ピアノを習っている、もしくは習っていたことのある人以外で何でもいいので弾ける曲を弾いて下さいとお願いしたら、きっと「きらきら星」や「かえるのうた」などの民謡や童謡の次に多いのが「猫踏んじゃった」ではないでしょうか?

ピアノを習ったことがないのに、この曲だけはなぜ弾けるのでしょうか?

それは弾きやすいポイントがいくつかあるからなんです!

今回は「ねこふんじゃった」がなぜ弾きやすいのかなどにふれながら、弾き方と難易度について書いていきたいと思います。

タイトルは国によって色々


「ねこふんじゃった」は世界中で知られている曲ですが、タイトルは国によって様々なようです。

日本と同じように「ねこ」とつく国も多数あります。
●ねこのマーチ
●ねこのポルカ etc…

この他にも「犬」、「サル」、「ノミ」、「アヒル」など生き物がタイトルに入っている国もあります。
●犬のワルツ
●おサルさん
●アヒルの子たち
●ノミのワルツ etc…

イギリスやアメリカでは「トトトのうた」や「チャップスティック」と呼ばれているようです。

日本でも「トトトのうた」または「チャップスティック」というタイトルの曲が知られていますが、これは「ねこふんじゃった」のことではなく別の曲です。(「トトトのうた」と「チャップスティック」はタイトルが違うだけで、同じ曲です。)

紛らわしいですね…

「ねこふんじゃった」のタイトルがワルツとなっている国もありますが、この曲は3拍子の曲ではありません。それなのにワルツとなっているのがなかなか面白いですね。

作曲者は誰?


世界中で知られている曲ですが、実は作曲者はわかっていません。

フェルディナンド・ローという人が作ったのではないかという説があるのですが、このような人物は存在しないそうです。多分、最初にこの説を言い出した人の嘘だったのでしょう。

作曲者以外にもいつ頃作られて、どのように伝わっていったのかもよくわかっていません。

謎が多いですね…

しかしこれほど広く知られている曲もなかなかないですよね。

日本でこんなに有名になったのはなぜなのか

NHKみんなのうたより 大全集10

「ねこふんじゃった」は歌詞がついていますよね。歌詞がついていなかったら、もしかするとここまでみんなが知っている曲にはならなかったのかもしれません。

ドレミのわからない人でも歌詞がつくことで、簡単に口ずさむことができるようになりますからね。これが広まったきっかけなのではないかなと思います。

この歌詞をつけたのが坂田寛夫という人です。この坂田さんは他にも「サッちゃん」などの童謡の作詞を多く手がけています。

彼が作詞した「ねこふんじゃった」はNHKの「みんなのうた」という5分間の音楽番組で放送されました。初回の放送は1966年10月だったようです。

先ほど「トトトのうた」という曲があると書きましたが、この曲にも坂田さんが歌詞をつけています。同じく「みんなのうた」で放送されました。

「トトトのうた」は「ねこふんじゃった」よりも少し前の1966年2月に初回放送されていたようです。

この「みんなのうた」という番組は1961年4月から放送されており、現在も新曲を放送し続けています。たくさんの名曲がこの番組から生まれ、現在でも多くの曲が歌われています。

なぜピアノを習わなくても弾けるのか?


「ねこふんじゃった」はなぜピアノを習ったことがない人でも弾けてしまうのでしょうか?

その理由は3つあるのではないかと思います。

1、動きが少ない
2、リズムが簡単
3、構成がとても単純

この3つの要素が合わさっているから簡単に弾けてしまうのではないでしょうか。

この曲をちゃんと楽譜を見て譜読みをして弾いた人はほとんどいないのではないかと思います。

つまり、この曲を弾くときは、聴いた音から鍵盤を探り当てていったか、または他の人が弾いているのをじっと見て位置を記憶していったかのどちらかだと思うのです。

そのような方法で弾ける曲というのは、とにかく覚える量が少ないものでなければ無理ですよね。

この3点のどれか1つでも難しかったら、ここまで多くの人が弾ける曲にはならなかったのではないかなと思います。

難易度と弾き方

難易度はもう書くまでもないと思いますが、とても簡単です。指を独立して動かすことができ、弾く位置さえ覚えられれば誰でも弾くことができます。

弾き方についても書くまでのないのかもしれませんが、より音楽的に弾こうと思うのであれば、気をつけることは2点あります。

注意点1

この曲は実は1拍目から始まっておらず、4拍目から始まっています。つまりアウフタクト(弱起)の曲ということです。(楽譜によっては2拍子で書かれているものもあります。)


最初の右手の黒鍵(8分音符)は1拍目ではないので、強拍ではありません。次の左手こそが1拍目、つまり強拍になるのです。

アウフタクトの曲だということを頭に入れて、前拍(1~3拍目まで)をカウントしてから始めるようにしましょう。

注意点2

この曲のメロディーラインはどこにあると思いますか?

