トランペット経験者の皆さんは、一番最初にトランペットという楽器を触ったのはいつ、どこででしたか?おそらく日本人のトランペット経験者の約95%以上の人は、中学校の吹奏楽部に入って、そこで初めて触ったのではないでしょうか?
小学校の金管クラブから、という人もいれば高校に入ってからという人もいると思います。ご両親のどちらかがトランペットをやっていて、自分も始めたという人は少ないのではないでしょうか。
学校や顧問の先生によりますが、吹奏楽部に入部すると、購入するなどして自分の楽器を用意するように指導される場合もあります。とくに吹奏楽コンクールなどで上位を目指す学校がそうです。
また入部人数が多い学校だと備品楽器も足りなかったり、学校としても管理も大変な事から自分で購入する様勧められる事があります。こだわる先生は音色をそろえる為に、楽器のメーカーまでそろえるよう指導する方もいます。
そのときにトランペットの場合、大体2つのメーカーの楽器を指定されます。ひとつは日本の有名なヤマハ。もうひとつはバックというアメリカのメーカーです。
■ 目次
- 1 みんな最初はヤマハ・スチューデントモデルから
- 2 種類は様々
- 3 ヤマハトランペット品番の意味
- 4 YTR-1335.YTR-2335 YTR-3335初心者向けモデル。ではありません!
- 5 YTR-4335.4335S.最も人気のあるYTR-4335GS自分の楽器にするならココからがオススメ!
- 6 あなたの楽器は金の楽器?銀の楽器?それとも…
- 7 銅の楽器です!
- 8 ちなみに本当の金メッキはどうなの?
- 9 YTR-6310Z.YTR-6310ZSプロモデル。ヤマハトランペットの原点
- 10 一枚取りベルと二枚取りベルの違い
- 11 YTR-850 YTR-850GSカスタムモデル。バリバリ音が出ます!!
- 12 楽器自体にクセがつく!?
- 13 YTR-8335とYTR-8335Rシリーズ。ヤマハ最高傑作名作ゼノ
- 14 SとGとRがついた時の違い
- 15 買うときのポイント
- 16 この機種を買った人のその後・・・
- 17 自分の楽器を買ってからメッチャ上達したわ~、という人へ。
みんな最初はヤマハ・スチューデントモデルから
吹奏楽部に入部した小中高の皆さんは、ほとんど学校の備品の楽器を最初に使うことになると思います。そこにある楽器はほぼ100%ヤマハの楽器です。なんか黒っぽくて汚そうな銀色の楽器や所々中途半端に剥げている金色の楽器、ピストンが固まっていたり・・・歴代の先輩方の汗と涙が染み付いていそうな楽器です^^;それらの楽器はほぼ全てヤマハのスチューデントモデルという楽器です。5万円くらいの安価なモデルですが侮るなかれ!音色、音程共に非常に良い楽器です。
種類は様々
吹奏楽部に入部していてこれから自分の楽器を買おうと思っている方は、おおよそ顧問の先生や学校に来る楽器屋さんにオススメされるモデルを購入すると思います。さらには保護者の方と予算を決めて選ぶでしょう。でもカタログを見るとどれも同じ形で、違いといえば金色か銀色かの違いしかわからないと思います。値段も10万以下から30万近いものまで。特に値段の差は何なのか?高ければいいのは確かだけど…
以前私は楽器店関係の会社に勤務していた頃、業務上ヤマハのトランペットほぼ全てのモデルを吹いて、お客様に説明する仕事をした事がありました。(原朋直モデル等のアーティストモデルを除く)その上で、私なりの各モデルの音の特徴や楽器を選ぶポイントなどをご紹介していきたいと思います。
トランペットは決して安い買い物ではありません。吹奏楽部の学生に限らず一般の方にも参考にして頂ければ幸いです。
ヤマハトランペット品番の意味
それでは各モデルの説明をしながら、品番の簡単な意味も一緒に説明していきますね。ここではB♭管のみを紹介します。(注・現在カタログが変更になり品番やモデル名などに多少違いがあるかもしれません)
まずYTR-2330を例に。YTRはヤマハトランペットの略です。次の数字がいわゆるグレードの様なもので1000番台から順番に8000番台まであります。数字の後にSがつくと銀メッキ仕上げ、銀色の楽器です。
何もつかないのは金色です。これは金メッキではなく楽器の表面をピカピカに磨いて、透明なラッカーを塗装しています。学校の楽器で中途半端に剥がれているのはラッカーが剥がれた所が錆びて変色したものです。
さらにGの文字がつくのもあり、これは材料に銅が含まれたゴールドブラス、もっと銅が多く赤っぽいのを赤ベル等といいます。これは後ほど説明します。
またベルの作り方も一枚の真鍮板から作る一枚取りと二枚から作る二枚取りと言うものもあります。
ヤマハのトランペットの良さを簡単に挙げるなら、音が非常に出しやすく、音程も正確にとりやすい、という点です。
それでは機種ごとに見ていきましょう!!
