大学生になっても、英語は苦手。
困ったことに、ほとんどの大学で英語は必修科目なんですよね。

専門分野に足を踏み入れると、英語で読んだり書いたりは当たり前。
学会で英語で発表するなんてことも出てくるわけです。

苦手なままだと、「大学に入ったら、こんな分野の研究をしたい!」というせっかくの意気込みも萎んでしまいますね。

この際ですから、苦手意識を取っ払ってしまいましょう!
日本語でもそうですけど、読書は習慣です。
洋書も読み慣れて行くと、ドンドン読めるようになりますよ。

ステップアップのススメ


私は、中学高校を海外で過ごして、大学時代に留学経験もあります。
今でこそ無理なく英語で読めますけど、最初は苦労したんですよ。

英語が全く分からない状態で、中学2年で現地のインターナショナルスクールに入学。
当然ですけど、歴史、物理、倫理、、、授業全てが英語なわけです。
教科書なんかチンプンカンプン。英語の授業では、ディケンズの「二都物語」が課題図書で、全く歯が立ちませんでした。

じゃあどうしたか。
まずはページ数も少なく、内容も容易でリズミカルな本から始めました。
上手に韻を踏んである作品は、驚く程頭に残るんですよ。

ステップ1 童心に返ろう!


大学生にもなって児童書!?と思う方。
児童書をバカにしちゃいけませんよ。

日本語をどう習得したか、思い出して下さい。
小学1年生から、夏目漱石や川端康成を読んでいませんでしたよね。

「桃太郎」とか「おむすびころり」とか、口ずさめるような節回しや、反復部分が多い本を読んでいたと思います。

洋書も全く同じなんです。
特に英語は、韻を踏んでいる単語が多いので、それを上手く活かしている本を選びましょう。

児童書のオススメ作家は?

まず、「ロラックスおじさんの秘密の種」や「ホートン/ふしぎな世界のダレダーレ」など、アニメ映画の原作者としても知られるドクター・スース。


60を越える作品の中でもオススメは、Green Eggs and HamとThe Cat in the Hat ですね。
特に前者は、見た目ビミョーな料理Green Eggs and Hamを、あの手この手で勧めるSam-I-amと、それを頑なに拒否する男との掛け合いが、とってもユーモラスで楽しめます。

児童書でオススメするもう1人の作家は、Julia Donaldson。
日本ではあまり知られていませんが、本国イギリスでは誰もが知る児童作家です。
代表作The Gruffaloを始め、どの作品もストーリーの良さは勿論、韻の踏み方が素晴らしいんです。

参考までに、作者自身が朗読しているThe Gruffaloを聞いてみてください。

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私のオススメの一冊はA Squash and a Squeezeです。
自分の家を狭い狭いと嘆く老女に、賢人が通りがかって、、、。
クスりと笑える物語にほっこりします。

リズミカルな洋書は、音読に限ります。
テンポ良く読めるようになる練習をしておくと、もっと難解な本を読む時にも役立つんですよ。

児童書は、著名な俳優が朗読しているCD付きも多く出ていますから、オススメです。

ステップ2 好きな本を原書で読もう!


英語を読むことに慣れたら、自分が好きな本の原書を読みましょう。
本の内容を人に話せるぐらい好きなものがいいですね。

特になければ、映画の原作でもいいですよ。

内容を知っていると、英語独特の表現の仕方、節回しなどに気を回せるので、読めば読むほど身に付いていきます。

いくら好きでも、シェイクスピアとかはやめましょう。
古典は、現代文が読めるようになってからです。

私がオススメする原書/原作



シャーロック・ホームズやアガサ・クリスティーの原書は、読みやすくてオススメですね。ミステリーは、次の展開を期待させるので、読むスピードが上がります。

私はホームズ好きで、「4つの署名」とか「踊る人形」とか夢中で読んでいましたね。
短編集から始めて、長編に挑戦するのがいいですよ。

ホームズをほぼ読破した後、次もミステリーを、と思ってクリスティーを読み始めました。

日本語で読んだことはなかったのですが、ハマりましたね。
とっても読みやすい英語に、ミステリー要素とロマンス要素が入っていて、まるで新年の福袋みたいな「お得感」を味わえます。

ステップ3 「名作」を読破しよう!


欧米の中高生が読む、課題図書に選ばれる「名作」は、次のステップとして最適です。

テーマ、構成、人物描写など、しっかりと書かれているものが多く、読み物として優れているのはもちろん、社会に出てからも「常識」として知っておくに越したことはありません。

「ライ麦畑をつかまえて」「華麗なるギャツビー」「アラバマ物語」「キャッチ=22」などなど。いわゆるアメリカ文学の名作ですね。

私のイチオシは、ジョージ・オーウェルの「動物農場」です。
非現実的な要素が満載なのに、実は現実社会がしっかりと描かれているんですよね。

ステップ4 頭をカチ割ろう!


