ピアノを始めるとまず最初に弾いてみたい!と憧れる名曲「エリーゼのために」。
冒頭のミレミレミ・・・と儚く始まるフレーズがなんとも切ない名曲中の名曲ですね。
今回はこの「エリーゼのために」の気になる難易度と、練習する際のコツを伝授したいと思います!



難易度は?

全音の難易度表ではB(初級上)となっています。
全音の難易度表には良くも悪くも「えええええ?マジかー!!」って思わされる事が多々ありますが、エリーゼについては納得のランク付け。
さすが全音。
教材で言うとバイエルが終わってブルグミュラー25が終わった辺りで「エリーゼやってみる?」となります。

まさに初級の上!
一般的な進み具合だと、年長さんくらいからピアノ始めて小学校3~4年生で弾けるレベルですね。
大人になってから始めたられた方は、練習量にもよりますが頑張れば2~3年ほどでレパートリーになるでしょう。

そもそもエリーゼって誰?

さて、タイトルのエリーゼですが・・・
ベートーベン(ベートーヴェン)の恋人テレーゼ(ベートーベン39歳の時テレーゼは18歳…ほほぅ…)ではないかというのが定説でした。

テレーゼの両親に大反対されふたりは引き離されてしまうわけでが、その想いを曲にしたためたベートーベン。
しかしベートーベンのあまりの乱筆にテレーゼがエリーゼと読まれてしまったということになっていました。


しかーし!!
研究者により最近「ソプラノ歌手のエリザベートだったのではないか」という説が有力視されるようになりました。

ん~、真実はどうなんでしょうねぇ…。
ベートーベンはどんな想いを込めてこの曲を作ったのか…真意を尋ねてみたいところですね。

コツ①形式を理解せよ

お待たせしました!
では早速弾き方を伝授してまいりましょう!

まずはこの曲がロンド形式であるということをしーっかりと理解しておかなければなりません。
えー?弾き方のコツちゃうやん!
とか思いました?
ダメですよー!曲を征服するにはまず曲を知ること!
そうすると見えてくるものがたくさんあるんです。

この曲の場合、Aの場面・Bの場面・Cの場面と大きく3つに分かれています。
Aは冒頭のミレミレミ~のところ。
Bは途中の明るくなるヘ長調のところ。
Cは左手がラララララララ…と脈打つように続く後半の盛り上がりのところ。
全体を通すとA-B-A-C-Aとなります。

わかりやすく言うとダブルバーガーみたいなもんで、パンがあってチーズ、またその次にパンがあってハンバーグ、最後にまたパンという構造になってます。
良い演奏というのは場面ごとにハッとさせられるほど音色が変わるもので、この曲でもそれぞれの音色、もっと言えば場面ごとのキャラ設定をしてあげなくてはならないわけです。

例えばAの部分(ダブルバーガーのパンのとこ)は叶わぬ恋に切々と悲しみを吐露する人
、Bはふたりの幸せな未来を夢見る前向きな人、Cは悲しい現実を突き付けられ絶望する人…という風に。
場面ごとのキャラを明確に作ることで、それに見合う弾き方にしていきます。

コツ②テーマの弾き方

キャラが明確になったところで、肝心のテーマの弾き方についてお話しましょう。
さきほどのキャラだとAのテーマは悲しみを吐露する人。
指は少し伸ばし気味に力を抜いて、ため息のようにすーっと入りましょう。
レ♯がゴツン!とぶつからないように、細心の注意が必要です。

そしてフレーズの最後は必ず悲しみを湛えたかのような柔らかい音で終わりましょう。
例えば冒頭のミレミレミシレドラ~。
よく生徒がやっちゃうのはミレミレミシレド「ラー!」

こらこらこらこら!
そんなベートーベンに喧嘩売るみたいな弾き方しちゃ台無しやん!笑

でもわからなくもない…最後のラは親指なんですよね…どうしても大きい音になりがちなんですよね…
だからと言ってでっかい「ラー!」では悲しみどころか、怒ってなんか文句言ってる人。

よーく耳を澄まして、美しく静かにフレーズを閉じれるようにしましょう。

スラーがどこからどこまでかかっているのか、歌うならどこでブレスをするか(ブレスの時は手首をしっかりと脱力して鍵盤から指を離しましょう)、歌い方を吟味するとおのずと素敵な音楽になるものです。

そしてテーマで忘れてはいけないのがこの曲は3拍子であること!
心の中で3拍子を感じながら指は柔らかくソフトに動かしましょう。


コツ③B部分の指さばき

さて、打って変わってBは夢見る明るいキャラ。
付点のリズムや16部音符、32部音符なども出てきて指さばきが華麗なところですね。
こういった明るい音で指さばきが必要な所は、出来るだけ指を立て気味にかるーいタッチで弾きましょう。
だからって軽くてフラフラ、音がすっぽ抜けるようでは酔っ払いかよ!みたいな音楽になっちゃいます。

まずはゆっくり、左手と右手の縦のラインをしっかりと揃え、少し重めに練習しましょう。
揃ってきたら徐々にテンポをあげて軽くしていきましょう!

コツ④C部分の和音の弾き方

さぁ後半の盛り上がり部分!
Cではまずしっかりと和音をつかむ感覚を持つことが大切です。
そう、「つかむ」感覚。
ただ鍵盤を押すのではなくつかむんです。
ボールを指先でつかむのを想像してみてください。
グッと指先を強くしますよね?

ただ指先でボールを持ったというだけの感覚と、ボールをグッとつかむ感覚は違うと思います。
そのくらい鍵盤をしっかりとつかみ取り、芯のある意思の強い和音になるようにしていきましょう。
そして、つかんだ後はすぐに腕や手首の力を抜くこと!
これは鉄則です!

コツ⑤ペダリング

さて、ちゃんと指が動いてリズムも正確に弾けてはいるのに
な…なんか汚い…
その原因はペダルです!
よく冒頭のAのテーマでなんとなーく汚い音楽になってしまっている人は、たいていペダルを踏むのが早い!

ペダルってちょっとしたコツがあって、弾いた音よりほんのちょーっとだけ遅れて踏むと音が濁らず綺麗に響いてくれるんです。
でも最初の左手のラミラ~ミミソ~で既に濁って泥水のような色になってる人がけっこう多いんです…

よーく耳を澄ませて濁ってないか、自分の出した音は澄んだ綺麗な色か、よーくよーく聴きましょう!
少し遅れて踏むのはペダルの鉄則ですよー!


まとめ

これできっと美しい「エリーゼのために」が仕上がると思います。
今までやってきた曲に比べると細かい音符や難しい四和音などもあり部分練習も大変です。

でも大変なのは当たり前!
だってベートーベン様ですもの!!
それでも「この曲を弾きたい!」という気持ちと毎日の少しの努力で、誰でも絶対にレパートリーに持てる曲です。
応援してますよー!!


「エリーゼのために」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    1888年にブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版された楽譜です。
  • Mutopia Project(楽譜リンク
    最近整形されたきれいな楽譜です。

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