YTR-1335.YTR-2335 YTR-3335初心者向けモデル。ではありません!
学校の備品として日本全国に普及しているモデルです。吹奏楽部に入部して最初に触る楽器だと思います。もしかするとYTR-135という番台かもしれません。きっと学校のものはピストンが動かなかったり、本体がヘコんでいたりしていると思いますσ(^_^;)
このモデル、学校備品で安いし初心者向けで、音も薄っぺらい音じゃないの〜と思っている方。それは大きな間違いです!私自身も長い間この2335S(銀色)を使っていました。低い音から高い音まで均等に出しやすいです。この点は最高位のモデルと変わりません。いやそれ以上にコントロールしやすいかもです。高い音も外れにくいのです。
ずっと昔の話ですが、ジャズトランペットのエリック宮城さんのコンサートを聴きに行った時のこと、コンサートが終わってサインを貰おうと楽屋に行きました。ついでにどんな素晴らしい楽器を使っているのかと思い、見せてもらった所、なんとその日の使用楽器はこのYTR-2335だったのです。音が出しやすい、吹きやすい楽器がいいと仰っていました。
この三つのモデルの違いを説明します。一番管を調整するための親指のフックがYTR-1335には付いていません。YTR-2335は付いています。YTR-3335は主管というチューニングをする管がリバース式という形になっています。リバース式については後ほど説明します。
この三つのモデルに共通して言える唯一の欠点としては、オーケストラなどで暗めの音色が求められた時、その音を作るのに少し苦労する点だと思います。抽象的な言い方になってしまいますが、音がまとまり易い反面、暗い音が他のモデルより出しにくい感じがします。
ある意味この違いが値段の差なのかもしれませんが、それでもプロの人はこのモデルでも上級モデルと変わらない音が出せます。またどんなに高い楽器でもキチンと手入れせずピストンが動かなかったり、大切な所をぶつけてヘコんでいる楽器よりはこの三つのモデルの方がまだマシです。
(注・2012年よりYTR-2335はYTR-2330にモデルチェンジされています。ケースが変わり抜差管の支柱がなくなりましたが、楽器の性能に大きな違いはありません)
YTR-4335.4335S.最も人気のあるYTR-4335GS自分の楽器にするならココからがオススメ!
楽器備品にあることは稀で、個人で持つ楽器としては申し分ない機種になります。価格は10万くらいと安すぎず高すぎず、お手頃で機能は申し分ありません!特にYTR-4335GSは非常に人気の機種で吹奏楽部新入生はこのモデルを買う人が多いです。
音も良く、自分が出したい様々な音色にも十分対応できます。どれも遜色ありませんが、特に銀仕上げでGがつく4335GSがいいと思います。最も音の輪郭がハッキリ出しやすいからです。金額的にもほとんど変わらないと思います。
なるべく予算はかけたくないけど、ジャズでも吹奏楽でもオーケストラでも対応できるのか欲しいなら4335GSをオススメします!
