音楽療法で使われる楽器には、一般的によく知られている楽器と、音楽療法用とまではいわないまでも、音楽療法の現場ではよく使われる楽器とがあります。
音楽療法の現場でよく使われる楽器についてご紹介します。
■ 目次
セッションで使われるメジャーな楽器
セッションで使われる楽器には、一般的に知られた楽器があります。
ピアノ(キーボードも含む)、ギター、ハンドベルやタンバリンなどの打楽器です。
ピアノやギターは、主にセラピストが使用します。
クライエントが歌ったり楽器を演奏する際に、伴奏を行うために使います。
一方、ハンドベルやタンバリンなどの打楽器は、クライエントも一緒に使用します。
楽器を演奏することで、身体機能の維持向上に役立てたり、自分を表現することに繋がったりします。
セッションで使われるあまり知られていない楽器
セッションでは、一般的にあまり知られていない楽器も、よく使われます。ポイントは、簡単に音が鳴らせたり、音が優しかったりすること。
簡単に音を鳴らすことのできない楽器は、クライエントに演奏してもらうことができません。
また、音の優しい楽器は、クライエントに受入れてもらいやすいという特徴があります。
では実際に、音楽療法の現場で使われる楽器をご紹介します。
トーンチャイム
トーンチャイムはハンドベルが改良されて作られた楽器です。
ハンドベルよりも、柔らかい音色が楽しめる楽器です。
アルミ製のパイプでできていて、軽くて、楽器を振るだけで音が出せます。
音階が出せる楽器なので、曲を演奏するには練習が必要ですが、練習し、曲を演奏することができたという達成感を味わうことができます。
優しい音で奏でられる一曲は、聞くだけでも癒やしになります。
ドレミパイプ(ブームワッカー)
こちらも簡単に音が出せる楽器です。
また、トーンチャイムと同じように、音階が出せる楽器です。
ポリエチレン製の楽器で、とても軽いです。
見た目は、カラフルな棒といった感じです。
中が空洞になった筒で、音の高さは筒の長さで決まっています。
その筒で、机を叩いたり、自分自身を叩いたりすることで音を出します。
そのカラフルな見た目で小さい子の興味を引くことができますし、自分の身体で音が出せる点も、子どもには大人気です。
練習して曲を演奏するのもいいですし、楽器を演奏するというということを体験してもらうために利用するのもいいですよね。
ロリポップドラム
見た目がキャンディーのような打楽器です。
このロリポップドラムのように、見た目が少し変わった楽器だと、遊び感覚で音を出すことができます。
楽器演奏の際、演奏するのが楽器だと思って身構えてしまい、積極的になれなかったり、音を出すことを遠慮してしまったりするクライエントがいるのですが、こういった楽器だと、そういった心配が少なくすみます。
楽器を触ることになれてないクライエントにとっては最適の楽器のひとつですよ。
楽譜も特別なの?
音楽療法用として紹介されているのは楽器以外に、楽譜も見かけます。
音楽療法の楽譜としてよく見かけるのが、ハンドベルやトーンチャイムで演奏するための記号やイラストが書かれているものです。
メロディーラインをハンドベルやトーンチャイムで演奏するためのものであったり、譜面通りにピアノと一緒に演奏すると伴奏になったりするものです。
簡単なアレンジになっていてクライエントが演奏しやすいような工夫がされています。
また、特に高齢者の音楽療法用として書かれた楽譜は、高齢者が歌いやすいように移調されていることも多いです。
原曲のキーで歌う事は、歌い応えがあり、気持ちの良いことかもしれません。
ですが、高齢者にとっては原曲のキーで歌う事は難しいことが多く、歌えない方もでてきてしまいます。
多くの方に歌ってもらうためには、適切なキーで伴奏することが大切です。
その為に、高齢者にとって歌いやすいキーにアレンジされている楽譜を利用することがあります。
まとめ
1.セッションでは、ピアノ、ギター、ハンドベル、タンバリンなどの、一般的によく知られた楽器が使われます。2.セッションで使われる楽器には、一般的によく知られていない、トーンチャイムやドレミパイプ、ロリポップドラムなどの楽器も使われます。
3.特に高齢者の為に行われる音楽療法のセッションでは、クライエントが歌いやすいキーで伴奏するために、移調された楽譜を利用することがあります。
音楽療法のセッションでは、ピアノなどの楽器以外に普段使い慣れない楽器を使用する場面もあります。
多くの楽器に関する知識などが必要になりますが、一つ一つの楽器に関して少しずつ慣れていければ問題はありません。
いろいろな楽器を使って、変化のあるセッションを楽しめるといいですね。