突然ですが皆さんはドラゴンボールは知っていますか?原作もアニメもずいぶん前に最終回を迎えましたが今でも非常に人気がありますね。それに登場するサイヤ人は大きなダメージを受けた後に休息し回復すると以前より戦闘力がアップするといいます。

実はこの点はトランペットなどの金管楽器の練習にも当てはまるのです!。

どの楽器でも必ず必要な筋肉をある程度鍛える必要があります。歌もピアノもそう。トランペットの場合はとくにしっかり練習してから休んだ後、次に吹いた時は以前より音が出しやすくなっている事に気づくと思います。つまり、ある程度の「演奏するための体力」をつける必要があるということなのです。

でも瀕死になるまで練習しては逆効果です。仙豆はありませんので。(スーパーサイヤ人になれた人は今度私にこっそり方法を教えてください!)

目指せスーパートランペッター!!究極のロングトーン大作戦

ドラゴンボールに出てくるキャラクターは日々強くなるために様々な修行をしていますが、トランペットで言うならばその修行の一つが「ロングトーン」だと言えます。このロングトーンはこれから先に出てくるタンギングやスラー、高音域なども含めて、全ての基礎になる大切な修行メニューなのです。トランペットの音そのものを作る究極の練習だと言えます。

これをいかに効率的にやるかがトランペットの技術全てに大きく影響してきます。

では!細かい事は後で説明するとしてロングトーンをやってみましょう!メトロノームを必ず使いましょう。スマホのメトロノームでもOKです!自分のリズムでやってもいいのですが客観的なテンポで練習することは、いつか他の人と合奏するときに必要となります。

真ん中の“ソ”の音を使ってロングトーンを練習していきます。その下の“ド”でもOKです。少し長い時間吹くので出すのが楽な方の音で。そして強い大きな音ではなく、必ず小さな柔らかい音で吹きます。


まずは4拍吹いて4拍休む。それを最初は2分続けましょう。姿勢は下を向きすぎたり上を向きすぎたりしないように。(写真参照)



つらくても体の姿勢は崩さないように。トランペットを吹くためのインナーマッスルの筋トレのつもりで。写真のように自然に構えましょう。左手でしっかり持って、右手はピストンに添えるだけ。それをしっかり最後までキープです。

お客さんの前で何か3、4分くらいの曲を演奏するつもりで、姿勢をキープして練習するとより効果的です。

2分ロングトーンをしたら必ず休憩です。吹いた分と同じくらい2分以上休みましょう。その後今度は3分、4分、5分と時間を延ばしていきます。それぞれ必ず休憩を入れてください。

だんだん音が出てくる!

5分くらい続けると体も唇もかなり疲れると思います。ここまでやるとそろそろ気づくと思いますが、休んだ後にまた吹いたとき非常に吹きやすくなると思います。なんか急に上手になったように感じます。いや、本当に上手になってきているのです^^

このロングトーンは常に同じ吹き方、同じセット、同じ姿勢でやることが大切です。だんだんとトランペットを吹くための必要な筋力とスタミナが身についてきます。

吹いて、少し疲れて、休んで上達する。

ロングトーンは地味な練習に見えますが、ただ音を長く伸ばすだけの苦行の練習ではありません。座禅のように煩悩を取り除いてはいけません。“うまくなりたい!モテたい!!”という欲望むき出しで吹きましょう!!そう!ラッパ吹きは煩悩の塊なのです!

余裕が出てきたら今度は8拍吹いて4拍休む。さらに“音の綺麗さ”を意識して吹きましょう。

口の中はどうなってるの?

