例えば今日の運勢をタロットで占ったときに、もし「死神」や「塔」が出た場合あなたはどんな印象を持ちますか?
「ああ、今日は良くない一日だ・・・・・・」
おそらく大多数の人はそのようにがっかりしてしまうのではないでしょうか。
私もよくワンオラクルやツーオラクルで運勢を占いますが、この二枚が登場するとテンションが二段階くらい落ちてしまいます。
「死神」とか「塔」というのは、個人的な考え方ではありますが「悪魔」と並んであまり良いイメージが無いカードのように思います。
ですが、それは「イメージ」の問題であって、じゃあ実際に本当に救いようの無いカードなのかと言えば、まったくそんなことはないというのも事実なのです。
とはいえ、この二枚は名前といい絵柄といいとにかく衝撃的かつ印象的なため、どうしても読み手にネガティブなイメージを与えてしまうわけです。
でもせっかくタロットをやるのならば、このようなカードに対して単純に悪いイメージを抱いたままでは正直もったいないようにも思います。
なぜネガティブに感じるのか、そこからカードは何を伝えたいのか、そこを掘り下げて理解できればもっとタロットに親しみが湧くのではないかと思うのです。
この記事では「死神」と「塔」のカードに焦点を当てて、その隠された魅力を取り上げていきたいと思います。
「この二枚が出て意気消沈している」「どう有意義に解釈したらよいのかわからない」という方は必見です。
尚、この記事では「ライダー・ウェイト版タロットカード」の絵柄を基にお話をしていきます。
【日本語解説小冊子付 ライダータロット スタンダード】
こんにちは!ピアノ弾きのもぐらです。
何だか最近暑いですよね。
ちょっと前に桜が咲いたばかりのように思いますが、もはや夏のようです。でも毎日良いお天気なのはありがたいです。おかげで気分が良いです。
もぐらさん、shirokuroさん(泣)
あおいちゃん、どうしたの?
どうしよう、私、どうしたらいいのかな。
前回の記事で恋愛占いをしてあげたあおいちゃんが今日も畑にやってきました。ですが、何やら深刻な表情です。
私これからデートなんだけど、ツーカードでその様子を占ってみたら怖いカードばかり出ちゃって・・・・・・どう考えたらいいのかな。
よほど心配だったんだね・・・・・・。
すいません、元も子もないことを言うようですが、
あおいちゃん、まずはデートに行ってみたらどう?
無理!こんなテンションで行けないよ!
このような場合もありますので、デートの前にタロットを引くのは正直あまりおすすめしないのですが、占ってしまったものは仕方ありません。あおいちゃんのお話を聞いてあげることにしましょう。
現在や過去にも目を向けよう!「死神(13.Death)」の意味
あおいちゃんいわく、ツーオラクル(二枚引き)で「デートの様子とアドバイス」を占ってみたそうです。そして、展開されたのは以下のカードだそうです。
デートの様子【死神、正位置】 | アドバイス【塔、正位置】 |
確かにイメージ的にテンションが下がりそうな組み合わせですね。
さっそく「死神」から考えていきましょう。
「死神」はタロットの大アルカナの13番目に位置するカードです。正位置の意味は「苦境」、「終わりと再生」とか「仕切り直し」、「白紙に戻す」などです。
「終わり」・・・・・・。
そう聞くととても絶望的ですよね。
でも、この死神のカードは確かに物事の終局を意味する部分はありますが、それは「古い状況を終えて新しい状況がやってくる」という意味でもあります。
そしてこれは私の個人的な見解ですので、絶対にいつもそうなるというわけではありませんが、「死神」の正位置が出た場合というのは、何か終わらせるべき過去や問題があることが多いように思います。「死神」の具体的な解釈としては、
- 過去のトラウマが吹っ切れない状況
- 問題や苦境を乗り越えるべき状況
- 今の方向を一新して仕切りなおすべき状況
などが挙げられます。過去もしくは現在に何かしらの問題点が既に現れているといった雰囲気ですね。
つまりこれが「未来」の位置に出た場合、未来だけでなくこれまでのことや今起こっている事柄に対しても目を向ける必要があるのです。
上記を踏まえると、単純に「死神が出たから未来は諦めなければならない」という一点集中的な解釈に留まってしまうのは、正直考え不足と言わざるを得ません。
「死神」が出るということは、現状に向き合い問題を改善させる必要性や機会があることを教えてくれているのです。
改善の必要性に気づかせてくれるという点では、むしろ「死神」が出たことに感謝すべきなのかもね!
ちなみに「死神」が逆位置で出た場合、また解釈は変わってきます。
【死神、逆位置】 |
以前の記事でも、逆位置の解釈は「正位置の意味が悪く出る場合」と「正位置の意味の逆が出る場合」とがあることをご紹介しました。
「死神」についても同じように考えていくわけですが、このように正位置がそれほど明るいイメージではないカードというのは、上記に加えて「正位置の意味が強まる」ということも起こります。
それを踏まえて、以下にていくつか逆位置の解釈例を挙げてみました。
- 過去の未練をなかなか断ち切れない状況(正位置の意味「仕切り直し」が逆になった場合)
- 終わらせるべきつらい状況が続く(正位置の意味「苦境」が強まった場合)
- つらい状況に終止符が打たれて状況がしだいに明るくなる(正位置の意味「苦境」が逆になった場合)
特に占った時点で、悩みがとても深い場合に「死神」の逆位置が出た場合は、正位置の意味が悪く出たり強まったりという解釈を採用することが比較的多いように思います。
現在ではなく過去あるいは未来の位置に逆位置で出た場合、「過去にその状況が明るくなった、あるいはこれから明るくなる」ことを表している場合もあります。
とはいえ結局これも実際にカードを展開して、その都度自分なりに考えていくしかないのです。
では、あおいちゃんのデートの様子についてあらためて考えてみましょう。
デートの様子【死神、正位置】 |
二人の間には何か問題点や課題がありそうだね。
実は、彼とはもうすぐさよならしなくちゃいけないの。
そうなの?