あなたの楽器は金の楽器?銀の楽器?それとも…
初めてトランペットを買おうと思って、皆さんが必ず疑問に思うことは、金のトランペットと銀のトランペットはどう違うのか?ということだと思います。違いは大雑把に言えば二つあります。一つは金(ラッカー仕上げ)より銀仕上げの方が表面がハゲにくい。
もう一つは音に影響し、銀仕上げの方がやや抵抗があり、ラッカー仕上げは抵抗が少なく明るい音が出せると言われています。
銅の楽器です!
もう一つに、トランペットの材料の金属に銅を少し多めに混ぜた”ゴールドブラスベル”と呼ばれるものがあり、銅の性質上やや茶色に見えるものがあります。これは銀仕上げよりさらに抵抗感があり、力強い音が出せるといいます。ラッカー仕上げはその色が見えますが銀仕上げだと見えません。銀を落としてみるしかありません。メーカーの言うところでは、ラッカー、銀、銅の順で抵抗感が増すと謳っています。しかし私の正直な感想は抵抗感よりも、その順に音の輪郭がハッキリしていく様な感じがするということです。抵抗感が全然違うと主張する方もいますが、それほど大きな違いはないように思います。音色がわずかに違ってくるので、それを修正しようとする為に抵抗感が増したと感じるのではないかと私は考えます。
つまり金(ラッカー)と銀は音的には大きな違いはないと言えます。銅のゴールドブラスはやや違うかな?くらいの差です。一部で銀の方が良いと言う噂もありましたが、全くそんなことはありません。
結局は音色は自分で作るしかないのですね。楽器のグレードやマウスピースの大きさはあくまで補助的なものだと私は思います。
ちなみに本当の金メッキはどうなの?
金色のトランペットは実は金ではなくて透明な塗料ラッカーなのですね。ちょっとガッカリしましたか?^^今の所ヤマハでは金メッキのモデルは無いそうです。たとえばエリック宮城モデルなどは“ゴールドラッカー”とありますがこれはラッカーに金色の塗料を混ぜただけです。残念!本当の金メッキは“ゴールドプレート”とよばれ、実際は銀メッキの上に金を薄くメッキしてあります。(金は直接塗れないらしいです)有名なものではシルキーというメーカーに金メッキのモデルがあります。もちろんお値段は高いです。定価で約70万円くらいします。しかもお店によっては「時価」と書いてあります。寿司屋か!!
その金のシルキー、音はどうでしょう。吹いた感じはヤマハの楽器と似ていて、一見音は出しやすいです。しかし非常に硬い感じのまとまった音が出ます。さすがに銀メッキの上に金が塗られていると音を出すのに少し苦労する感じはします。
なので、高いし初心者には吹きにくいし、あまりおススメはしません。たしかに本物の金の色ってウットリしますけどね・・・
ただ、マウスピースは金属アレルギーのある人は金メッキを使います。これはいつかの機会に説明しましょう。
YTR-6310Z.YTR-6310ZSプロモデル。ヤマハトランペットの原点
この6000番台の機種はプロフェッショナルモデルと呼ばれていて、やや特殊な感じの吹奏感です。ヤマハが最初に自社のトランペットを開発する際、アメリカのシルキー社のトランペットを参考に作ったと言われており、その集大成がこのモデルです。
大きな特徴として、チューニング管の形状がリバース式になっており支柱も付いていません。
これは息や音の抵抗感を少なくする為とされています。もちろん他のモデルにもありますがこのYTR-6310Zは特にその特徴が活かされています。ジャズ向きのモデルと言う人もいますね。
吹いた感じは他のモデルとは少し違った感じがします。良い意味で細くまとまった音が前に飛んでいく感じです。逆に太い音を出そうとすると力が入ってしまいます。なので、オーケストラでも十分ふさわしい音ですが、いわゆるドイツモノのオケでは音色を合わせるのにマウスピースなどの大きさで工夫する必要がある様に思いました。
しかしジャズのソロやクラシックのソロではかなりいいと思います。最もヤマハらしい特徴がある楽器ではないでしょうか。
一枚取りベルと二枚取りベルの違い
ベルの作り方には一枚取りと二枚取りと言うものがあります。一枚取りは音がまっすぐ前に出ると言われています。これは作るのに一枚の板からハンマー等で叩いて作る、昔からの製造方法です。職人による一つ一つの手作りになります。
二枚取りは音の輪郭、粒がハッキリした音が出しやすいと言われています。ベルが外れるホルンを見たことがあるでしょうか?あんな感じで二枚から作られています。
一枚取りか二枚取りかは機種によってすでに決まっています。なのであまり気にしなくていいと思います。上位の機種は全て一枚取りです。
YTR-850 YTR-850GSカスタムモデル。バリバリ音が出ます!!