社会に出ると、「大学生の時に、これをしとけば、あれをしとけば」って後悔することはいっぱいありますね。
私の場合、最大の後悔は時間をセコセコ使ってしまったこと。

大学時代ほど、自由気ままに自分の時間を持てることってないんですよ。
何より、ゆっくりじっくり考える時間。とっても貴重です。

今まで教わったこと、全てを疑って、一から自分を作るぐらい、悩んでもがいて。
周りから見れば、無駄に見えるような時間を過ごしても、「給料ドロボウ」なんて罵られない。素晴らしいですね。

洋書も、今までの常識が覆るような、ガツンとした一冊を是非どうぞ。
自分を熱くさせる本がいいですよ。


私の場合は、映画化もされたチャック・パラニュークの「ファイトクラブ」。
精神を鎮めるために「殴りあう組織」を作るという発想も面白いし、自分が作り上げた「もう一人の自分」に飲み込まれて、「自分は誰なんだ?」 ともがいていく姿もグッときますね。

大学時代って、「自分って何?」って思う場面いっぱいあるんですよ。
ガツンとやられましたね。文体もちょっと荒々しくて、生っぽい感情を英語でどう表現するのか、参考になります。

ステップ5 現実に目を向けよう!


まあ、この段階までくれば、自分の好き嫌いの傾向もありますし、何を読んでもいいと思いますけど、あえてオススメするならノンフィクションの洋書ですね。

私は、常に現実逃避していたいタイプなので、基本的にフィクションばっかり読んでいます。
それでも何冊かは、「これぞ!」と思うノンフィクションに出会ったのでご紹介しますね。

まず、ビル・ブライソン。
旅行エッセーや、言語、科学など幅広い分野の本を執筆してますけど、この人にアメリカの田舎町を書かせたら天下一品ですね。

私は、アメリカの片田舎に住んでいた頃、彼の本に出会って、ハマりにハマりました。
彼がアメリカ中を旅して書いたThe Lost Continent を読むと、「アメリカの基本は、きらびやかな大都市ではなく、こういう田舎なんだよなあ」、としみじみ思います。

特にオススメするのは、「人類が知っていることすべての短い歴史」ですね。
タイトル通り、全部一冊にまとめちゃったよ、という本で、間違いを恐れる科学者は絶対に書かないでしょうね。
実際、科学者からは間違いの指摘もされていますが、ユーモアたっぷりに科学を紹介した功績は大きいですね。

洋楽好きにオススメしたいのは、英国タイムズ社が出版している「33 1/3」シリーズ。
デヴィッド・ボウイやレディオヘッドなど、ミュージシャンのアルバムに焦点を当てて、1冊ごとに異なる著者が、独自の観点で書いています。

気になる方は、こちらをどうぞ https://333sound.com/

おまけ 好きな文章を見つけよう!


ノンフィクションは、興味のあるテーマということも大切なんですが、文体が好きになれないと読みづらいものです。

大学では、好き嫌いなく「読め」と言われる文献や課題は読まないと行けないですよね。
自由に選べる時は、自分の波長にあったものを選びましょう。

本を探す前に、The New Yorker やThe Guardian などで、寄稿している記事から始めるといいですよ。
http://www.newyorker.com/

私は、The New Yorkerが好きで、良く読んでいますけど、そこで「あ、この書き方好きだな」と思った著者の本を探したりしてます。

私のお気に入りの一冊、音楽評論家Alex RossのThe Rest is Noiseに出会えたのも、彼が秀逸な記事をThe New Yorkerに寄稿していて、大ファンだったからです。

クラシック音楽は好きでしたけど、今まで敬遠していた20世紀の作曲家に抵抗がなくなったのは、この本に出会えたからですね。
狭い視野を広げてくれるのは、読書の醍醐味です。

まとめ

苦手な英語も好きになる洋書の選び方は、階段を上るように、ステップバイステップで!

1 リズミカルな児童書から始めて、まずは英語の音感に慣れる
2 内容を良く知る好きな本や映画の原書で、英語独特の表現方法を知る
3 「名作」を読んで、欧米人と語り合える一般常識を押えておく
4 頭をカチ割る力強い本から、生々しい感情表現を学ぶ
5 ノンフィクションを読んで、現実社会の切り取り方を身につける

ステップを踏んでレベルアップすることで、無理なく英語を読めるようになりますよ。
気付いたら、「え、こんな難しい本なのに読めてる!」と驚くはずです。

焦らずゆっくりステップを上がって、お気に入りの作家や作品を見つけましょう。


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Tenth picture By MarLeah Cole (Own work) [CC BY 2.0], via Flickr.
Eleventh picture By Jayel Aheram (Own work) [CC BY 2.0], via Flickr.