こんにちは!藤原歌劇団所属、ソプラノ歌手の泉萌子です♪
さて、「現代の世界的歌手」と聞くと、誰を思い浮かべるでしょう?
いろいろな意見が上がるとは思いますが、男性であればエルトン・ジョンやボン・ジョヴィ、女性であればマドンナ、レディ・ガガといったところでしょうか。
同じようにオペラ界の中でも、世界的な活躍を見せている歌手たちが存在します!!
ポップスの歌手のようにメディアへの露出が多くはないため、あまりピンと来ないという方が多いかもしれませんが…
現在はインターネットの普及によって、以前よりも簡単に海外の演奏家の音源を聴くことができるようにもなりました。
実際に歌を歌っている私からも、リスペクトしてやまないスター歌手たちの動画は、時に睡眠不足の原因にすらなります。笑
もちろん、普段から周りにはたくさんの素晴らしい歌い手仲間がいることも事実なのですが…
今回は、世界各地を飛び回る活躍を見せている、海外の5人のオペラ歌手をご紹介いたします!
■ 目次
アンナ・ネトレプコ(ソプラノ)
まずはロシアの生んだ至宝、アンナ・ネトレプコからご紹介。
この方の動画は、非常に参考になるのでしょっちゅう観ています!
公演等で来日することが多いので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
声が非常にしっかりしていて、ソプラノ歌手が苦手としがちな低音もムラがない、よく響いてます。
高音は突き抜ける感じがあって、聴いているとスカッとして気持ちがよくなっちゃうんですよね。
表現力も抜群!!
可愛らしいコケティッシュな役柄から、劇的でドラマチックなものまで、多彩に歌い分けができる歌手です。
近年特に、重たい役にも挑戦しているようです。
勉強熱心なところも、お手本にしたいといつも思っています。
そして加えてその美しさ…!!
やはり見た目も大切だなぁ、と常々思わされます。笑
以前はスレンダーな体型でしたが、現在はグラマラスなシルエットに変化。
円熟味を帯びてきたように感じます。
今のほうが、声にも安定感があって私は好きです♪
SNSなどで、楽しいプライベートショットを日々公開しているというところも、好感度が高いポイントです。
ディアナ・ダムラウ(ソプラノ)
ドイツ出身、「夜の女王」歌いの歌手として不動の地位を築いたディアナ・ダムラウ。
超高音や、難しい音型の超絶技巧を得意とする「コロラトゥーラ・ソプラノ」として活躍しています。
いやぁ、こんな精度の高い音、どうやって出しているんだろう…と感服してしまいます。
一応、私も歌い手なのですが。笑
この手の、いわゆる技術的に難しい曲だと、ついついテクニカルな面だけを注視してしまいがちですが、この方はそれだけではありません。
繊細で情緒豊かに歌い上げ、多彩な色で魅せてくれます。
彼女が歌うモーツァルトのオペラ『魔笛』に登場する「夜の女王」はとてもとても恐ろしくて、夢に出てきそうなくらいですが、バーンスタインのオペラ『キャンディード』の中で歌っている「クネゴンデ」はとてもはつらつとしていて、楽しそうで大好きです。初めて観たときは、「うわぁ、こんな風に歌ってもいいんだ」と勇気づけられたのを覚えています。
エリーナ・ガランチャ(メッゾ・ソプラノ)
エキゾチックかつ中性的な存在感で世界を魅了するエリーナ・ガランチャは、バルト三国のうちの一国である、ラトビア出身です。
まずその深みのある声。
とにかく、すばらしい喉に恵まれたということもあるのでしょう。
しかしそれをコントロールするために相当な努力をされたのではないか、と思われます。
この世の悲哀をすべて受け入れているかのようなドラマ性も、圧巻です。
こういう説得力のある歌、歌いたいですね~。憧れです!
この動画はミュージックビテオ仕様になっていて、これもまた素敵ですね。
やはりこの方も、遠くの座席から見てもアップで見ても美しい方です!!