ここからはカスタムモデルと呼ばれているもので、長く使えるモデルです。
YTR-4335からさらにグレードアップした機種で私の意見としては、ヤマハやバック、シルキーなどを含めた様々なメーカーの楽器の中では、フォルテで吹いた時の音が最も明るく、音も目立つ楽器だと感じます。この後に紹介するゼノシリーズよりバリバリ出るかもしれません。もう気持ちいいくらい音が出まくります^ ^何となく自分が上手になった様な気がします。
では柔らかい音は出ないのかと言うとそんな事はありません。4335GS同様に出せます。ただそれに加え明るい音の出しやすさではこちらの方が遥かに優秀です。お値段は上がりますが予算が許すのであれば、こちらをオススメします。
そしてこれもGSがつく方をオススメします。ビックバンド等で吹いたらとても活躍できそうです。もちろんオーケストラでも一番トランペットパートでも対応できると思います。
楽器自体にクセがつく!?
人それぞれ楽器の吹き方にクセがあり、一定期間吹いているとその人の吹き方のクセが楽器に移ってしまう。と言う事をたまに耳にする事があります。つまりおかしな吹き方をするとその楽器までもが吹きにくくなり、他の人がそれを吹いたときに吹きにくい楽器だと感じられると言う事ですが、そんな事があるのでしょうか?私はそれはあり得ないと考えます。曲がったりヘコんだりした金管楽器を直した事があるのですが、人間の力では簡単には曲がりません。それこそ金槌で打ったり体重をかけたりしないと曲がりません。人間の吐く息程度の力ではビクともしないのです。
熱で変化するかもしれません。ちなみに材料である真鍮の融解温度は約800℃、含まれている銅は1085℃です( ;´Д`)
もしかするとミクロの世界レベルでの変化はあるかもしれません。管の内側がわずかに錆びた影響などなど。しかし私は様々なグレードやメーカーの楽器を吹いてきましたが、残念ながらそれに気付くまでのレベルには達せませんでした…
YTR-8335とYTR-8335Rシリーズ。ヤマハ最高傑作名作ゼノ
楽器屋さんで「ぶっちゃけ、どのラッパが一番いいですか?」と聞くと、ほとんどの店員さんは「カタログの一番上に載ってるやつがオススメです」と答えると思います。つまり一番高い機種です。なぜなら売り上げが上がるからです^^しかし同時に買った人も一生使っていけるばかりでなく、音楽の可能性を大いに広げてくれます。ぶっちゃけ、一番高い楽器は間違いありません。
XENO(ゼノ)と呼ばれるこのシリーズは、ヤマハが総力をかけて開発したノウハウが凝縮されていると思います。基本的にはアメリカのバック社を参考に作られていて、ここまで紹介した機種のすべての特徴を兼ね備えています。
全日本吹奏楽コンクールで全国大会常連校で使っている生徒さんが多く、世界的に有名なオーケストラ奏者、ジャンル問わずのソリスト等々、日本を代表するモデルであると言えます。
この機種にも、もちろん銀仕上げ、ゴールドベルGのバリエーションがありますが、さらにRがつくタイプもあります。これはYTR-6310シリーズと同じチューニング管がリバースのタイプです。さて吹いた印象ですが、いずれもすばらしく要求される全ての音に対応できると思います。
GとSがつかないノーマルタイプもいいですがやはりYTR-8335GSとYTR-8335RGSが音に幅広く、特に唇を振動させる時の反応が非常にいいです。
SとGとRがついた時の違い
