戦場のメリークリスマスのメインテーマ「メリークリスマス ミスターローレンス」は映画のために作られた音楽です。

戦場のメリークリスマスを観たことがない人達も多くいると思いますが、曲はどこかで聴いたことがあるのではないでしょうか?

坂本龍一という名前や「メリークリスマス ミスターローレンス」いう曲名を知らなかったとしても曲を聴いたらきっとわかると思います。

戦場のメリークリスマスは大人の向けの曲集の中に入っていることが割と多いです。それだけ弾いてみたいと憧れている方達がいるということなのでしょうね。

今回は映像につける音楽についてや坂本龍一さんについて、戦場のメリークリスマスの難易度・弾き方について書いていきたいと思います。

坂本龍一ってどんな人?


坂本龍一さんは日本だけでなく世界で活躍している音楽家です。

音楽に関わることは何でもすると言ってもいいくらいで、作曲はもちろん、編曲、プロデュースもされています。彼自身もピアノやキーボードを演奏します。(演奏はかなりの腕前だそうです。)

彼のことはYMOのメンバーとしてご存知の方も多いと思います。そのため多くのミュージシャンと同じように独学で音楽をやってきた人だと勘違いしている人もいると思います。

坂本さんは藝大卒、藝大の大学院も卒業しています。つまりクラシックをしっかり勉強された方なのです。

私の高校のときの音楽理論の先生が藝大卒だったのですが、師事した先生が坂本さんと同じだったそうです。坂本さんは学生のころから発想も作品もすごかったそうです。

様々なジャンルの音楽がありますが、実はクラシックが1番自由なのではないかなという気がします。

クラシックにはいろんな決まりごとがあり、守らなければならないことがたくさんあるので窮屈なイメージだと思います。楽譜上はそうなのですが、奏でられる音楽自体は自由です。

クラシック以外のジャンルではテンポが変わるということはほとんどなく、強弱もほとんど変わりません。リズムも決まったパターンを繰り返すという感じが多いですよね。

クラシックはどうでしょう?

テンポも強弱もリズムも自由自在です!演奏する側は守ることが多いですが、作曲家は自由に作れるのです。

そのためクラシックが1番いろんなことを試すことができると思うのです!

つまりクラシックの作曲方法をきっちりと学んだ坂本さんは独学のミュージシャンよりも幅広い音楽を自由に書く技術と理論を持っているということです。

理論なんかなくても気持ちがあればと思われるかもしれませんが、ある程度の理論は必要な気がします。やはり説得力が違うと思うのです。

例えば基本の形から外れていた曲を作ったとしてもそれは基本的な理論からは外れているけど、わざとだと自信を持って書くことができます。

ピアノを弾く時もそうなのですが、自分がちゃんと理解して弾いていないと聴いている人には何を弾いているのか何を伝えたいのかが全くわかりません。

理解してやるのと何となくやるのでは同じ音が鳴っていたとしても聴いている人の印象は全く違います。

坂本さんは小さい頃から作曲を学び藝大に進み、クラシック音楽を学ぶわけですが、どのようにしてクラシック以外のジャンルで活躍するようになったのでしょう?

彼は大学に行きながら、スタジオミュージシャンとしても活動し始めました。

スタジオミュージシャンとはスタジオでバンドなどがレコーディングする際にサポートで演奏する人のことです。

レコーディングでは様々な変更が生じるため、その場ですぐに演奏方法を変えなくてはいけません。初見ができて、様々な要求に対応できる柔軟な思考と対応力が求められます。

坂本さんはこのスタジオミュージシャンからその後YMOとして活動し、YMO以外にも多くのミュージシャンと一緒に演奏したり、プロデュースしたりするようになります。

坂本さんは音楽家としてだけでなく音楽以外にもいろんな活動をされています。

以前、電気自動車のCMに出演されていたので、知っていらっしゃる方もいると思いますが、環境に配慮するよう訴えたり、脱原発を訴えたりと様々な活動をされていて音楽だけでなく、環境問題や政治にとても関心を持たれています。

