子育てがひと段落してやっと自分の時間が持てるようになった大人の人が、何か習い事をしようと考えた場合にピアノを習うことを選んでくれたら嬉しいです。私はピアノもやりつつ料理や陶芸、ゴスペル、イタリア歌曲を習ったことがあります。

現在、80代のピアノの生徒さんがいますが、その方の娘さん二人にはピアノを幼い頃から習わせていて、レッスンにはいつも付き添って行っていたようです。その当時は、その方は仕事もしていて、家事もしてとても忙しい毎日を送っていたので「ピアノを自分が習う」という感覚は全くなかったようです。

ある日、旦那さんが病気になった時「介護だけしていると気が滅入るから、何か趣味を持った方が良い」と旦那さんに勧められたそうでその時から「せっかくピアノが家にあるのだからピアノを習おう!」と決意したそうです。習い始めたのは70代の時でした。何歳でもやる気になったら挑戦できるんですね!

■ 目次

大人になってから習う理由は?

今までに大人の生徒さんは何人も教えたことがあるのですが、共通点としては残念ながら「子供のように長い年数習うことがあまりない」ということ。(*_*)

私が教えた大人の生徒さんが習う理由はこうでした。
「息子の結婚式でピアノをサプライズで披露したい」
「ドレミファソラシドだけを弾けるようになりたい」
「オーケストラでチェロを弾いていたけれどピアノをやってみたくなった」
「趣味で弾いてみたい」
「先生に話を聞いてもらいたい」
「幼い頃からピアノはやっていたけれどブランクがあるからまた復活したい」
「孫が来て弾いてもらうためにグランドピアノを買ったから、自分も習ってみたい」などです。

この中でも今までで一番びっくりだったのが、「ドレミファソラシド」だけを毎週のように弾くだけで良いという80代の生徒さんがいたことです。さすがにこれだけでお月謝をいただくのは申し訳ない気持ちでいっぱいでしたけど、生徒さんが希望していたことだったので「ドレミファソラシド」だけをレッスンしていました。(;’∀’)

ちょっと余談ですが、大人の生徒さんがやめる理由としては、
「旦那さんが病気になった」
「旦那さんが亡くなった」
「自分が病気になった」
「先生の前だと緊張して汗が出てきて弾けない」と💦

目標がある場合


「息子の結婚式でピアノをサプライズで披露したい」などと目標が間近の場合は、毎日しっかりと練習しないと「気づいたら結婚式は来週だよ!間に合わない~」なんてことになってしまいます。

「いつまでに弾けるようになりたい」という目標があれば、ダラダラしている時間はないですよね。子育てが終わっている50代くらいの人であれば、仕事をしていて帰って来ても、晩御飯のあとには時間があるかと思います。

一日に1時間くらいは弾けたら良いですね。きっと、サプライズで演奏する曲のみをレッスンすると思うのですが、メインの曲を練習するその前に「ドレミファソラシド」、「ドシラソファミレド」は両手で指使いを正しく弾けるようにしておくと、簡単な練習になりますよ。

「ドレミファソラシド」
右手の指使いは、「1-2-3-1-2-3-4-5」。
左手の指使いは、「5-4-3-2-1-3-2-1」。

「ドシラソファミレド」
右手の指使いは、「5-4-3-2-1-3-2-1」。
左手の指使いは、「1-2-3-1-2-3-4-5」です。

片手ずつ弾くのはなんとかできても、両手で同時に弾くのは結構難しいんです。この指の練習をしたあとにメインの曲を練習すると軽く30分~1時間は経っているんじゃないかな?

趣味の場合


大人になってから初めてピアノを習う場合は、手が思うように動かなくて「こんなにピアノって難しいの!?」って驚いちゃうかもしれません。子どものように、教えたらすぐ出来るわけではなく、「毎週、同じことを教えている気がする・・」なんて先生の心の声がぼやいちゃったりして。

大人の人は子どもよりも知っている曲がたくさんあるので、やりがいありますよね。指の練習曲をやらずに好きな曲だけ1曲のみをレッスンする場合が多いです。あるピアニストは、「指の練習曲はやらずにメインの曲の中で取り出して練習すれば良い」と言っています。

私は練習曲が好きなので、メインの曲ではなく練習曲のみを練習するタイプ。(笑)「題名が付いていない番号だけの曲は面白くなくてやりたくない」ってよく聞きますが、私は逆なんです。

趣味で習う場合は、1日30分くらいを目標に練習していれば結構上手になるのでは?と思います。「あっ、今日も出来なかった、明日も約束があるからできない・・」なんて日々が続いてしまったら一気に手は動かなくなってしまいます。

10~15分でも毎日弾いてみよう

習っているからには、毎日10~15分はピアノに向かう時間を決めてみてくださいね。夜の20時にはピアノに向かうとか、昼ごはんを食べたあとの13時~など。「毎日1時間は絶対弾かなければならない」という漠然とした厳しい目標があるだけだと、忙しい日は弾けなくなるし、弾けなかった時に嫌な気分になっちゃいますから。

私は一回ピアノの前に向かうと弾く曲がたくさんあるので1~2時間はスラスラ弾いちゃいます。逆に10~15分でやめることはないのですが、趣味で習っている人は、「短い時間でもピアノに向かう」ことを習慣づけてみてください。

歯を磨く、顔を洗うことと同じようにピアノも習慣づけると自然に身につき、弾かないと逆に気になってしまうようになりますよ。

まとめ


*目標がある場合は1時間を目指そう
*趣味の場合は30分を目安に
*忙しい人は10~15分は向かえるように

大人から習われた場合は、子どものようにスラスラ手が動いたり、進度が早い訳ではないですが、まずは手を動かすことを習慣化させてみてくださいね。好きな曲のレパートリーがたくさん増えたら良いですね(^^♪

以前、某テレビ番組で、自由に弾くことが出来るピアノを野外に置いて、通行人がそのピアノを弾く様子を放送していました。大人になってから趣味で習い始めた人や学生、ラウンジで弾いている人など様々な人が楽しく弾いていました。

普段、一人暮らしで誰にも褒められることがない人は、他人に褒められることでまたここで演奏するのを目標に頑張ろうとやる気がみなぎりますよね。私の住んでいる町にも飲み屋街にピアノが置いてあり、バンドメンバーが定期的に演奏しています♫ピアノの音色は癒しにもなりますから(^_-)-☆



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