ロングトーンが一通り終わったらここで一旦楽器を置いて休憩しましょう。ここで楽器を吹くときの口の中のことを考えましょう。自分の口の中を意識してみて次の図を想像してみてください。


横から見るとこうなります。舌を上げて口の中を狭くします。舌の先は下前歯の後ろ、あるいは下前歯より前に出して下唇にくっつけます。どちらかやりやすい方でOKです。

では、舌の左右はどうなっているのでしょう。


前から見るとこうなります。舌は自然に力を抜いて、横にひろがって下奥歯の上に乗る感じにしましょう。

実際口の中は外からは見えないのでイメージしてやるしかありません。少しわかりにくいかもしれませんがレントゲンの動画があります。





息の圧力

トランペットを吹く際に二つのことが必要不可欠です。一つは前回「マウスピースはこうやってセットする!」で説明した“唇の振動”。もうひとつは“息を入れる”です。その息とは管楽器にとって非常に重要なものになります。

トランペットの場合、圧力のある、細くてスピードの速い息が必要となります。口の中は舌を上げて狭くし空気を圧縮して圧力を上げます。舌を下げて口の中を広くしてしまうと空気の圧力が下がり貧弱な暗い音になるし高い音も出にくくなります。

吹奏楽を経験されたことがある人は先生から聞いたことがあるとおもいますが、息の圧力はホースで水を出すときの様な感じです。水を遠くに飛ばすとき、ホースの口をつぶすと、出口が狭くなった結果水が勢いよく遠くまで飛びますね。(楽しいですね)それと同じ原理です。

これは今後高い音を出す時に必要になってくるポイントです。しっかり体得しましょう!

ひとつの音を伸ばすだけがロングトーンではないッ

休憩回復して戦闘力がアップしたところで練習再開です。ロングトーンはいろいろなやり方があります。

(数字はピストンを押す番号です。2は真ん中のピストン、0は何も押さない)

これもトランペットを吹く上で大切なポイントです。一見“ソ”から半音だけ下がってソに戻るだけですが、均等に吹かないと意味がありません。ソと同じ唇と息のテンションで、滑らかに音が移動しなければいけません。動くのは指だけです。「音のつなぎ目が滑らかに自然に動く」です。つまり「スラー」です!

ある世界的に有名な奏者(たしかホーカン・ハーデンベルガーだったと思います)はこの練習を何時間もかけてやるそうです。たったこれだけの音でも音色、音の明確さ、息の流れ等々課題はたくさんあり、音が出る原理をしっかり研究するにはとてもいい材料なのです。つまり名曲「ソファ♯ソ」なのです^^

自分が出した音に対しては常に色々な事を考えながら練習して行く事が上達の秘訣です。次にさらにこの形で半音づつ下に下がっていきましょう。音をつなげる「スラー」で。


これらをピストンを使わないで吹くベンディングという練習もあるのですが、それはまたの機会に。乞うご期待ください。見てくれよなッ(悟空風に)

ロングトーンは必要ない??

以前に知り合いのクラリネット吹きが「ひとつの音を吹くやりかたでなくても普通に曲を練習すればロングトーンを吹いたことになるから、一つの音だけでロングトーンをやる必要はない」と言っておりました。確かに練習曲や演奏する曲をたくさん練習して、一日でも早くできるようにすればそれで結果オーライではないかと思えます。この考え方は間違いではないと思いますが注意が必要です。

どのような難しい曲であっても常に同じセット、ポジション、同じ音の出し方で演奏しなければ必ず曲の途中で疲れて吹けなくなります。この知人の言っている本当の意味は、根本の音を出す方法がしっかりしていて、指の速さや音域の変化、動きはいかに複雑であっても出ている息と音は常に一定である。

つまりどんな曲を吹いているときもロングトーンをしているだけ。ただ指や息を少し変化させて音を動かして音楽にしているだけ、ということです。先にも言いましたが、ロングトーンは全ての演奏技術の元となるものなのです。ロングトーンで音を正しく作ることができるようになれば、他の技術も自然にできるようになるのです。

ロングトーンは物凄く地味な練習ですが最も大切な練習です。ピアノは鍵盤を押せば音は出ますがトランペットは自分で音を作って出すしかないのです。音そのものが出なければどんな楽器も練習になりませんね。

というわけで、最初はロングトーンで音つくりをがんばりましょう!!