。
情景(13:18~)
激しい踊りのあとの静けさ。オーボエがここでも神秘的な旋律を奏します。きつね火の踊り(14:22~)
再び女声の情熱的な「歌」が歌われます。これも名曲です。フラメンコ音楽の要素、「リズム」が弦のピチカートで奏されます。「しゃがれる」一歩手前の歌声がいい!!パントマイム(16:15~)
突然冒頭の情熱的なトランペットが再び現れます。しかしその後は感動的な美しい曲調へ。(17:27)からのチェロのソロ、そして(19:52)からのヴァイオリンソロが聴き所。そして最後に再びトランペットが、今度は遠くから静かに鳴り響きます(20:29~)。
愛の戯れの踊り(20:45~)
ここでも女声が活躍。フラメンコギターのような伴奏、スペイン歌謡のような女声による低音が魅力的な歌です。終曲〜暁の鐘(23:39~)
爽やかな夜明けを思わせるのびのびとしたラスト。なんやかんやで幽霊となった元夫は除霊され、カンデーラスとカルメーロはめでたく結ばれたのでした。「さようなら元夫・・・っていうか近づかないで、私はあなたを滅ぼす運命の声であり炎であり、ため息であり引きずり込む海ですからー!」そして鐘が鳴り響き、朝日が差し込みます。明るく爽やかに全曲が締めくくられるのです。
1915年オリジナル版
作曲された最初の版は管楽器一本づつの小編成のオーケストラと「歌と語りと劇」からなる、バレエ音楽とは違ったスタイルの曲でした。後にトロンボーン等が入らない中編成のオーケストラとした版が一般的となりました。しかしながらオリジナル版も、小編成ならではのギラギラした音色と、「語り」の生々しさが魅力的なものとなっています。
最初は演出があり、曲自体は(4:29)から始まります。(4:29から再生されます)
名盤ランキング紹介
この「恋は魔術師」、「三角帽子」とカップリングされた盤が多いですね。しかしなぜかCD自体はあまり多くはない様です。Amazonなどのリンクはこちらで紹介しているものの、(現時点で)手に入りにくい微妙なものが多い点、ご了承下さい。普通のクラシック音楽とはちょっと違ったスタイルの曲だけに演奏によって違いがハッキリ出る面白い名曲です。「歌」と「オーケストラ」の絶妙なバランスが聴きどころですね。
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス/ ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
新旧含めて現在聴くことのできるベストな演奏として、一番に挙げたいのはこのブルゴスの演奏です。
古い録音ですがなんといっても歌が素晴らしい!そしてオーケストラとのバランスも良い!
フラメンコを聴く上で最も求めるものはやっぱり「情熱」と「リズムの激しさ」です!それを充分に表現しているのがこの盤だと思います。録音が古くても新しくても、それは大した問題ではないのです。
あ、この曲は完全なフラメンコではないですね!一瞬そう思わせるほどの演奏であると思います。
ガルシア・ナバロ/ロンドン交響楽団
この盤は小澤征爾&ボストン交響楽団というスペシャルコンビによる「三角帽子」が目立ってしまい、誤解されそうですが、「恋マジ」はガルシア・ナバロ&ロンドン交響楽団による演奏です。
この盤は先のブルゴスと同じくらいに素晴らしい演奏です!注目すべきは「歌」です!あの有名なスペインの歌手、テレサ・ベルガンサが歌います。この盤は「歌」に重点がある様に思います。
恐らく60歳代〜70歳代のオペラ好きの方ならご存じと思いますが、ベルガンサの魅力はロッシーニなどのドラマチックなアリアにあると思います。
時に清楚に神聖に。しかし激しい情熱のある力強さ、そして深く広い声量!まさにこの曲はベルガンサの「お国もの」のレパートリーです。
スペイン出身の女流ピアニスト、アリシア・デ・ラローチャと同様スペイン音楽の巨匠的歌手と言えると思います。
そしてもう一つ、メインの「火祭りの踊り」が非常に素晴らしい演奏となっています。シンプルな音形が続く曲なだけに、ロンドン交響楽団のオーソドックスなスタイルこそ相応しい演奏ですね。
シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団
この演奏は完璧すぎて逆に不満を感じる時もあれば、上記の2点よりも遥かに満足できる時もあるという何とも不思議な盤です。
オーケストラは完全完璧な演奏で、オーケストラで演奏する者にとって目指すべき憧れの演奏と音と言えます。これは間違いない!だだ、フラメンコが好き、スペイン音楽のパッションが欲しいという視点から聴くとかなり物足りない演奏となります。
もっと乱れて欲しい!下手でもいいから、死んでも奥さんを想う旦那を尻目に、新しい男を捕まえる未亡人の「恋の情熱」が欲しい!しかも新しい恋のためならば旦那を除霊までしてしまう!そんな情熱が欲しいゾ!