メッゾ・ソプラノには、「ズボン役」と呼ばれる男性役のレパートリーが多くあります。
宝塚歌劇のように、女性が男性として舞台に登場します。
「ロミオとジュリエット」を題材としたベッリーニ作のオペラ『カプレーティ家とモンテッキ家』で「ロメオ」を歌う彼女はまさに美男子!という言葉が似合うくらい、ハマり役でした。
かと思えば、これ以上ありえない!というくらい、女性の色気がたっぷりの「カルメン」を演じていますし…
男性役、女性役、いずれにせよ、うっとりしてため息が出てしまいます。
前述のソプラノ、アンナ・ネトレプコとの共演の多い彼女。
艶のある二人の歌声のリッチなハーモニーが気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
エリーナ・ガランチャの日本公演の情報を知りたい方はこちら♪
↓↓
https://okemin.com/garancha2025/
(クラシック音楽の情報サイト「オケミン!」)
ブリン・ターフェル(バス・バリトン)
先日イギリス女王より「騎士(ナイト)」の称号を授けられたブリン・ターフェルはイギリスのウェールズ地方の出身。
重く、暗い印象に傾きがちなバス・バリトンという声種ですが、この方の声はなかなかに華やか。
すっかりオペラ界の「大御所」としての風格を漂わせるようになった現在、脂が乗りに乗っています。
そしてキャラクターが実に豊富です。
ひょうきんな曲はその歌う表情を見ているだけでも楽しいですし、残忍な役ですと、隣で歌う人はさぞかし恐ろしい思いでいるだろうと同情すらしてしまいます。笑
2007年にグラミー賞(ベスト・オペラ・レコーディング部門)を授賞している彼ですが、実はオペラだけでなく、ポピュラーな歌も積極的に歌っています。
また、ミュージカル(スウィーニー・トッド)にも出演。
動画では、『ラ・マンチャの男』の「見果てぬ夢」を歌っていますね。
今後も幅の広い活躍に期待できそうです!楽しみ!
ヨナス・カウフマン(テノール)
その歌とダンディでセクシーな佇まいに誰もが夢中になる、ドイツのスターテノール、ヨナス・カウフマン!
私が声楽を始めた当初から、ずっと憧れ続けている人物です。
まず、見た目!!!!
歌い手だからまず歌のことを…という前に、この方は本当に男前なので、見た目からファンになってしまうのも無理もない、と思います。笑
ま、個人の趣味もあるとは思いますが、こんなに素敵な人が近くにいたら、恥ずかしくて息をすることすらはばかられてしまいそうです…
最近ではまたいい具合に年を重ねられ、大人の男性の渋みが出てきたように思われます。
イイ男は声もイイ!
男性の高声であるテノールの歌い手ではあるのですが、どっしりと地に根を下ろしたような重厚な響きは、聴いていて非常に心地良いものです。
そのまま高音まで力強く歌い上げる姿には、神々しさすら感じられます。
表現・演技も本当に素晴らしい、の一言につきます!
彼がマスネ作『ウェルテル』を演じたオペラを映画館で観たときには、その悲劇のクライマックスで涙する人が私の他にもたくさんいました。
オペラでは、音楽の流れがドラマに先行する場合がほとんどですので、中だるみしてしまう場面があるのですが、カウフマンはそういった「気持ちの停滞」を感じさせない、真のパフォーマーだと思います!
しかし残念なことに、彼の日本公演はキャンセルされることが多いのです…
次こそは、日本のホールで、直に聴きたいものです!
まとめ
☆ソプラノ歌手・泉萌子が独断と偏見で選んだ、世界の一流歌手5人
アンナ・ネトレプコ(ソプラノ)
ディアナ・ダムラウ(ソプラノ)
エリーナ・ガランチャ(メッゾ・ソプラノ)
ブリン・ターフェル(バス・バリトン)
ヨナス・カウフマン(テノール)
ふと、声だけでなく容姿も端麗な歌い手を選びがちだな、という気がしないでもないです…
やはり、世界で活躍する歌手には見た目にも気を遣われている方が多い、ということでしょうかね。
私もがんばらねば…笑
この5名は、少しオペラに興味があるという方であれば、ご存知だったかもしれません。
誰も知らなかったというあなたは、この記事を読んだら既にオペラ通の仲間入りです!!
しかし、ここでは紹介しきれなかった素晴らしい歌い手はもっともっといます…
自分好みの歌手を見つけ、活躍の様子を見守っていくのも、楽しいですよ!
では♪