今現在練習している曲は何ページありますか?
習いたての頃は1ページだったと思いますが、弾けるようになってくると徐々に曲が長くなっていきますよね。長くなった時に必要になってくることはなんだと思いますか?
それは楽譜をめくるという動作です。
曲が長くなると見開き(2ページ)ではすまなくなります。そうすると譜めくりをしなくてはいけません。レッスン時には先生がめくって下さるかもしれませんが、1人で練習するときは誰もめくってくれませんよね。
音楽を止めることなく譜めくりをしなくてはいけませんが、場所によってはそれが容易なときとそうでないときがあります。譜めくりが自分でどうしてもできない場合、本番のときには譜めくりを人にお願いする場合があります。
めくる方も結構大変なんですよね。演奏者の邪魔になってはいけないので、譜めくりをする人の座る場所は楽譜からかなり離れています。
その離れた位置から楽譜を見てめくります。もちろん事前に楽譜を確認して頭に入れておくという作業はしますが、見失ってはいけない、めくる位置を失敗してはいけないというプレッシャーがのしかかります。
どの演奏者も弾いている場所よりも少し先を見て弾いていますが、演奏者によってその早さは微妙に違うと思います。つまり早めにめくって欲しい人もいれば、そうでない人もいるということです。
演奏する側がもっと早くめくって欲しいなどのストレスを感じることなく、気持ちよく演奏できるよう自然にめくることができたらとてもいいのですが、なかなか上手くはいきません。
譜めくりする立場、演奏する立場の気持ちがわかるので私はなるべく自分で譜めくりをするようにしています。
伴奏の場合はコピー譜を頂いて弾くことが多いので、コピー譜をよく見てめくる位置などを考えてからファイルに入れます。(ファイル以外の他の方法で製本することもあります。)
今回は実際に私が使ってみて良いと感じたファイルやファイル以外でコピー譜を製本する方法をご紹介したいと思います。
ファイルについては「これは完璧だ!」と思うものにはまだ出会っていませんが、使ってみて良かった点と改善して欲しい点、私が工夫して使っている点などについて書いていきたいと思います。
■ 目次
ファイルに入れる以外の方法
最近ではそもそも楽譜を紙で見ないという人もいます。iPadなどの端末から見て演奏するという人たちもいます。楽譜が膨大な量になって保管に困るということもないのでとても便利だなとは思いますが、こちらはこちらでいくつか問題点があります。問題点の1つは演奏中に端末が固まってしまったり、充電がなくなってしまったりしたときにどうするのかということです。練習中ならまだいいですが、本番中になったら…と思うと私は怖くて手を出せません。
他にもデータが消えてしまったらどうしようという不安があります。バックアップを取っていたとしてもやはり心配です。時代が進んで端末で楽譜を読むのが主流になることがもしあったとしても、私は多分変わらず紙派です!
さて、話を戻しましょう。
ピアノを弾く時は楽譜を買って本で弾くこともあれば、コピー譜で弾くこともありますよね。コピー譜はペラペラなので端が折れてしまったり、譜面台に置いた時に滑り落ちてしまったりと色々と問題があります。
コピー譜はファイルに入れる以外にもいろんな方法があります。スケッチブックに貼る、画用紙に貼るという方法です。皆さんも色々と工夫されていると思います。
どちらの方法でもよいと思いますが、良い点と悪い点があるように思います。
【スケッチブックに貼る】
スケッチブックは本と同じなので見開きで楽譜をみることができます。しかし2ページで終わる曲ばかりではないですよね。
上手くめくれるのであればめくっていけば良いのですが、めくれない場合もあります。そういう場合は工夫すればめくらずに楽譜を見ることができます。
例えば全3ページの楽譜の場合、2ページ目の楽譜と3ページ目の楽譜を先にテープでくっつけておいてから2ページ目をスケッチブックに貼るとめくらず全ての楽譜を見れるようになります。
スケッチブックを閉じるときはテープでくっつけた楽譜を内側に折って閉じるとはみ出さずにすみます。(紙のままだと折れてしまうことがあります。それが嫌な方はあまり厚すぎない画用紙を楽譜に合わせたサイズにして貼り付けておくとよいです。)
この方法をすると最大4ページまで楽譜を横並びで見ることができます。全4ページの場合は2ページ目と3ページ目をスケッチブックに貼り、1ページ目と4ページ目は両側にはみ出す形になります。
4枚以上もいけないことはありませんが、はみ出る楽譜が2枚3枚と増えると紙自体で自立しにくくなるので画用紙を貼らなくてはいけなくなります。
また重みが出過ぎると垂れ下がってしまう場合があるので、両側にはみ出すのはやはり1枚ずつまでにしておいたほうがいいでしょう。