でも、なんだかんだ言っても、演奏の完成度は高いので結局この盤を何度も聴いてしまいますね。この盤もオケと歌のバランスは最高です。
ロンドンブラス
こちらはちょっと変わった編曲板で、ブラスアンサンブルの「火祭りの踊り」になります。
この「火祭りの踊り」の編曲版で特に難易度が高いのはピアノ版ですが(この後ご紹介します)、ブラスアンサンブル版も中々難しいもの。それをサラッとやってのけているのがこの演奏です。
超絶技巧ピアノ曲「火祭りの踊り」は歌いながら弾く?
この「火祭りの踊り」は単独で演奏されることも多く、他の楽器に編曲されたものもあります。その中でも特に有名なのは作曲者自身が編曲したピアノ版ではないでしょうか。かなりの難曲のようです。しかしどうやらこのピアノ版「火祭りの踊り」女性の方が弾くことが前提なのかもしれません。私が音楽大学生の頃、トランペットを練習しているとピアノ科の友人が「これやべえよ、これやべえよ!」と私に演奏を聞いてほしいと言ってきました。
友人曰く、この「火祭りの踊り」のピアノ版はとんでもなく難しいとのこと。確かに聴いてみると和音などはそれほどではないものの、手数が多い超絶技巧曲。随所にあるグリッサンド。これを完璧に弾きこなせたら演奏効果は抜群、一気に注目を浴びることが出来るでしょう!
しかし友人が言いたかったのはそこではなく、ピアノ譜に「声で歌う」指定があるのだとか。そこで楽譜を見せてもらうと確かに!ヒロインのカンデーラスの声で「アーアーアー」と歌う指定があるのです。それも装飾音付きで。
ピアノバージョンによる演奏。(0:35~)で歌うかな!?と思ったら「声」ではなくそのままピアノで弾いています。この曲はフィギアスケートの浅田真央選手が演技で使用したことでも有名になりましたが、そのピアノバージョンでもこの「声」のところがピアノで演奏されています。
もちろんこれはオーケストラ版にもオリジナル版にもなくピアノ版のみにあるものですが、これを忠実に歌っている演奏はなく、今現在でも聴いたことがありません。友人は「聴きてーよー。でもオラは男だからできねーよー」とボヤいていたのを覚えています。
ようやく見つけたのがこちらのボーカロイドによる演奏です。
https://youtu.be/Mw08NWKes7E
【初音ミク】M. de Falla – 『恋は魔術師』 -火祭りの踊り
ただ「アーアーアー」と声が入るだけでさらに神秘的な雰囲気が強くなります。実際に歌いながら弾いている女性ピアニストの演奏を聴いてみたいものです。
フラメンコとファリャ
この「恋マジ」が作曲されるまでの数十年、19世紀末から20世紀初頭はラヴェルやリムスキーコルサコフ等がスペインを題材とし、優れたオーケストレーションを駆使した大傑作を次々と生んだ時代でもありました。そのほかにもシベリウスやグリーグ、ドヴォルザークなどなど、それぞれの自国の民族性を前面に出した曲が盛んに演奏される中、スペイン出身のファリャは「何とかしなきゃなー」と思っていました。
そんな中、ファリャはある素晴らしいフラメンコダンサーと出会います。フラメンコの巨匠、フラメンコダンスの開拓者とも言えるパストーラ・インペリオ。彼女との出会いがファリャの運命を大きく変えました。
インペリオは当時を代表する卓越したフラメンコダンサーですが、そればかりではありません。フラメンコダンスの特徴とも言える、あの優雅に回るクネクネとした腕の動き。「ブラソ」といいますが、これを本格的に広めたのがインペリオでした。ピンクレディの振り付けだって手の動きが肝心です。
このインペリオがファリャに依頼して完成したのがこの「恋は魔術師」だったのです。
ストラヴィンスキーの代表作「春の祭典」が多くのダンサーを育成した卓越した芸(ゲイ)術プロデューサー、ディアギレフからの依頼で誕生し、ラヴェルの傑作「ボレロ」が変じn女流バレエダンサー、ルビンシュテインからの依頼で誕生した様に、この曲も非凡なダンサーの働きかけで世に生み出されたのでした。
音楽とはフラメンコに限らず「リズム」がまずあって次に動きを伴う「踊り」が現れ、そしてその上に「歌」がある。それを改めて気づかせてくれるのがファリャの音楽の特徴であると思うのです。
まぁ、そんな難しい事は考えず、聴いて熱くなれる、踊りたくなる、「UFO!」と叫んで踊りたくなる。心も体もエンジョイすることが音楽の1番良い楽しみ方なのです!