「アラベスク」という題名の曲は、このシューマン作曲のものの他に有名どころではドビュッシーのアラベスク第1番、第2番、ブルグミュラーのアラベスク(これは懐かしいですねー、小学生の頃にこの曲をどれだけ早く弾けるかを友達と競いあっていた思い出があります。。今思うとアホな遊びですね(>_<))が私の頭に浮かんできますが、この「アラビア風の」の意の「アラベスク」という題名を初めて付けたのがシューマンだと言われています。

ちなみにこの「アラベスクハ長調op.18」は1839年に作曲されました。翌年1840年にはクララとやっと結婚をすることができたシューマン。結婚するまでは、クララの父ヴィークとの折り合いがなかなかつかなくて、色々と大変だったようです。

そのような中で書かれた「アラベスク」。どんな思いでシューマンは曲にしていったのでしょうか?

妄想好きな私としては、あんな感じ、こんな感じ、あれこれ考えてしまいますね(^ ^)

歌曲を書かせても天才的な才能を発揮したシューマンらしいこの曲のメロディーは鼻歌で歌いたくなるような歌モノの作品だなあと私は個人的には思います。お酒を片手に、、、思い浮かんだフレーズかしら?と勝手な想像をしてしまいます♪

それにしてもとてもセンスのいい素敵な曲ですね。

それでは、シューマン「アラベスクハ長調op.18」について、これを読んで下さっているアナタと一緒に紐解いてみましょう(^_-)

気になるシューマン「アラベスクハ長調op.18」の難易度は??


全音ピアノピースでこの曲の難易度を調べてみると、Dランクでした。
私の主観でも、まあそんな感じかなとは思います。

ただ、シューマンの曲を今まで弾いてきたことがない人にとっては、いきなりこの「アラベスク」だと、人によっては最初は感覚的に大変かなと感じる人はいるかもしれないです。

シューマンは子供の為の作品もたくさん残しています。子供向けの作品は、子供の手を意識してつくられているので、その作品たちと「アラベスク」を比べてみると、やはり「アラベスク」はオトナの曲だなあと改めて思います。

何がオトナを感じるか、ってことですが、やっぱり大きめのオトナの手で弾かないと厳しい指のポジションがありますね。

なので、指が届かなくて楽譜通りに弾けない場合もでてきます。私は手が小さい方なのでこんなことしょっちゅうあります(+o+)
ですが、実はなんとかなるものなのです!!例えば、右手で弾くところを部分的に左手の指で補って弾いてみるという方法で弾き方を工夫するとか、届かない和音をアルペジオで弾く弾き方で対処することもあります。

人によって手の大きさが違ったりするので、判断に迷う場合は、講師の先生にきいてみたほうがよいかもしれません。

最初のテーマの部分は3声の音を聴き分けて練習してみよう!!

シューマン「アラベスクハ長調op.18」ピアノ楽譜1 (1小節目~ 動画0:24~)

まず、この曲の最初の部分は、(1小節目から40小節目まで)3つの声部から成り立っています。この3つの声部がどのような動きをしているかを取り出して弾いてみることは、とても重要なことです。

真ん中の声部は右手、左手それぞれを上手に補って、ひとつの手で弾いているかのようになめらかになるまで練習してみましょう!!

一番上の声部で使われているメロディーは、主旋律になります。右手で真ん中の声部と同様に弾くと最初はどうしてもところどころ音色が不明瞭になったりします。ですので、初期段階で一番上のメロディーだけ取り出して弾いてみて、音色の質がきれいに揃うように沢山反復練習してみるのがオススメです。

一番下のバスの声部は、この曲を陰ながら支えている重要なパートです。
これも是非取り出して、どのような旋律の動きをしているかどうか、音色の質も確認しつつ、練習してみましょう!

とりあえず、弾けるようになったけど、なんだかかっこよくない気がするのはなぜ?

さて、声部それぞれもききわけて練習もしてみたし、楽譜どおりにも弾いているのになんだかおしゃれに弾けないと悩んでいる人がいたら、ここからはしっかりと目を開けて、きちんと読んでくださいね!

実は、楽譜からだけの情報のみでこの曲を弾くとちっともかっこよく弾けないんです。

そうなんです、ここからは
アナタの 耳(みみ)が必要になってきます!!

例えば、17小節目から25小節目の部分の演奏と楽譜を照らし合わせて聴いてみてください。

シューマン「アラベスクハ長調op.18」ピアノ楽譜2 (動画0:42~0:52)

楽譜を見ながら聴くと、わかるかとは思いますが、この箇所はritardando(リタルダンド、次第に遅くの意。)が2回、指定されていますが、どうでしょうか??
気持ち遅くなった気がしないでもないですが、そんなには変わらないですよね。

他のプロピアニストの演奏も聴いてもらってもいいと思います。
もしかしたら、楽譜通りの人、一人ぐらいはいるかも知れませんね。
といった感じなのです。

じゃあ、なんで楽譜にritardandoがあるのかということなんですが、、
実はここの部分は前後のフレーズとちょっと趣の違うメロディーのフレーズなのです。
ちょっと短調の和音が入ったりして、今までの色あいとは若干違うものになっています。

ですので、感覚的に前後とは違う雰囲気で弾いてほしいritardandoなんですね。なので、大事に弾いて欲しいなあといったぐらいの解釈でいいと思います。
文字でこういう風に弾いてほしいと書くのって実はとても難しい話なんですよねー。個人的には、なんて書くか迷ったのかなとか思ってしまいますね。

あとは、全体的にテンポが揺れているので、この人の演奏がいいと、気に入った人がいればたくさん聴きまくって、耳コピをした方がだんぜん早いです。

今は、youtubeの動画の再生速度を落としてきくことも容易になりました。
テンポが速くてついていけないと思う人は少しテンポを落として聴くのもよいかもしてません。

とにかくたくさん、きいてきいてコピってみてくださいね。

まとめ

1. 声部に分けて練習してみよう
2. 耳からの情報を大切にしてみよう!

今回のアドバイスは、全体でみると実はほんの一部です。。

この記事を読んでくれたあなたに少しでもお役にたてれたらいいなという思いで文章にしてみました。

いつも上達できるようにいつも陰ながら応援してますね♪



「アラベスク」の無料楽譜
  • IMSLP(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1887年にブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。

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