音楽療法士が老人ホームでセッションを行う場合、他の職種の方と連携を図らなければならないことが多々あります。
看護師さんも、頼りにしたい職種の1つです。
では、音楽療法士がセッションに関して、看護師さんにお願いしておくといいことは何なのでしょう。
看護師さんにになってもらう役割についてご紹介します。

セッション前:クライエントの健康・精神状態についての情報を教えてもらおう


音楽療法士が老人ホームでセッションを行う際、クライエントとの関係は、セッションの時間内のみに限られていることは多々あります。

介護職として兼務している場合はこの限りではないですが、音楽療法を行う日に、すべてのクライエントに接することができるわけではありません。

そんな時に気になるのが、クライエントの当日の健康状態や精神状態のことです。

高齢者は、ちょっとしたことがきっかけで体調を崩すことがあります。

セッションには参加できるけれども、絶好調ではないという方には、無理に活動に参加してもらったりせずに、本来は能動的音楽療法であるプログラムでも、受動的音楽療法として楽しんでもらいたいものですよね。

体調が万全ではないということを事前に看護師さんから教えてもらえれば、クライエントが無理をしそうになった際に、無理をしないように声掛けをすることができます。

また、精神状態に関する情報をもらうことも重要です。

特に認知症の方などは精神的に波がある場合も多く、セッションを行う日に精神状態が良くない方の情報を聞くことができれば、それに合わせて対応することができます。

なお、これらの当日の体調に関する情報は、セッション前に毎回教えていただきたいことであるということを事前に伝え、当日朝からのクライエントの様子を介護職員さんからも集約しておいてもらうようにしましょう。

そうすることで、日常的に行っている入居者の健康管理のついでに、音楽療法士に伝えることを把握してもらうことができ、看護師の負担になることを最小限に抑えることができますよ。

セッション中:特に気になる方や体調不良の方のサポートをお願いしよう

音楽療法のセッションに参加していただくクライエントの中には、精神面がすぐれない状態の方もいます。

クライエントも音楽療法士も、お互いに慣れた間柄であれば、集団での音楽療法でも対応することは可能でしょう。

ただし、精神的に不安定な方の初回のセッションともなれば、やはりサポートは必要になってきます。

そんな時は、業務に余裕があれば、ぜひ看護師さんにサポートをお願いしましょう。

もちろん介護職員さんも入居者さんのことはよく把握していることと思いますので、サポートしてもらえるのであれば問題ありません。

ですが、精神疾患の場合よりプロフェッショナルに関わってもらえるのは看護師さんです。

セッションの全過程付き合ってもらうことができなくても、その一部だけでもサポートしていただくだけで、次からのセッションに活かすことができるアドバイスをもらえることもありますよ。

そして、セッション中に看護師さんにお願いすることはもう一つあります。

それは、クライエントの体調の急変時の対応です。

音楽療法のセッションに限らず、どんな活動中でも体調が急変してしまうことがあります。

また、特に前兆もなく突然体調を崩してしまうこともありえます。

そんな時、慌ててしまいがちになりますが、落ち着いて看護師さんや介護職員さんと連携をとり対応できるようにしましょう。

セッション後:クライエントのその後の様子を捉えてもらおう


セッション後にも、お願いしたい役割があります。

それは、クライエントのセッション後の様子を捉えておいてもらうことです。

セッションについて話したことがあるならその内容を、また、変わった様子が見られたなどの情報も、後日教えてもらえるようにしておきます。

それが、その後にセッションの内容を考える際の参考になり、積み重なることで、よりよいセッションを行うことができるようになりますよ。

まとめ

  1. セッション前には、看護師さんにクライエントの健康・精神状態についての情報を教えてもらおう
  2. セッション中は、特に気になる方や体調不良の方のサポートをお願いしよう
  3. セッション後は、クライエントのその後の様子を捉えてもらおう

音楽療法を行う上で、看護師さんは強い味方であってもらいたい職種の一つです。
十分にコミュニケーションをとり、多くの情報がやりとり出来るような関係を築いて下さいね。


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