うん、転校しちゃうんだ。でもさよならしたくない。
なるほどです。ここで「死神」が出た理由が何となくわかった気がしました。確かに「別離」という点では「物事の終局」を表しています。
もしかしたら今日のデートが最後になってしまうかもしれなくて、だから楽しいデートにしたかったんだけどね。きっと悲しみを乗り越えなきゃいけないデートってことなんだね。
なんとも切ないお話ですが、とにかく次にアドバイスを読んでみましょう。何か気づきがあるかもしれません。
大事なメッセージに気づいて!「塔(16.The Tower)」の意味
それでは、アドバイスの位置に出た「塔」の正位置について読んでみましょう。
アドバイス【塔、正位置】 |
「塔」の正位置の意味は「崩壊」とか「劇的な変化」などを表します。パッとみた印象はとても衝撃的なカードですよね。
どうしたらいいの・・・・・・?
この「塔」のカードというのも「死神」と通じるところがあります。
「死神」は「仕切り直し」、「塔」は「劇的な変化」。ちょっと近いものがありますよね。
確かに変化という点で共通しているけれど、じゃあ「死神」と「塔」はどう違うの?
これは個人的な感想ではありますが「死神」というのはわりと穏やかさがあります。
「変わったほうがいいよ、そろそろこの苦しい状況を終わらせたらどう?」
というように言われているように思います。
それに比べると「塔」は雰囲気的にとても激しいものがあります。
「遅かれ早かれ変わるんだ!壊せ!今が変化のときだ!」
というようなイメージのように思います。
「塔」は「否応なくおとずれる変化」がテーマになっています。だからこんなに劇的なのです。
なるほど~
「塔」が正位置で出た場合はたいてい何か変化を表していることが多く、それが抗えないものというように捉えるため、だからこんなに怖いイメージなのだろうと私は考えています。
確かに自分でコントロールできない変化や出来事って怖いよね。
【塔、逆位置】 |
ちなみに「塔」の逆位置の解釈例は、
- 変わりたいのになかなか変われない(正位置の意味「変化」が逆になった場合)
- 変化についていけない(正位置の意味「変化」が悪く出た場合)
- スパッと変われずにずるずる引きずる(正位置の意味「変化」の意味が悪く出た場合)
- 衝撃があまりにも強すぎる(正位置の意味「変化」が強まった場合)
などが挙げられます。
じゃあ、私の悩みで出た「塔」の正位置はどんなアドバイスになるのかな?
アドバイス【塔、正位置】 |
あおいちゃんは「相手とさよならしたくない」と言っていたね。
アドバイスで「塔」の正位置が出たということは、「変化することを受け入れる必要がある」とか「何かを壊す必要がある」という意味を表しているのかもしれませんね。
何かを壊す?何だろう。
これは私の経験談ですので、全ての方に参考になる解釈かどうかはわかりませんが、「塔」の正位置がアドバイスで出た場合というのは、「本音をぶつけあって一度穏やかな関係を崩す必要がある」というように捉える場合もあります。
なるほど、「破壊」という意味はそういうふうにも考えられるね!
そういえば私、彼に「寂しい」って本音言えてないなぁ。彼もそのことについてはなるべく話題に出さないようにしているみたいだし・・・・・・
この際お互いの本音を思い切ってぶちまけてみてもよさそうですね。
そうだね。本音が言えないままでお別れするのは悲しすぎるよね。あ、そろそろ待ち合わせの時間だ、みんなありがとう!
あおいちゃんはすっきりした顔で予定通りデートに出かけていきました。
おさらいしよう!全体的なまとめ
いかがでしたか?
ここで「死神」と「塔」の解釈のコツを以下にてまとめました。
- 「死神」は、現状に何か改善すべきことがあることを伝えている
- 「塔」は否応なくおとずれる劇的な変化や、その変化の必要性を伝えている
- 正位置の意味が明るいイメージではないカードの逆位置の意味には、「正位置の意味が強まる場合」がある
- なぜネガティブに思うのか、じゃあそこから何をカードは伝えたいのかを状況とあわせて冷静に考えていくことでその見方が変わる
以上の4つのコツを念頭に「死神」、「塔」のカードとも仲良くなっていきましょう。
タロットカードには、確かにこのようにネガティブなイメージの定着したカードがいくつかありますが、だからといって決してそれは「悪いカード」とか「忌み嫌われるカード」ではないということを忘れないことが大事です。
タロットカードの中に無駄なカードや要らないカードというのはありませんし、一枚一枚には深く重要なメッセージが込められています。
そのときそのカードが出たということは、必ず何かしらの意味があるんだね!
そして最後に一つ、この度あおいちゃんは無事デートに行きましたが、占いの結果を鵜呑みにするあまり、現実をないがしろにするようなことは絶対にしないようにしましょう。
占いの結果が思い通りではなかったからといって、行動しなければ状況は何も変わらないどころか悪い方向に向かうことだってありうるのです。
とにかくメインは現実です。現実をよりよくするための占いですからね。
現実にしっかり向き合うことこそが、カードからのメッセージを大切にすることでもあります。
それでは、またの記事にてお会いしましょう。
あなたのピアノも占いも、畑の地中から毎日応援しております!