今、クラスの2人に1人はピアノを習っているといっても過言ではないくらい、ピアノのレッスンに通う方が多い時代ですよね!
隣のあの子も、そのまた隣のこの子もピアノが弾けて何だか全然目立てない…
あの子よりもかっこいい曲が弾きたい!
「すごいね」って言われたい!
誰よりも目立ちたい!
でも
「時間はかけたくない!」
「難しいことはなるべくしたくない!!」
わかるー!できれば練習したくないですよね?
うんうん、私も面倒くさいの大嫌い(口癖)!!
そんな方に「超ずぼらピアニスト&楽曲アレンジャー」の私がお勧めするのは
ブルグミュラー18の練習曲より「大雷雨」。
■ 目次
難易度は?
この曲、2ページ程度の短い楽譜でそんなにレベルも高くないのに、とても聞きごたえがあるんです!
「もう初級ではないし、中級かじった程度だなー、発表会曲選ぶのが一番難しい時期だな~」
という時によく生徒さんにお勧めするナンバーです!
大人でも子供でも、弾きこなしたらめちゃくちゃかっこいいのでお勧めですよ!
まずは読みやすい譜作りを
ピアノを挫折する人のほとんどがここでつまずく最初の難所。
面倒くさがりな人はほぼここでつまづいてしまいがち…
皆さん、ここで…今ここで面倒くさがってはいけません。後で楽をしたいのなら、今ここでたっぷりと時間を掛けましょう!書き込め書き込め!
もちろん音を読むことも大事ですが、もう一つ大切なこと。それは
「運指(うんし=指番号)を決めてしまうこと」
何だよ、運指通りに弾くの苦手~
そう思う人もいるかもしれませんね!
でも、長年演奏やレッスンをしてきて私が思った重要ポイントはここなんです!
「運指」とは「運指通りに弾きなさい」という怖い意味ではありません
「ほらほら~、この指で弾いたら無駄が省けて面倒くさくなくて弾きやすいよ~!」
という、何ともありがたい番号なんです。
指が思うように動かせない=運指が一定してない=パターンが数通り=それが全体に及ぶと単純に掛けても何十通り、何百通り、何千…
面倒くさくないですか?
考えただけで恐ろしい…(笑)
なのでさっさと最初に決めてしまって、手っ取り早くやり方は一つにまとめちゃいましょう!
「弾く」ではなく「指を置く」ことをイメージ
Codaまではメロディが左手を中心に盛られているので割と左手は弾きやすいのですが、右手の素早い動きが課題です。
特に1小節目、3小節目にある右手の「121 323」の運指。複雑な動きで動かしにくい!
だからと言ってただただがむしゃらに弾いても意味がないですよ!
そんな面倒くさいことはしないほうが得策。
楽しましょう、楽を!
この時に重要なのは親指は鍵盤から絶対に降ろさないこと。
1の指を支えに、指を動かすというより「鍵盤に置く」イメージで、力まず構えすぎず、まずはゆっくり弾いてみましょう。そのまま2小節弾いてみてください。そこで小さな楽節(文節のようなもの)になっていますよね?
まずはそこまでを丁寧に何度も繰り返し、「こう弾いている」と意識をして体に定着させることが大事です!
とにかく無駄な動きを省いて楽しましょう!
鍵盤に「指を置く」イメージが大切ですよ!
リズムを徹底すべし!
この曲は四分の四拍子、細かい音は十六分音符で構成されています。
あーもうこの時点で嫌になっちゃいますよね?
あーもう面倒くさい(やっぱり口癖)!そう思ったそこのあなた!!
実はこの細かい十六分音符を基準としてリズムを言葉に表すととてもわかりやすいんです!
一小節目、十六分音符4つ×4拍分を
「1ちとお 2いとお 3んとお 4いとお」←ちょっと無理やりな感じですが(笑)
と言葉で表す。もう、全ての小節に書き込んでみてほしいくらい!
そして、四分音符一個分を根気強く四角で囲んでいくとなお見やすい譜面に(この時、左手も一緒に四角に囲んでしまうこと)!
リズムが浮き出て見えてきて、意欲が湧いてきますよ!
毎回毎回リズムでつまづかなくてよくなりますね☆
リズムは見えているのに!誰かが隣で拍子をとってくれるとうまく弾けるのに一人ではガタガタ…
そんな時に役に立つのが、メトロノーム。
私が「メトロノーム大先生」と呼ぶほど、大切にしている優れものです!
