眠れない夜を過ごさなければならないことってありますよね。
環境が変わって眠れないとか、心配ごとがあって眠れないなど、眠れない理由は様々です。
眠れないことで困った時に、音楽療法は有効なのでしょうか?
音楽療法と睡眠についてご説明いたします。

■ 目次

同質の原理を利用しよう


音楽療法のセッションの中でよく使われるのが、同質の原理です。
同質の原理とは、自分の気持ちを代弁してくれるような音楽を聴くことで、気持ちが浄化されて、気持ちの切り替えができるという考え方です。

例えば、失恋して泣きそうな時には、一度思いきり泣いてしまった方が、泣いた後スッキリします。
これは、涙を流すことで、気持ちが浄化された証拠です。
音楽でも、涙と同じような作用が期待できます。

仕事がうまくいかなかった時も、励ましてくれるような元気ソングで気持ちを盛り上げたくなりますが、まずは落ち着いたテンポの暗めの曲を選んでみてください。

切ないメロディや歌詞の曲もたくさんありますよね。
適当な曲が思い浮かばなければ、インターネットを活用して「泣ける曲」などで検索するとヒットしたりしますよ。

音楽に気持ちを代弁してもらって、気持ちがスッキリした後は、やっと元気の出る曲の出番です。

きっと翌日からの仕事を頑張ろうという気持ちにさせてくれますよ。

受動的音楽療法でいい睡眠を手に入れよう


音楽療法には受動的音楽療法と能動的音楽療法があります。

受動的音楽療法とは、音楽を聴くことで、音楽がもたらす効果を得ようとする音楽療法です。

眠りたいのに眠れない時、まずは今の気持ちにあった曲を聴いてみます。

例えば、明日の仕事が気になって眠れないという状況であれば、気持ちは緊張している状態ではないでしょうか?

そんな時は、緊張感のある曲を聴いてみた後に、自分を励ましてくれるような曲を聴いてください。

そして最後に落ち着けるような、ゆったりとした曲を聴くのです。

気持ちが切り替えられて眠れるかもしれません。

また、眠れないことに気をとられていると、さらに眠れないという悪循環に陥りがちですが、音楽を聴くことに意識を向けることで悪循環から抜け出せるかもしれませんよ。

能動的音楽療法でいい睡眠を手に入れよう

能動的音楽療法とは、歌ったり、演奏したり、音楽に合わせた体操を行ったりする音楽療法のプログラムです。

歌うことで呼吸器を使い、演奏や体操で手足を動かします。

身体全体を使う事で程よい疲労感を得られます。

それが良い睡眠につながるのです。

能動的音楽療法の場合は、集団で行われることが多く、今の自分の気持ちにぴったりとあった曲ばかりがプログラムに入っているというわけではありません。

ただし、完全に合致していなくとも、同質の原理は活用できます。

音楽療法のプログラムは、起承転結を意識して作られています。

この起承転結のあるプログラムは、気持ちを徐々に音楽療法の世界へ誘ってくれて、気持ちを盛り上げ、最後には落ち着かせてくれます。

セッションが終わる頃には不思議と気持ちの切り替えができているということも少なくありません。

いろいろやっても眠れないなら
不眠に効くと言われるのは音楽療法だけではないですよね。

アロマで気分をリラックスさせてみたり、ジムでトレーニングしてみたり、不眠に効くツボを押すのも手軽にできていい方法です。

でも、何をしても眠れないということもあります。

この何をしても眠れない状態、数日続くくらいであれば、どこかで自力で疲れをリセットするタイミングがあるかもしれません。

ただし、何日も眠れず、疲れでいつものパフォーマンスが出来ず、仕事がうまくいかず、さらに眠れない原因になる心配ごとが増えてしまうことにもなりかねません。

そのような時は、1度医療機関を受診することも考えてみてください。

辛い状況から抜け出す手助けをしてくれますよ。

まとめ

1. 同質の原理を利用して、自分の気分に合った音楽を聴くことで、気持ちの切り替えができます。
2. 受動的音楽療法という、主に音楽を聴く形の音楽療法で、自分に合った曲を聴き、いい睡眠を手に入れましょう。
3. 能動的音楽療法という、音楽を歌ったり、演奏したりする音楽療法で適度に身体を動かし、いい睡眠を手に入れましょう。
4. どうしても眠れないときは、医療機関に頼ってみることも一つの手ですよ。

音楽療法で利用される同質の原理は、慣れれば誰でも活用できるものです。
自分の気分にあった音楽を選ぶことも、何度も行ううちにスムーズに選べるようになります。
ぴったりと合う曲を選ぶことで、気持ちを切り替えて、いい睡眠を得られるといいですね。


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