ピアノは子供だけでなく、大人の方たちにも人気の高い習い事です。

指先を動かすことで脳が活性化されるそうなので、子供にも大人にもどちらにもよい習い事なのかもしれません。

ピアノを教えてくれるところはとてもたくさんあり、ヤマハなどの大手のものもあれば、私のように自宅を教室にして個人で教えているピアノ教室もあります。

レッスン形態は教室によって違い、何人かでまとまってレッスンを受けることができるグループレッスンをするところもあれば、マンツーマンレッスンのところもあります。

今回は大人の方向けのピアノ教室の選び方などについて書いていきたいと思います。

■ 目次

ピアノの教室の選び方について


ピアノを習いたいと思ったら、まず教室を探されると思います。ピアノ教室のレッスン形態にはグループレッスンとマンツーマンレッスンの2つがあります。

大手のピアノ教室ではグループレッスンとマンツーマンレッスンの2つが用意されていると思いますが、個人の教室では自宅でレッスンをされる方が多く、部屋の広さなどの理由からでグループレッスンではなくマンツーマンレッスンがほとんどだと思います。どちらが悪いというのではなく、どちらにも利点があります。

【グループレッスン】

グループレッスンにも2つのタイプがあると思います。

1つは生徒の人数分の楽器がちゃんとあって、生徒は同時に演奏し、先生が生徒のところをぐるぐる周りながら指導するタイプのもの。(この場合は使用する楽器はピアノではなく、電子ピアノです。)

もう1つは1台のピアノを使って生徒が交代でピアノを弾き、1人ずつ先生に見てもらうやり方です。

どちらにしてもグループレッスンの良いところは、1人ではないので、他の方から刺激を受けることができ、一緒に頑張ることができるところです。

みんなが同じ課題の場合もあれば、別の課題の場合もあるかもしれませんが、演奏する人によってピアノの場合はタッチが違いますし、音色も異なると思いますので、勉強になると思います。

2人が同じくらい弾けるようになれば、生徒同士で連弾ができるかもしれません。グループレッスンの場合、人数がいるので場合によっては3人で演奏する6手も可能かもしれません。

グループレッスンはこのようなことができ、和気あいあいと楽しめるところがいいですね!

欠点はというと、1人ずつのレッスン時間が短くなってしまうということです。

これから書くのは私が師事している先生から聞いてびっくりした話です。

先生のもとに子供の生徒さんが習いに来られたそうです。その子はピアノを習うのは初めてではなく、グループレッスンで習っていたそうです。

レッスンのペースがその子にとっては速かったのか、みんなのようには理解できず、上手く弾けなかったのでマンツーマンレッスンに切り替えられました。

リズムも音もある程度読めているのに、何が上手くいかなかったのだろうと、先生は疑問に思ったそうです。

その子の話をよく聞いていると指番号について変なことを言ったのだそうです。左手の小指から1番と言ったんだそうです。

おかしいですよね。親指からが1番なのに…言い間違えたのかと先生は思われ、聞きなおしたそうですが、左手の小指側から1番と答えたそうです。

つまり左手の指番号を間違って覚えていたのです。衝撃の間違いですよね!!

左手も親指側から1番だということを伝えると、その子は驚いていたそうです。これまで何か変だなと思っていたことが解決したようです。

グループレッスンでは複数の生徒を見るため、1人にじっくり時間をかけられないため起こってしまったミスだと思います。

この件は子供の話ですし、極端な例ですが、人数が多いとなかなか細かくは見られません。

【マンツーマンレッスン】

マンツーマンレッスンの良いところは時間をかけてじっくりみてもらえるところです。

よくわからないことはすぐ先生に聞けますし、理解できていないなというのは先生にもわかりますので、わかるまで教えて下さると思います。

他にもレッスンの回数についての希望も叶えてもらえるかもしれません。

レッスンの回数は子供の場合は月4回というのが普通だと思いますが、大人の場合、家事や子育てをしながら、または働きながらなど、いろんな予定があると思うので月4回となるとかなりキツイと思います。

マンツーマンレッスンは月2回や不定期レッスンという変則的なレッスンの形にも対応しやすいと思います。大手のピアノ教室よりも個人でピアノ教室をされている先生の方がより柔軟に対応して下さるかもしれません。