日本だけでなく世界でも認められている


「戦場のメリークリスマス」の映画の中で使われている音楽は全て坂本さんが作曲しており、英国アカデミー賞作曲賞を受賞しています。

この他にも「ラストエンペラー」でアカデミー賞作曲賞、ゴールデングローブ賞、グラミー賞などを受賞し、日本だけでなく世界にも認められました。

その後も多くの映画音楽を作曲しています。

坂本さんは「教授」という愛称で呼ばれているのを知っていますか?この愛称はYMOのメンバー高橋幸宏さんからつけられたものなのだそうです。

2人が出会ったころ坂本さんは院生でした。ミュージシャンとして活動している人で大学院まで行っているのはかなり珍しいので、そのことに驚いた高橋さんが「教授にでもなるつもりなのか?」と聞いたのがきっかけだったそうです。

実際には教授ではありませんが、これから教授に就任する可能性は充分ありますよね!

私が思う坂本龍一の音楽


坂本さんの尊敬している作曲家はドビュッシーなんだそうです。

ドビュッシーはパリ万博で聴いた東洋の音楽にとても興味を持った作曲家です。西洋音楽に慣れている人からすると東洋の響きは独特で空虚に感じられたかもしれません。そこがドビュッシーには新鮮だったのでしょうね。

坂本さんの音楽からドビュッシーを感じますか?

かっちりしたドイツ系の音楽ではないことは確かで、ドビュッシーのようなフランス系の音楽に雰囲気は似ているかもしれませんね。

坂本さんの音楽は押しつけがましくないなというのが私の印象です。

決してさらっと聴ける音楽ではないのですが、こう聴け!こういうことが言いたいんだ!という押しつけがましさがあまりなく、聴く人に何か考えさせるような音楽だなと思うのです。

安定している音の中にどこか違和感の残る音も入っていて、でも不快には聴こえない。絶妙なバランスだなと思います。

音の響きで雰囲気を作ったり、人の心を掴んだりするのがとても得意な作曲家だと私は思います。

映像に音楽をつけるのは難しい


映画でもテレビでも何でも、映像と音楽はセットになっています。音楽のように長くなくても効果音がついていることもありますね。

音はとても大きな効果をもたらすということにお気づきですか?ホラー映画を音なしで観たとしたら怖さはどうなると思いますか?

かなり怖さが減ると思いますよ!音がなくても映像はきっと怖いでしょう。しかし音で恐怖心を煽っているということに気づくと思います。

もしホラー映画にコメディーのような音をつけたとしたらどう感じるでしょうか?違和感しかないと思いますが、きっと怖さは音なしよりももっと減るでしょう。

このようにシーンにあった音楽をつけることで映像をよりリアルに感じさせることができます。

しかし映像にあった音楽をつけるというのは難しく、映像よりもオーバーな音楽だと音楽の方に気を取られてしまい映像の魅力が減ってしまいます。

逆に映像はかなり感動的なシーンなのに、音楽が盛り上がらない感じだと映像がどんなに良くても観た人はそれほど感動しないかもしれません。

音楽ではこんな印象操作もできます。

例えば、若者がお年寄りの荷物を持って運んであげるというシーンがあったとします。そこに相応しい音楽は穏やかで明るい音楽なはずですよね。そうするとお年寄りを気遣う優しい人というシーンになります。

このシーンにミステリアスな雰囲気の音楽をつけたとしたらどうでしょう?にこやかにしている若者は本心を隠し、何かを企んでいるという印象に変わってしまいます。

このように音楽だけで全く違う印象に変えるというのも可能だと思います。

このようなことが出来てしまうため、映像の意図に沿った音楽、映像よりも出過ぎた音楽にならないようにしなくてはいけないのです。

私は職業柄、音には敏感な方なので、ドラマを観ても、バラエティーを観ても音ばかりが気になります。音が可笑しくて笑うことが多く、他の人が笑わないところで笑ってしまいます。

ドラマも気になる音や音楽が流れてくると映像は観ているようで観ていない状態になります。

最近のドラマは音楽がとても凝っていて面白いです。以前はサントラを聴いてみるまではしていませんでしたが、最近は気になるものが多くサントラも聴いています。

音にも気をつけていると面白い発見があるかもしれませんよ!音にも注目です!