具体的に銀仕上げのSと銅が多く混ざったゴールドブラスGがつくとどう違うのでしょう。私が感じたのは、とても簡単に言うとSがと付くと音の輪郭のコントロールが様々にできるということです。スタッカートで吹くと汚くない、はっきりとした音が出せます。また、Gが付くと何も考えずに普通に吹けば、柔らかくてぼやけた音が楽に出ます。このぼやけた音は特にYTR-1335などでは出すのに少し苦労します。
ただし、これらは非常にわずかな差です。
そしてRが付いた場合、これはヤマハのトランペットの特徴でYTR-6335でも書いた通り、綺麗な細い一本の線のようなまとまった音が出しやすいです。音になった息の流れをいかに遠くへ飛ぶようにするか、ヤマハの長年の研究の賜物だと思います。ゼノは間違いなく世界で通用するモデルなのです。
(そして今、私はテレパシーを送っています・・・ヤマハ株式会社金管楽器担当者様。明日全国の楽器店でヤマハトランペットがバカ売れで、モノを売るってレベルではないくらい売れまくりで、品切れ続出でしょう・・ちなみに今、私は求職中なのです・・・)
買うときのポイント
それでは楽器を買う時のポイントとお勧めモデルを機種別にまとめましょう。学生の人は保護者の人と相談して買う必要がありますが、決して安いものではありませんので良く話し合って決めましょう。この記事が参考になれば幸いです。・まずは予算はどれくらいか。YTR-1335~3335もいいのですが、せっかくなら学校備品ではなくYTR-4335GSからをお勧めします。数万円ほどの違いなので。
・楽器店で、買う前に必ず自分で吹いて見ましょう。よほどのことでない限り不良品はないので、高い機種も遠慮せず試奏してみましょう。初心者の人はどれが自分にとっていいのか、決めるのが難しいかも知れませんが納得いくものに決めましょう。
昔は同じ品番でも個体差があるから同じものを何本も試奏して決める、というのが常識でしたが最近の品質管理は良くなっているのであまり心配は要りません。(高い機種ではプロの奏者の選定品もありますが、これはいい物の中から特にいいものが選ばれます。)
・よほどこだわりがなければ、アーティストモデルなどの特殊なモデルは選ばずスタンダードなものをお勧めします。将来エリック宮城さんのようになりたい!!というのでなければスタンダードなモデルで何年、何十年がんばって、自分がアーティストモデルの対象になれるようになりましょう!!^^b
・「あと数万円出せばもうひとつ上の機種が買えますよ。機能は値段以上にアップします」と楽器店の人にもう一つ上の高い機種を薦められると思いますが、ズバリ正しいです。これはただ売り上げを上げたいというのだけではなく、本当にその通りだからです。もしあと少し予算オーバーできるなら一つ上をお薦めします。
・次の3点がスタンダードでオススメです。長年使えて、様々なジャンルの音楽に対応できます。例えば将来、ジャズをやりたいとか、クラシックをやりたいと思った時も、どちらでも対応できるのです。どれもSとGが付いたものがいいと思います。値段もわずかな違いですが音の幅は本当に広がります。
YTR-4335GS
値段は安すぎず高すぎず。機能的にも十分に対応できる音です。出来るなら最低限の機能を備えているこのモデルからの購入をオススメします。
YTR-850GS
お値段は結構アップしますが、音の出しやすさは格段に上です。吹きすぎに注意。
YTR-8335GS、8553RGS
何も言うことはありません。一生の友となるでしょう。
この機種を買った人のその後・・・
さて、これを買いましょうとお薦めしてきましたが、私はただオススメして終わりにしたくはありません!!楽器を買った後、その人はどのように上達したのか、そのグレードの楽器を選んで本当に良かったのか?そこが最も大切です!今度はおススメのモデルを購入した人達の機種ごとの2年3年、または5、6年後の状態や、その人たちがどういう風に上達したか、私が実際見てきた人たち何人かを例に説明します。
