こんにちは!藤原歌劇団所属、ソプラノ歌手の泉萌子です。

学校での合唱コンクールや地域のコーラス団体の活動、また職場の仲間とのカラオケなどなど、歌を歌う機会は意外と身近にあるもの。
歌うことは好きだけれど、自分の歌にいまひとつ自信がない…人前で披露するのはなんとなく気が引けるなぁ、と感じているそこのあなた!

悩んでいるなら練習!発声練習こそがただ一つの解決の道です。
いくらプロでもろくに練習もせず舞台に立つ人はいません。
少なくとも、私の知りうる限りでは、ですが。笑

でも一体全体、何から始めればいいの?
いきなり教室に通ってレッスンを受けるというのも、ハードルが高い気がしますよね。
一人で歌っているところを誰かに見られたらどうしよう…
思い切り声を出せるような環境でもないし…
実際に歌おうと思うと、細かいことが気になりだします。悩みは尽きません!

そこで…

「発声練習だー!」と身構えて声を出す前に、試して損はないトレーニングを大公開しちゃいます!

声の源=息!呼吸に意識を向ける


言わずもがな、息を吸わなければ、声は出ません。

呼吸なら生まれてこの方、忘れずにしているよ!
わざわざそんなことを練習だなんて大げさな…と思うかもしれません。

しかし、

‘歌うための呼吸は、普段の呼吸とは全く違うもの’

ということを念頭に置いていただきたいのです!

歌声のもととなるのは、あなたが吸った息です。
そしてその息をいかにコントロールするのか。

この「息のコントロール」の方法を訓練していくことが、上達への近道です。
息を自在に操ることができれば、あなたの歌の80%は完璧に近いものになる、
と言っても過言ではありません!

オペラ歌手のような豊かな声量、
カラオケの採点でも高得点をたたき出せる正しい音程、
聴く人の心に訴えかけるような表現力、
これらはすべて、歌う前のブレス(息)で既に決定的となるのです。

ほら、これを読んでいる間にも息のつき方に変化がでてきてはいませんか?

では具体的に呼吸の練習法を、手順に沿ってご紹介します。

①息を完全に吐ききる。


普段の生活で私たちは、なにげなく息を吸ったり吐いたりすることを繰り返していますよね。
しかし、息を完全しっかり吐ききる、ということはよほど意識をしない限り、通常では行わない身体の動きです。
よく、ブレスのとり方で、「身体を大きな風船だと思って息をしてみよう」というアドバイスを耳にします。

それは的確な表現だと思うのですが、風船に空気を送るために、最初に風船が縮んでいる必要があります。
身体を完全に縮んだ風船のように、歌うために必要な空気を入れるのに準備万端な状態にする、という作業です。

②息を思い切り吸い込む。


鼻から?口から?
とりあえずのところ、どちらからでも構いません!
とにかく限界ぎりぎり、肺がはちきれちゃう!と思われるまで息を吸いましょう。
①での身体の状態が「縮んだ風船」とするならば、②では空気が十分に送られて「最大の大きさになった風船」といったところでしょう。

③口を閉じ、一旦息を止める


先ほど吸った息をすぐに吐くのではなく、敢えて流れをせき止めます。
とじこめたこの息が、歌声になって出ていくのだ、ということを改めて意識しましょう。
声を出す一歩手前の状態だ、ということを身体に覚えこませられたらGoodです!

④数をカウントしながら少しずつ息を吐く。


息を吐くトレーニングです。実際に歌を歌う過程と同じものになります。
上下の歯は軽く閉じたまま、唇を少し開けます。「スー」という音をさせながら、心の中で数を数えながら吐きましょう。

初めのうちは5から始めて、5,4,3,2,1としましょうか。
慣れてきたらもっと大きい数字から始めていただいてもOKです!

ここで必ず気を付けていただきたいのが、以下の二点です。
・息のスピードを一定に保つ
・息を完全に吐ききる

初めにたくさん吐きすぎて、後半で息が弱くなることも、息を節約しすぎて最後までに吐ききらないということも、ないようにご注意!

もう一度②へ戻り、④までを繰り返す。

だいたいこの流れを5セットほど繰り返しましょう。
初めのうちは、頭も身体も、不思議な疲労感に見まわれると思います。

私もこのトレーニングを始めた当初は、「息のコントロールってこんなにも大変なんだ…」と、途方に暮れたものです。
しかし、だんだんと身体が慣れていき、やがて意識をしなくても歌のためのブレスを楽にとれるようになりました。
また、今では長いフレーズでも安定した声を出すことができます。

まとめ


☆声を出すためには呼吸が命!そのためには…
①息を完全に吐きだす
②息を思い切り限界まで吸い込む
③一旦息を止める
④数を数えながらゆっくりと息を吐く
※以降、②~④を繰り返す。


以上、私がおすすめするトレーニング方法でした。

少しでもあなたの手助けとなって、より楽しい歌の時間を過ごせますように。
応援しています!

では♪



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