言葉で表したリズムと、メトロノームの音を並べてみると…
カチ カチ カチ カチ カチ カチ カチ カチ
①ち とお ②い とお ③ん とお ④い とお
(いち とお にい とお さん とお しい とお)と読みます
(私の自己流なので、読み方はそれぞれのやりかたで)
一つ一つの音が、どのリズムに入り込むのかが明らかになりましたね!
そしてとにかく一定のリズム、一定の速さで弾けるようになることが大切。
慣れてきたらそこから速さを少しずつアップさせていきましょう。
がむしゃらな自分とさよならしましょう!
メトロノーム先生がリズム取ってくれるのー!あー楽ちん☆
アーティキュレーションは少々大げさに
レッスンをしていたり、ちょっとその辺の発表会やコンクールを覗いてみていつも思うのが、表情のない演奏。なんか聞いていてぜんぜん面白くなーい!
と思ったことありませんか?
棒読み、無表情、強弱の違いがわかんない。でも本人はやっているつもりらしいんです。
案外自分が思っているほど、人には伝わりにくいのがこのアーティキュレーション。
この曲の伝えたいことをはじめにしっかりと考えて、ちょっと大げさに表現してみましょう!
A(1~8小節目まで)
雲行きが怪しくなり、雷が鳴りだして今にも雨が降り出しそう!!!風も吹き荒れはじめ、そしてついに雨が降り始める…というめちゃくちゃ怪しくて暗いイメージ。
(イメージです!イメージが大切!)
まだまだ序章なので、ここであまりスフォルツァンドを決めすぎないことがポイント。
まだまだ伸びしろのある強さ程度で納めて!
(これから何が起こるんだろう。不安だな~…)
B(9~16小節目まで) 動画00:30~00:58
雨がだんだんと激しさを増してきて…そして稲光!!ゴロゴロと雷の音がして雨が降り続ける場面!!キャー!怖い怖い!助けてー!!という声が聞こえてきそうなこなそうな…
左手のメロディがまだまだこれから激しい雨が降り続ける様子を表していますね!
2小節間のメロディをブチブチっと切らずに滑らに力強く、そしてアクセントを意識して演奏しましょう!
(これから一体どうなってしまうんだろう…先が見えない不安…)
A´(16~21小節目まで) 動画00:59~01:06
次第に雨風が遠ざかっていき、気持ちも少し晴れやかになりかける重要部分です!!
(ちょっとだけほっとした感じかな?)
21小節目のriten.のあたりから音色を明るく変えるイメージで演奏すると音がキラキラと生きてきます!
(あぁ、なんだか一気に希望の光が見えてきた!!)
Coda(22小節目から最後) 動画01:07~最後
今までとは打って変わって、全てが過ぎ去りあたたかな日差しさえ見えてくるここのメロディ…気持ち穏やかに、「明るさ」というより「暖かさ」をイメージして弾きます。
その中に右手のアクセントが、「生命力」をあらわしているように感じませんか!?
「きらり」と輝くように強調してひきます。
(あぁ、何とも神々しいエンディング…)
あとは、とにかくひきまくる!
「朝起きたら顔を洗う」のように、あとは勝手に体が覚えてしてしまうまで何度も弾くことです。
本番に間違えないで弾こう!なんて考えなくても
勝手に指が動いてしまうまでなんども繰り返して弾くことが特に大事!!
もうここまで来ているなら、「面倒くささ」も「時間」も忘れてしまうくらい弾きたくてたまらなくなっているはずですよね!
まとめ
1.難易度は初中級程度2.まずは、読みやすい譜面に書き込んでいく。(運指、リズムは必須!)
3.親指を鍵盤から降ろさず、「指を置く」ことで音が出ることをイメージする
4.リズムを徹底する。目に見えるようにリズムを書き込む。
5.アーティキュレーションは大げさに
6.体が覚えるまで弾き込む
面倒なことを省いて効率がアップするので弾くのが楽しくなりますよ!ぜひ実践してみてくださいね。
「大雷雨」の無料楽譜
- IMSLP(楽譜リンク)
本記事はこの楽譜を用いて作成しました。1900年にシャーマー社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。「18の練習曲」全曲が収録されており、第13曲「大雷雨」は23ページ目からになります。
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