YTR-4335GS
購入後2年でバリバリ音を出していました。主にマーチングで吹いている人と吹奏楽で吹いている人、それぞれ音色は違っていました。ジャンルごとの吹き分けは十分にできるモデルといえます。どちらの人も、この機種特有なのかどちらもブレない、まっすぐな音が印象的でした。
反面やはり小さな柔らかい音の時は苦労しているのが伝わってきました。柔らかい音を出したいけど出しにくい、という事を本人が自覚できていることが何より大切なことで、それに気づかせてくれる機種なのかも知れません。
YTR-850GS
購入後1年くらいでしっかりした音に。かなり音が出やすいので最初はやや汚い音になりがちでした。4年後くらいにその人の音を聞いたら、メリハリのある音はそのままに、音の汚さは改善されました。ついつい自分の音に酔ってしまいがちで(本人の気質か?)オーバーブローになってしまいますが、よく言えばそれに対応できるモデルといえます。
この機種の特徴は、楽器任せに吹かず、音のイメージをしっかり持って吹くことを要求されることなのかも知れません。
YTR-8335GS、8335RGS
これを購入する人は初めから上を目指している人といえます。やはり最初から柔らかい音が出やすいようです。2年、3年とやっていくうちに、急に派手な音が出るようになるのではなく暗い音も強い音も徐々にバランスよく上達していく、そんな印象を持ちました。
YTR-2335からYTR-8335RGSへ
スチュ-デントモデルを長年練習し、しっかり吹けるようになってからゼノに楽器を変えた人の場合。本人に感想を聞いてみたら、特に違う機種になっても違和感はなく、最初は若干明るめの音が出しにくかったが、なれるとコントロール出来るようになった、とのことです。
他にも事例はたくさんありますが、安い楽器だから上達が遅いと言うことはありません。また逆に高い楽器だから上達が早い事もありません。
私はこれは「ロールプレイングゲームのレベル上げとステータスアップ」に似てると感じます。例えば攻撃力を先に早くアップさせるのか、防御力を早くアップさせるのか、あるいは遅くともバランス良く全ステータスをアップさせるのか。どちらにしても正しく練習すれば、最終的には同じ強さになります。
可能であれば最初から良い楽器が理想ですが、予算と自分が将来ずっとトランペットを続けるのか、その点を考えて選ぶのがベストです。どの機種からスタートしても、基礎をしっかり練習して身に着ければ楽器が変わってもすぐ対応できるということなのです。
自分の楽器を買ってからメッチャ上達したわ~、という人へ。
トランペットは日々の練習の積み重ねが大切ですが、新しい楽器やマウスピース、吹き方を変えたキッカケで突然上達することがあります。とくに中学生などは2年から3年になるくらいに短期間で急激に上達する場合があります。そして高音のファーストを担当することになると思います。バリバリ吹けるようになって自信を持てて、嬉しくなり毎日の部活が楽しくてしょうがなくなるでしょう。しかし吹きすぎには注意してください。バテている状態でさらに無理して吹くのは唇を壊している状態だからです。
ファーストたる者の責任感もあるし、コンクールもそろそろ近いし・・・責任があるのはわかりますが、綺麗な音が出なくなったな、無理して音を出しているな、と思ったら顧問の先生に相談して休憩をさせてもらってください。せっかく一生使える楽器を手に入れたのだから、ここで壊してしまわず一生楽器と音楽を楽しんで欲しいのです。