海外に行くと、「特別感」が欲しくなりませんか?

オランダに行くからといって、風車とチューリップだけでは寂しいですよね。ガイドブックに載っていない素敵なお店とか見つけると、「私だけが知ってる」と思えて嬉しくなってしまいます。

フェスティバルは、普通のコンサートを聴くのでは得られない、とっておきの経験をするのにぴったりですよ。


オランダでは、毎年7月と8月の2ヶ月間、かの有名なコンセルトヘボウで「ロベコ サマーナイト」が開催されます。アムステルダムのど真ん中に位置するこのコンサートホールは、世界でもトップクラスの素晴らしいホールです。

私はオランダ留学中、学生の特権で週に1回から2回は通っていました(学生は、当日に空席があると10ユーロで聴けたんです!)。パイプオルガンの真横だったり、柱が邪魔して見えなかったりする席もありますが、それもご愛嬌。

歴史を感じる全体の雰囲気、音響の素晴らしさ、「これぞヨーロッパ!」と、毎回のように酔いしれていました。

このフェスティバルでは、クラシックはもちろん、ジャズやポップスなどジャンルを超えた80を超えるコンサートを聴けるんですよ。

■ 目次

2017年のプログラム、注目すべきは?


夏開催ということでまだまだ先なんですけど、大物がズラリと揃うこのフェスティバル。
既にプログラムが上がっています。

予定されている86のコンサートの中でも、私の一押しはこの3つです。

 ・ ガッティ指揮 コンセルトヘボウ管弦楽団 マーラー作曲「交響曲 第4番」
 ・ 軽快にフェスティバルらしく「映画音楽の夕べ」
 ・ コンセルトヘボウで朝を迎える!リヒター作曲「スリープ」

では、それぞれの魅力を紹介しますね。

大本命! 首席指揮者率いるコンセルトヘボウ管弦楽団


大本命はやはり、このホールを本拠地にしているコンセルトヘボウ管弦楽団。
実は、このオーケストラとマーラーは、とっても深い関係にあるんです。

マーラー自身、何度も指揮したことがありますし、「マーラー音楽祭」が初めて開催されたのもコンセルトヘボウなんです。コンセルトヘボウ管にとって、マーラーは得意中の得意。

指揮するのは、昨年秋から首席指揮者に就任した、ダニエレ・ガッティです。


既に良い関係を作りつつある、ガッティとコンセルトヘボウ管弦楽団。
オペラで主に活躍していた彼が、名門オーケストラをどう導くか、注目です。

夏の夕べは、軽めに映画音楽を!

せっかくの夏のフェスティバル。


ちょっと軽めに楽しみたい方にオススメなのが、映画音楽特集です。
2回に渡って行われるこのコンサートは、「ゴッドファーザー」や「ハリーポッター」などお馴染みのものから、「パルプ・フィクション」、「アメリ」、更には「ゲーム・オブ・スローンズ」など。

普段の演奏会では滅多に聴けない作品を、生で聞けるのも、フェスティバルの魅力の一つですね。

コンセルトヘボウにお泊まり?


3つ目に推すのが、開演時刻23時59分、つまり真夜中に開催されるコンサートです。ロック・フェスティバルでもないのに、ビックリですよね。
曲目は、「スリープ」という文字どおり「眠り」をコンセプトに作曲された、なんと8時間にも及ぶ超大作です。

昨年3月にベルリンで行われたワールドプレミエでも、話題をさらったコンサートですが、その時は特設のイベント会場。
コンセルトヘボウという非常にクラシカルな空間で、ベッドを設置して深夜から8時間という体験は、まさに「特別」ですね。

フェスティバルを彩る「サマーナイト ライブ」


演奏会前のひと時、なんと指揮者や出演者が生でインタビューに応えるんです。観客は、飲み物やつまみを手に、ちょっとした座談会の様相です。

演奏会後にサイン会が行われることはありますが、演奏会前というのはちょっと考えられませんよね。
シーズン中ではまず見られない、演奏者の素顔を間近で見られるのも、フェスティバルならではですね。

今年の顔ぶれを見ても、ピアニストのラルス・フォークト、ピョートル・アンデルジェフスキ、バイオリニストのルノー・カプソン、ソプラノ歌手のルネ・フレミング、指揮者のガッティや、サカリ・オラモなど。

お目当の演奏者が出演する際には、開演1時間前の7時からですので、是非お見逃しなく!

隅々まで楽しむには


フェスティバル期間中、ホールに併設するカフェ、レストランとも、特別メニューを提供してるんですよ。
ワイン片手に、ガラス張りの窓からアムステルダムの街を眺める、とっても贅沢な時間ですね。
フェスティバル期間中、6公演以上行くと、カフェでのドリンク付き軽食が2回分プレゼントされるとのこと。長期滞在を予定されている方は、価値ありですね。

ホールに興味のある方は、ホールツアーも開催されていますので、是非ご参加下さい。
ガイドはオランダ語のみですが、めったに見られない舞台裏や、楽屋、実際に舞台の上にも立つことができます。

マーラーを始め、歴代の指揮者、演奏者が立ったのかと思うと身震いしますね。オランダ人は、英語に不自由しませんから、質問があれば英語で問題ないですよ。
滅多にない機会ですので、心ゆくまで満喫して下さい。

まとめ

オランダの夏のフェスティバル「ロベコ サマーナイト」の魅力は

 ・クラシックも他のジャンルも、しっかり楽しめる濃厚なプログラム
 ・憧れの演奏家の素顔を間近で見られる
 ・ホールツアーや特別メニューで、隅々までしっかり満喫できる

このフェスティバルの詳細なプログラムが知りたい方は、こちらを見て下さいね。

公式ホームページ https://www.concertgebouw.nl/en/robeco-summernights

チケットは、既に発売が始まっています。良い席はどんどん埋まっていますので、購入はお早めに!
アムステルダムでは、8月に「運河フェスティバル」も行われています。
小規模で、無料、予約なしのコンサートも多数ありますので、興味のある方はこちらもどうぞ。


First picture By FaceMePLS (Own work) [CC BY-SA 2.0], via Flickr.
Second picture By Angelique1966 at Dutch Wikipedia [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons.
Third picture By Photo: Andreas Praefcke (Own work) [GFDL or CC BY 3.0], via Wikimedia Commons.
Fourth picture By Nationaal Historisch Museum [CC BY-SA 2.0], via Wikimedia Commons.
Sixth picture By Alper Çuğun (Own work) [CC BY 2.0], via Flickr.
Seventh picture By Wggw (Diskussion) (Self-photographed) [CC BY-SA 3.0 de, CC BY-SA 3.0 or GFDL], via Wikimedia Commons.
Eighth picture By Erik Winkel (Flentrop Orgelbouw b.v.) [CC BY-SA 3.0 nl], via Wikimedia Commons.
The movie By Daniele Gatti – Overture to a Conductor from Cobos Films BV on Vimeo.

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