欠点はというと、先生との相性でしょうか。

ほとんどの先生が生徒さんの要望に沿ったレッスンをして下さると思いますが、中にはこだわりの強い先生もいらっしゃるかもしれません。

子供の場合は基礎的なことを学ばせるために教則本や曲を先生が決めることがほとんどですが、大人の場合はもっと柔軟な対応が必要だと思います。

せっかくピアノを弾いてみたいと思われて来て下さるのですから、お好きな曲に挑戦して頂いて、素敵に弾けるようにお手伝いをしたいなと私は思っています。

選曲に関してだけでなく、相性がよくないとやはりレッスンも上手くいかないと思うので、体験レッスンを受けてみるなどして、どんな先生なのかということを見ることも必要なのかもしれません。

昔は体験レッスンをしているところはほとんどなかったと思いますが、現在は多くの教室で体験レッスンを行っています。

どちらのレッスン形態も良いところと悪いところがあると思います。

ピアノを長く続けるためには大人の場合、習い始める前に色々と考えてみた方がいいのではないかなと私は思います。

どのようなレッスンを受けたいのか、どのような曲を弾きたいのか、どこまで弾けるようになりたいのかなどを自分の中で考えておくといいと思います。

ただ弾けるようになりたいではなく、何でもいいので自分なりの目標を持っていると頑張れると思います。

自分の決めた目標を達成できそうなのはどのレッスン形態でどのピアノ教室なのかを考えるといいのではないでしょうか。

この他にも習われる方の性格によってレッスン形態を選ぶというのもありかもしれません。他の人と比較されると頑張れる性格の人はグループレッスンの方が向いていると思います。

比べられるのは好きではない人や、1人でもコツコツ積み上げていける人ならマンツーマンレッスンの方が向いていると思います。

自宅から近いところをとりあえず選ぶのではなく、色んなことを考えた上で選んだ方が長く続けられるのではないかなと思います。

実はピアノ専攻の人だけがピアノの先生じゃない


ピアノ教室はたくさんありますが、あなたが習っている(または習おうとしている)ピアノ教室の先生はピアノを専攻していた先生ですか?

実はピアノ専攻の先生だけがピアノの先生をしているわけではないんですよ。

音大では色んな楽器を専攻している人がいますが、ピアノ以外の楽器専攻の人たちは副科でピアノを学びます。専攻楽器と同じく、副科も先生につきレッスンして頂きます。もちろん試験もあります。

副科であっても小さい頃からピアノを習っていた人たちはピアノ専攻の人たちには及ばないにしてもかなりの腕前の人たちが多くいます。

しかし、中にはピアノをあまり弾いてこなかった人たちもいて、音大受験のために必死に課題曲だけ練習したという人もいるのです。

本格的にピアノを習いたい方はその教室の先生がピアノ専攻なのかどうかというのを探ってみた方がいいかもしれません。

このように書くとピアノ専攻以外の先生はダメと言っているように感じられるかもしれませんね。ピアノ専攻以外の先生を完全否定する気はありません。

ピアノ専攻の先生はピアノを弾く技術をしっかり教えてくれると思います。しかし専門的なことを言い過ぎる傾向があると思います。

知識があるし、それを弾く技術と教える方法も知っているので、それを優先してしまっているような気がします。私もそうなってしまいがちなので、気をつけるようにしています。

ピアノ専攻以外の先生方は言葉で上手く曲のイメージを伝えていたり、音楽を楽しませようとしていたりする気がします。

小さな子供さんや趣味で楽しくピアノを弾きたい方はピアノ専攻以外の先生の方がもしかしたらいいのかもしれません。

ここまでは音大出身の先生の話をしてきましたが、ここからは音大出身ではない先生の話をしますね。

音大を出た先生だけがいい先生ではないことを、ここではっきり言っておきます!