戦場のメリークリスマスの難易度と弾き方

戦場のメリークリスマスのメインテーマ「メリークリスマス ミスターローレンス」はとてもたくさんのバージョンがあります。

映画Ver.
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ピアノと弦楽器Ver.
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ピアノVer.
Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2009 Japan
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ピアノの編曲も簡単に弾けるものから原曲に沿ったものまで様々です。そのため難易度は楽譜によって違います。

原曲に沿った楽譜の難易度ならば、重音や和音を連続して弾くところや4度進行がたくさん出てくるのでソナチネがしっかり弾ける程度という感じでしょうか。

この曲の弾きかたのポイントは2つです。

音の響きをよく感じて弾くことと、後半になるにつれて広くなっていく音域をただ強弱だけで表面的に表現するのではなく、イメージを持って弾くというのがポイントだと思います。

この曲は同じメロディーが何度も出てきますが、その都度ちょっとずつ視点が変わっているような気がします。

◆右手はかなり高音から始まり、左手の和音がだんだんと下りていることもあり、雪がちらちらと舞うような印象を受けます。


動画0:07~1:11

この部分は8分の12拍子で書かれています。8分音符が3つセットになっているものが4つで1小節ということになります。

この音型を弾くときのポイントは8分音符を1つずつしっかり弾くのではなく、3つをセットにして弾くことです。重みをかけないように気をつけましょう。

◆この部分が終わると拍子が変わり、4分の4拍子になります。ここでは音域がぐっと下がります。

ここは雪を見て過去のことを思い出しているような感じを私は受けます。少しずつゆっくりと過去の出来事を思い出しているような感じです。


動画1:12~

◆ここで楽しかったことや辛かったことなど、そのときどのように自分が感じていたかを思い出します。思い出に浸っている部分です。


動画2:19~

◆過去の出来事やその時の感情までも思い出し、その時の選択が間違っていたのではないか、もし別の選択をしていたらどうなっていたのだろうなど、少し後悔もしているような葛藤を感じます。


動画3:29~

激しく心が揺れる部分です。

◆しかし過去に戻ってやり直せるわけもなく、現在を生きていくしかないのです。現実と向き合って進んで行くしかないと自分を奮い立たせ、前を向いて行こうと決心します。

未来はきっと明るいと信じて進んでいくような感じです。最後は左手がトレモロになっていて激しさはありますが、音は明るい響きです。希望を何となく感じます。


動画3:49~

曲のイメージは私がそのように感じたというだけですので何でも大丈夫です。

同じメロディーが何度もあると思うと単調な演奏になりがちです。それを防ぐためには左手の動きが変わっていたり、強弱が変わっていたり、リズムが変化していたりすることをヒントにして自分なりストーリーを作り出すことです。

弾く人それぞれのストーリーがあっていいと思いますので、いろんなことを想像して弾いて下さい。

この曲は理論がどうこうよりも感じたまま弾いた方がいいような気がするので、イメージを大切に弾いて下さいね。

最後に坂本さん自身が弾いている戦場のメリークリスマスをのせます。素敵な演奏ですよ!



まとめ

◆坂本龍一は藝大卒、藝大の大学院を卒業
◆「戦場のメリークリスマス」は映画音楽
◆この映画で英国アカデミー賞作曲賞を受賞している
◆簡単に弾けるものから原曲に沿ったものまで様々な楽譜がある
◆原曲に沿った楽譜の難易度はソナチネがしっかり弾ける程度
◆理論がどうこうよりも曲から感じたことを大切に弾く


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