5ページ以上のものはスケッチブックのページをめくる、もしくはスケッチブックはめくらないにしてもコピー譜をめくれるように工夫して貼るなどのめくる作業がどこかで必要になってきます。
◆良い点
しっかり自立してくれる
本タイプと同じで、ある程度重みがあるのでめくりやすい
◆悪い点
激しくめくってしまうとスケッチブックの紙が破けてしまうことがある
本番の時にそのまま使えるシンプルなデザインのものがなかなか見つからない
【画用紙に貼る】
この方法はピアノの練習時というよりは合唱や歌の伴奏向きだと思います。私はファイルを見つけるまではこの方法が1番適していると考えており、しばらくこの方法で頑張っていました。現在もファイルが思うように使えないときは、画用紙に貼ります。歌の場合、くり返しが多くD.S.なども多く出てくるため、めくるのが1ページではすまないこともありますし、楽譜をめくる暇がないことも多くあります。
そのため、めくる箇所を極力少なくし楽譜を横並びにしておいて目線だけ動かすのがベストだと私は思っています。
最初に書いたように譜めくりはほぼ自分でするようにしているので、めくるべき場所でめくれそうにない場合はその前後にどこかめくれる隙がないか探して色々工夫しています。
画用紙にはいろいろなサイズがありますが、どれも楽譜のサイズとぴったり合わなくて画用紙を切らないといけませんでした。画用紙を切ってしまうと画用紙同士を貼り合わせる時に隙間が出来てしまうのでなかなかきれいに完成させることができません。
100均(ダイソー)でA4サイズの画用紙が売られているのを発見したときはとても嬉しかったです!楽譜のサイズはA4かB5が多いのでこのA4サイズの画用紙は楽譜を貼るのにぴったりなんです。
A4サイズの楽譜はぴったり過ぎるのでコピー楽譜の方を少し切らなくてはいけませんが、画用紙をまっすぐ切る労力に比べればたいしたことではありません。
画用紙に楽譜を貼って画用紙同士をテープでどんどんつなげていけば完成します。
どのくらいまで横並びにできるかは譜面台の大きさによります。譜面台に何枚までなら乗せられそうか確認してから楽譜を画用紙に貼るようにしましょう。
楽譜がそれ以上の枚数あるのならどこかでめくるような楽譜の貼り方を考えなくてはいけません。その場合は色々試してみてから楽譜を貼った方がいいので、楽譜をもらってすぐに貼らない方がいいです。貼ってしまってからでは変更ができないのでよく考えてからにしましょう。
◆良い点
自立する
何枚も横並びに置くことができる
◆悪い点
楽譜を画用紙に貼って、画用紙をくっつけてという作業が面倒
時間が経つとセロテープがはがれる
それぞれの良い点、悪い点はこのような感じでしょうか。
「のり」と「テープ」
ここからは楽譜を貼る「のり」と楽譜や画用紙をつなげる「テープ」について私のオススメを書いていきます。以前はスティックのりで楽譜を貼っていましたが、はみ出したり、はがれやすかったりするので現在はテープのりを使っています。
テープのりは手が汚れるということもありませんし、間違えてのりをつけてしまっても手でこすればきれいに取れるのでオススメです。
スティックのりよりは値段が高いですが、テープのりの場合は全体にのりをつけなくてもしっかりくっついてくれるので四隅と縦と横のそれぞれの真ん中にテープのりをつけて貼れば問題ありません。
そのため1枚の楽譜を貼るのにのりを大量に使うということはなく、のりを節約して使うことができます。
画用紙の悪い点で「時間が経つとセロテープがはがれる」と書きました。セロテープで貼るのが1番だと思っていたのですが、時間が経つとこのようなことになるので、現在はマスキングテープを貼って様子をみています。時間が経つとどうなるのか…
製本テープも試してみました。製本テープが1番しっかりくっついてくれるのですが、曲げにくくなってしまうのであまり良くないかなという感じでした。
まだまだ色々研究中です。
楽譜を入れるファイル
これまではファイル以外の方法を書いて来ましたが、ここからはファイルについて書いていきますね。
【バンドファイル】
私が初めて買ったファイルはこのファイルでした。それまでのファイルは楽譜をいちいち出してから書き込みをしなくてはいけなかったのですが、このファイルは上下にしかフィルムがないので、楽譜がむき出しの状態になっています。
見つけたときは「画期的!」と思いましたね。早速買って使ってみました。
書き込むときに出し入れしなくていいし、ストレスなく使えるなと満足していたのですが、ファイルを誤って逆さまにしてしまったときに中の楽譜がスルスル抜け落ちてしまいました。
ファイルを逆さまにしてしまった私が悪いのですが、下の方のフィルムは楽譜が落ちないように閉じられているものの、上の方は閉じられていないので抜け落ちてしまったのです。