ほとんどの方が右手をメインにして弾いているのではないかと思います。確かに右手の始まりの8分音符はメロディーっぽいですよね!

しかしこの部分は先ほど書いたように弱拍に当たる部分なので、しっかり弾いてはいけないのです。この4拍目の音型は始まりだけでなく曲全体に出てきます。

この部分はメロディーと捉えるよりも合いの手のような感じで考えてみてはいかがでしょうか?

本当に重要なのは左手の方です。左手をよく響かせて弾いてその上に右手が軽く乗っかるというのが私としては素敵な演奏かなと思っています。

子供の場合、速く弾ければ上手だと思っているようですが、そうではありません。

このような簡単な曲であっても拍がどうなっているのか、どこを目立たせてどこを引くべきなのかということを考えて音楽的に弾くというのが素敵な演奏です。

楽譜を見てびっくり!!!

黒鍵を弾くということは♯や♭がつくというのはわかると思います。黒鍵をどのくらい弾いていると思いますか?結構弾いていますよね?

楽譜を見る前に実際にどのくらい黒鍵を弾いているのか確認してみましょう。


これが「ねこふんじゃった」の弾く位置の全てです。(茶色のねこが右手、黄色のねこが左手です。)

実際の楽譜はこちらです。


♭が6コつく変ト長調という調で書かれています。(楽譜によっては嬰ヘ長調で書かれているものもあります。)

たくさん♭がついていますね。こんなについているのなら、♭がつかない音を考えた方がいいかもしれませんね。よく見てみるとファには♭がついていませんよね。

実はこの曲は楽譜を見て譜読みしようと思うと、少し面倒な曲なんです。

ねこふんじゃったの編曲はたくさんある

「ねこふんじゃった」はたくさんの編曲があります。





私たちがよく知っているスタンダードな曲だけでなく、かなり難しくしたものや変奏曲になっているものもあります。他にも連弾用に編曲してあるものもあり、様々です。

元々が簡単な作りの曲で余白が多くあるのでアイディア次第で色々といじれてしまう曲だと思います。

他にも簡単に弾ける曲を紹介

「ねこふんじゃった」以外に先ほどから「トトトの歌」(もしくは「チョップスティック」)について書いて来ましたが、実はこの曲も割と簡単に弾くことができます。

2本の指(左手と右手1本ずつ)で弾けてしまうというのがこの曲の最大のポイントです。

「ねこふんじゃった」よりもほんの少し動きがあるので覚えるのは少し大変かもしれませんが、2本しか使わないので弾けますよ!

動画もたくさん上がっていますし、楽譜もたくさん出版されていますので、挑戦してみて下さい。

「ねこふんじゃった」と同じくこの曲も単純な作りなので、多くの編曲があります。編曲された楽譜は「ねこふんじゃった」よりは少ないかもしれませんが、動画はたくさんあります。



映画『Sincerely Yours』(1955年)より
http://www.tcm.com/mediaroom/video/478799/Sincerely-Yours-Movie-Clip-Chopsticks.html
(※最初に30秒ほどコマーシャルが流れます。チャップスティックの演奏は2:07からです。)

同じ曲でもアレンジによって全く雰囲気が違いますね!他にもたくさんの編曲があります。聴き比べてみると面白と思います。

今回は「ねこふんじゃった」について書いてきましたが、いかがだったでしょうか?

ピアノを弾いてみたいけど、楽譜が読めないし…と思われている方はまず「ねこふんじゃった」と「トトトのうた」から挑戦してみてはどうでしょう。

楽譜を読まなくても位置さえ覚えれば必ず弾けますよ!

まとめ

◆タイトルは国によって様々
◆作曲者はわかっていない
◆作詞は坂田寛夫、「みんなのうた」で放送された
◆ピアノを習ったことがない人でも弾ける理由
1、動きが少ないから
2、リズムが簡単だから
3、構成がとても単純だから
◆アウフタクト(弱起)の曲
◆左手をよく響かせて弾いてその上に右手が軽く乗っかるように弾く
◆♭が6コつく変ト長調という調で書かれている



「ねこふんじゃった」の無料楽譜
  • Wikipedia(楽譜リンク
    本記事はこの楽譜を用いて作成しました。4/4拍子の楽譜です。欠けている小節があります。
  • 横山真一郎の楽譜書庫(楽譜リンク
    2/4拍子の完全な楽譜です。無料楽譜ですがパブリックドメインではないのでご注意ください。Creative Commons Attribution 3.0 Unportedですので、楽譜の最後についているクレジットを消さないように使えば問題ありません。

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