ランゲの代表曲と言っても良いのではないでしょうか。
個人的に思い出深くて、とても好きな曲です。
8分の6拍子で、エレガントな雰囲気が魅力ですよね。
小学生の頃、ピアノの発表会でこの曲を弾いたのですが、ピアノの先生が「次の発表会はこの曲を弾くのよ。」と言って、弾いてみてくれたことをいまだに覚えています。
その時、なんて素敵な曲なんだろう!自分がこれからこの曲を弾くなんて、ピアノ弾いててよかった!と、とてつもなく胸が高まったのを覚えています。
しかし、母がこの曲のイメージにあった発表会用のドレスを準備すると張り切り、用意されたのがサテン生地でできた真っピンクでド派手ドレス。
全くイメージにあってないし恥ずかしくてこんなの着れない!発表会に出たくない!と泣いたことを覚えています(笑)
子供ながら、こんなピンク色のドレスを着るような歳じゃない。と思いながら、結局そのドレスで発表会に出ました。やっぱり恥ずかしかったです。
そしてそのドレスはまだ実家のタンスの中に眠っております。懐かしいなぁ。
みなさんはそんな経験はありませんか?(笑)
難易度は?
さて、難易度は全音ピアノピースの難易度はB(初級上)になっています。しかしこの曲の美しさや激しさを表現するのはなかなか難しいと思いますので、そういった意味ではBという設定は低いかもしれないですね。
聴かせどころの多い曲ですので、とても弾きごたえのある曲だと思います。
ですので、初心者の方から上級者の方まで、幅広い方に挑戦していただきたい曲です!
この曲の言う「花」は、元気いっぱいなひまわり!大輪のユリ!というよりは、健気に咲く小さな花のイメージです。お花はあまり詳しくないのですが、ポピーやガーベラなどといったお花が頭に浮かびます。
私のように普段お花に興味がないという方も、この曲を弾くときばかりはお花達の美しさに思いを寄せて、ロマンティックな気分に浸ってみてはいかがでしょうか?
ロマンティックな気持ちで♩
前半部はメロディが本当に美しいですよね!
先ほどもお伝えした通り、ロマンティックな気持ちでまるでお花の良い香りまでもが漂ってくるようなイメージをもって弾いてみましょう!
この楽譜では速度の指定はレントなのですが、私の弾いていた楽譜の場合はレントモデラートでした。レントは大体テンポが♩=60。モデラートがだいたい♩=92なのですが、私は間を取って♩=76のテンポで弾いていました。
とても魅力的な曲なのですが、あまり悦に浸りすぎるとだんだん遅くなってしまいますので、気を付けましょう。
右手メロディはエレガントに歌い、左手伴奏がどっしりとそれを支えます。
メロディは手首に柔軟性を持たせて、よく歌えるようにしましょう。
アルペジオは少々やりすぎかな?くらいに弾いてよいと思います。
左手の伴奏の3連符の最初の音は、お腹の底からズーンと響かせるイメージで。
3連符の後の8分音符にはスタッカートがついていますが、意識しすぎてパッと短くしてしまうとこの曲には合いませんので、短く切るというよりは、短くスッと消えるようなイメージで弾きましょう。
クレッシェンドをして膨らんだと思ったら、すぐにデクレッシェンドをして・・・を繰り返します。風に揺られる花たちをイメージし、あくまでここの最大の強さはメゾフォルテ程度だということを頭に入れて弾きましょう。
10小節目からはエレガントなメロディから一変、まるで嵐が訪れたかのような場面です。
私は、強い雨風など、自然の脅威にさらされながらも、必死に耐える花たちの情景が浮かんできます。
ここはエスプレッシーボがついています。この記号は感情豊かに弾くという意味です。
右手がメロディと伴奏を一緒に弾くのですが、伴奏の主張が激しすぎるとメロディが消えてしまいますので、気を付けましょう。
また、ここは音が濁りやすくなるため、ペダルは浅めに、こまめに踏みかえましょう。
14小節目の左手の下っていくスケールはかっこよく決めたいですね。
ここも音が濁りやすいため、ペダルの踏みかえが必要です。
また、私の楽譜にはここにはラレンタンドがついていました。少々速度を緩やかにする。という意味ではありますが、スケールを正確に弾きこなしたいがゆえに、極度に遅くするのはいけません。
指先に集中して次に繋げる気持ちを持って弾けば、おのずと正確に弾けるようになりますので、速度を緩やかにするのはほどほどに。
20小節目はなんだか細かい音符が並んでいますね。
難しそう!と思わず、よく音符を見てみてください!ミ・ラ・#ドがただ並んでいるだけなんです!なので、案外簡単に弾くことができますよ!
また、ラピドゼフィローソという記号がついています。西風のように速く。という意味です。
ここはこの曲の見せ場の一つでもありますので、流れるように速く弾きこなしましょう♪
28小節目からは変ロ長調に転調します。
初めのエレガントなメロディも魅力的ですが、ここからの光に満ち溢れたようなメロディも素敵ですよね。
左手の伴奏はメロディの邪魔をしないように。特に和音なのでペダルも浅めに踏んだ方がよいと思います。
しかし、1拍目のオクターブ部分は響きを大切に。この1音に後からの16分音符たちが付随しているイメージで弾きます。
37小節目の3連符は先ほど出てきた20小節目の16分音符のように速く弾く必要はありませんが、ピアチェーレという記号がついています。この記号は気ままに弾くという意味があります。
まるで歌劇の中のソロパートを歌い上げているかのように・・・ここもこの曲の見せ場の一つですので、高らかに弾いてみてください!
55小節目からラストにかけては和音が続きますね。
55・56小節目で気を付けたいのが装飾音符です。
次に弾くレ・シ♭の二つの音をちゃんと同時に打鍵して音が鳴るように、装飾音符を鳴らす前には和音を弾くときの手の形を作って準備しておきましょう。
同じことは57小節目からのアルペジオのついた和音にも言えます。
音を鳴らす前に手の形を準備しておくことによって、スムーズに美しく和音を弾くことができます。
また、和音が続く・・・と憂鬱になってしまいそうですが、ここからの和音はすべてド・ファ・ラのみで構成されている和音です。
なので、あまり身構える必要はありませんよ!
まとめ
1、エレガントな気分で美しく弾く♪2、雰囲気に浸りすぎてテンポが遅くなるのに注意!
3、聴かせどころはかっこよく流れるように弾きこなす!
いかがでしたでしょうか?技巧的な部分はほとんどありませんが、だからこそ初心者の方から上級者の方まで楽しむことがてきる曲だと思います。ぜひ、レパートリーに加えてみてくださいね。
「花の歌」の無料楽譜
- IMSLP(楽譜リンク)
本記事はこの楽譜を用いて作成しました。イクリプス社から出版されたパブリックドメインの楽譜です。
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