音大を出ていなくてもコツコツ練習して日々技術を磨き、グレードなどの試験を受けてヤマハなどのピアノ講師になっていらっしゃる先生も多くいらっしゃいます。

個人のピアノ教室はこのレベルでないと教室を開いてはいけないという決まりが全くないので、先生のピアノを弾く技術にすごく差があります。ピアニストくらいのレベルで弾ける先生もいれば、それ程弾けない先生もいるのです。

しかし、ヤマハなどの大手のピアノ教室は、試験を受けて一定のレベルに達しないと講師にはなれないので、どの先生にあたっても一定のレベルまでは必ず弾けます。

先生の弾く技術について書いてきましたが、弾く技術はとても重要なことではあるものの、弾く技術と教える技術はまた別なので、そこもまた難しいところです。

トップ選手だった人が必ず名監督や、名コーチになれるかといったらそうではないですよね。トップ選手までにはなれなかったけど、教える技術が素晴らしい方はたくさんいらっしゃると思います。ピアノの先生も同じです。

ミスなく弾けているのになぜ〇してもらえない?


ここからはピアノを習っている方たちが疑問に感じていらっしゃるのではないかなと思うことについて書いていきたいと思います。

ちゃんと練習したし、今回のレッスンできっと〇になるぞと思ってレッスンを受けたのに、〇にならなくてガッカリしてしまったことってないですか?

ミスもなくスラスラ弾けたのに先生は何で〇にしてくれないんだろう?と思われている方は結構いるかもしれませんね。

音やリズムが正しく読めていたら〇にするというのは初歩からバイエルくらいの段階までかなと私は思っています。

それ以降は曲想をつけられるレベルになっていると思うので、生徒さんのレベルに応じてポイントをしぼって曲想をつけられるようにしたいと思っています。音楽は曲想をつけるということが醍醐味なのです。

曲想について注意を受けるようになるということは、成長している証でもあります。音ミスやリズムミスがあったりするとそれを直すことが先になるため、曲想までたどり着けないのです。

先生方はきっとこの段階が出来たらこの曲は〇にしようなどの評価を生徒さんごとに考えて下さっていると思います。

何で〇にならないんだと考えずに次の段階に進めているんだなと理解して、先生の教えて下さることに耳を傾けてみて下さいね!

先生が前回のレッスンと逆の注意を言う


例えば「そこは強すぎるので、もっと弱く」と注意を受けたとします。皆さんはそこを弱く弾けるように練習されると思います。

次のレッスンではその箇所を弱く弾くことができたとします。しかし、先生にまた注意を受けてしまいました。しかも今度は「強く」と言われてしまいました。

前回は「もっと弱く」と言われたのに、今回は「強く」??前と言っていることが真逆…どうすればいいんだ??

皆さん、こんな経験をして戸惑ったことはないですか?私もよく戸惑いました。強弱だけでなく、表現の注意でもあるあるだと思います。

なぜこのようなことが起こってしまうのでしょう?先生が前回言ったことを忘れているのでしょうか?

いいえ、そうではありません。注意した時点では確かに強すぎたのでもっと弱くという注意でした。しかし生徒さんが先生の注意を守ろうと一生懸命練習する間にその箇所を今度は弱く弾き過ぎてしまっていたのです。

そうすると次のレッスンでは弱すぎるので強くという注意になってしまうのです。

この場合、先生は少し言葉が足りないですね。これではまた元の状態に戻ってしまう可能性があります。この場合は、「注意をよく守ってくれていますが、弱くなり過ぎたからもう少し音を出してみよう」などの声かけが必要だと思います。

このような曲想に関する注意は言葉だけで表現するのはとても難しいです。強くって言われてもどれくらいが強くなのかよくわかりませんよね。

このような場合は先生がどのくらいで弾いているのかを目で見て、耳でよく聴いてみることです。言葉だけで理解しようとせず、手の動きをよく観察して、耳で音をよく聴いてその場所に相応しい音を感じ取ることが重要ではないかなと思います。

逆のことを言われたなと思ったら、訳がわからないと思わず、ちょっと注意を守り過ぎたんだなと思って下さいね!

どの先生も素敵に弾けるようにお手伝いしたいと思っています。先生の言われることを信じてピアノの練習頑張って下さいね!

まとめ

◆レッスン形態にはグループレッスンとマンツーマンレッスンの2つがある
◆グループレッスンの良い点は和気あいあいと楽しめる
◆マンツーマンレッスンの良い点はじっくり見てもらえる
◆ピアノを習い始める前にどのような曲が弾きたいのかなどを決めておく
◆先生と上手くやっていけるのかを体験レッスンなどで見極める




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