私は幸いなことにピアノの練習を嫌いだと思ったことが、覚えている限りでは一度もないんです。ピアノは練習すればするほど、スラスラ指が動いて、楽譜を見ていても鍵盤の場所が感覚で把握できているので鍵盤を見ないで弾けたり、鍵盤だけ見ていても知らず知らずに楽譜を見ずに暗記して弾けたり、これはやっぱり練習しているからできる技なんですよね。

両親が亡くなってからは、その衝撃が強すぎてそれ以前の出来事はよっぽど印象的なこと以外はほとんど忘れてしまいました。同級生と会うと、「あそこに遊びに行ったよね~」という会話になっても「えっ?そんなところ行ったっけ?全く思い出せない」みたいな。

それと同時に聴覚も異常が生じちゃってるんです。人の声があまりちゃんと聞こえなくて。
ボソボソ喋る人や小さい声質の人、何人かで集まってガヤガヤしているときに、一緒に喋っている人の声が聞えづらいんです。志村けんの変なおじさんのように「あんだって??」と聞き返すことがシバシバ。

ウソウソ、「あんだって?」とは聞き返さないけど、聞き返すクセが出来ています。聞き返すのがめんどくさいときは、「うんうん」と相づちで返します。こうなってくると話がかみ合わないことが多いんですよね。今ではもう「まぁいっか~ベートーベンと仲間だし」と思ってます(#^^#)

■ 目次

録音は必須アイテム、自分のピアノの音を聴くようにする

こんな私でもピアノの音だけはどんな小さなミスでも聴こえてるんですよ♪それだけが救い~。ピアノの変な音が気になり過ぎて「調律師に向いてる」と調律師に言われたことがあったっけ。「こんな些細な音は普通誰も気づきませんよ」って。

生徒の中に、自分が今弾いている音を聴けていない子がいるんです。つい最近生徒が受けるグレードテストがありました。練習は三か月くらいかけて二曲を仕上げますが、一度明らかに練習不足で不合格になったので、「次は絶対合格!」と決めて練習はしていたつもりでした。

「つもり」です。一度目受けたときと全然変わらない演奏をし続けるんです。「これならまたやばいでしょ・・」と思いその子が弾いている音を録音してみることにしました。客観的に聴けるので、自分の悪いところがわかって直しやすいと考えたんだけれど、その子は「全然だめなところがわからない」と言い切ったんです。

一週間に一度しかレッスンをしないので、その他の日にちはその子が頑張って練習しなければいけないけど、自分の音がわからないと直しようがないんですよ。指が上がりきらないうちに次の音を弾いちゃうから音が重なって濁っているんです。いつまでも上達しないと練習が嫌いになっちゃいますよね。

自分では打鍵もちゃんとしているつもりで、音が濁っているのもわからないらしく、相当しんどいレッスンでした。何度も録音していくうちに、だんだん意味が分かってきたようで、ホッとしましたが、普段の練習から録音するようにすると、自分のミスがわかったり、ここはとってもきれいに弾けてると自分で自分を褒めてあげることもできるんですよ。

この生徒は、なんとか合格することができました!よかった~!グレード間近のレッスンで、やっと自分の音に集中できるようになったようです。もしかして、結構いるのかな?自分の音がわからない生徒って。

練習を習慣化させる


「わかってるよ、そんなの~」って声が聞えました。(笑)毎日必ず歯や顔を洗うように、ピアノも習ったからには「毎日必ず弾くもんだ」と自分に習慣づけるのがやっぱ一番の近道だったりするんです。

学校へ行く時間が迫っている15分間。好きなテレビが始まる前の30分間。お母さんがご飯の用意をしている間の30分間。お友達と遊んで帰って来たら30分間などと一日のスケジュールの中に組み込んでください。

時間がない人こそ、自分で時間を作るのがうまいって言いますよね。暇な時間がたくさんある人こそ、ダラダラとテレビを見ながらお菓子を食べたり、寝そべったままそのまま、おやすみなさーいなんてことが続くんです。

そんな様子を親御さんが見ていたら・・「ピアノ練習しなさーい!!」と怒鳴られるのがオチ。それでだんだん練習嫌いになってしまうんです。習慣化させたら、弾けない日があったら逆に気持ち悪いんですよ。ピアノが弾きたくて弾きたくて「早くおうちに帰りた~い」って思える日が来ますよ。

ご褒美をあげる

おもちゃとか高価なものじゃないですよ~。シールやスタンプで十分です。お母さんと一緒にスタンプカードを作って、練習した日に好きなシールをペタッ。子どもは、可愛いシールやスタンプは必ず持っていると思います。でも案外使い道ってないんですよね。そこに活躍できるのがこの毎日練習スタンプカードなんです。

「一か月で何曲💮花マルが付くかな~」など、合格した曲を書き込めるスペースも作っておくと「こんなに花マル付いたんだ~♪」と嬉しくなっちゃいますよ。とっても良い成長記録になりますよね。

お母さんが好きな曲を練習してもらう


なんだかんだ親子喧嘩をしつつも、子どもってお母さんが好きなんですよね。「お母さんが好きだって言ってたからこの曲やりたい」とレベルは全然達していないにもかかわらず、パッフェルベルのカノンやエリーゼのためにをやりたいと言ってきました。

まだまだ初級の生徒でも、お母さんが喜ぶ顔を見たい一心で難しい曲にもチャレンジするんです。普段のレッスン曲より、こういう理由で選ぶ曲は断然練習するんですよ。子どもって素直なんですね。

もしかしたら私もそうだったのかも?両親がショパン好きでいつも私がピアノを弾いているときに帰って来たら「ショパン弾いて」と言ってました。私の楽譜の棚は思えばズラッとショパンだらけ。

まとめ

*録音して自分の音を聴く訓練をする
*練習を習慣化させる
*シールやスタンプのご褒美をもらう
*お母さんが好きな曲を練習してもらう

「練習しなさい」という言葉が一番練習嫌いにさせる言葉みたいですね。お母さんの言葉がけでお子さんの姿勢が変わるんです。「○○ちゃんのピアノ、お母さん大好き」、「お母さんは○○の曲好きだから今度聴かせてね」などと伝えて、子どもの気持ちを動かせれたら良いですね(^^♪



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