他にもめくるときにフィルムをちゃんと持ってめくらないと楽譜が抜けてしまうことがあります。
めくる時間があまりなく急いでめくるきは端の方を持って丁寧にめくるということができないことがあります。楽譜部分を持ってめくってしまうと楽譜がファイルから抜けてしまい上手くめくれません。
私の場合楽譜を激しくめくってしまったため、下のフィルム部分の端が破れてしまいました。
使い方が悪いと言われればその通りなのですが…めくる時間があまりない曲のときは向かないかもしれません。
◆良い点
ファイルから出さなくても書き込める
◆改善して欲しい点
楽譜が抜け落ちにくくなるようにして欲しい
フィルムが破れないようにして欲しい
◆自分で工夫している点
楽譜をテープのりで何か所か貼って固定している
【5シートクリアファイル】
このファイルを見つけたときはこれで画用紙に楽譜を貼りつける作業から解放されると嬉しくなりました。
このファイルは開けば5ページ分まで横に置いておけます。ト音記号が書いてある部分以外は両面に楽譜を入れられます。そしてどちらにも折り返すことができるようになっているので楽譜の入れ方や折り返し方次第で、色々な使い方ができます。
パーフェクトに思えたファイルでしたが問題点がありました。
練習していたときは気づかなかったのですが、本番でまさかのアクシデントが…
ライトに反射して楽譜が見づらい部分が出て来たのです。リハーサルの時と本番とではライトの当たり方が違ったのでリハーサル時に気づけませんでした。
そのアクシデントは伴奏の本番で起こりました。ほぼ楽譜を覚えていましたし、体を少し動かせば見えるので何とか無事に終えましたが怖かったですね。これはとても勉強になりました。
このような楽譜全体をフィルムで覆っているタイプのものが全て必ず反射するわけというではありません。同じファイルでも会場が違ったり、ライトの当たり方が違ったりすると変わってくるので、やってみないとわかりません。
しかし、ファイルに入れるとこのようなリスクがあるということをそのときに学びました。
それからもう1つ、このファイルに楽譜を長時間入れっぱなしにしておくとファイルの方にインクが写ってしまいます。どのくらい入れておいたらそのようになるのかはよくわかりません。
うっすらと写っているのが見えるでしょうか?
◆良い点
抜群の安定感
最大5ページまで横並びで楽譜を見ることができる
上下を逆にしても楽譜が抜け落ちることがない
両面使えるので楽譜の入れ方、折り返し方次第で色々な使い方ができる
◆改善して欲しい点
反射しにくくして欲しい
インク写りはどのくらい入れておくとなるのか教えて欲しい
またはインク写りしにくい素材に変更はできないのか
◆自分で工夫している点
インク写りや反射を防ぐため楽譜を直接入れないようにしている
ファイルの上にテープのりで直接楽譜を貼り、はがれないか心配なので上下をマスキングテープまたはセロテープで止めている
【Raku-fu】
このファイルが今いちおしのファイルです!
バンドファイルと同じく上下で楽譜を支えるタイプのファイルで楽譜はむき出しの状態です。このファイルはリフィルが売られていてページ数を増やすことができます。つけるのも外すのも簡単にでき、リフィルは厚みの違うものが売られています。
リフィルのサイズはA4のものとA3のものが売られており、A3サイズのものをファイルに挟むと最大で4ページを横並びで見ることができます。
◆良い点
バンドファイルと同じく楽譜を出さなくても書き込める
最大4ページまで横並びで楽譜を見ることができる
◆改善して欲しい点
入れやすくするためファイルの中央だけに楽譜を支える部分を作ったのだと思うがやはり楽譜の四隅に支えがあった方がよいと思う
できたらB5版もあると嬉しい
◆自分で工夫している点
テープのりで四隅を固定している
この他にも音楽用のファイルはたくさん販売されています。Amazonでも多く売られていますし、ヤマハなどの楽器販売店でも売られています。
音楽用のファイルはだんだん進化していると思いますし、どうしたらよりよくなるのかと作る方々も色々考えて作って下さっているんだなと感じます。
中にはコピー譜をつなげただけでも何の問題もないと言われる方もいらっしゃるかもしれません。自分が演奏する時にストレスにならない方法で楽譜を見るのが1番いいのではないかと思うのでこのやり方が絶対に正しいということはありません。
今回の記事が練習時や本番時にコピー楽譜をどのようにしたらいいのかという参考に少しでもなれば嬉しいです。
まとめ
◆コピー譜は「スケッチブックに貼る」、「画用紙に貼る」、「ファイルに入れる」の方法がある◆どの方法にも良い点と悪い点がある
◆楽譜によってどの方法が1番よいのか考える