私が、ジャズに触れたのは、学生の頃、二十歳そこそこ。当時、学生街にあったジャズバーの親切なマスターに、ジャズのいろはから教えてもらいました。

あれから10数年。時間を見つけては、ジャズセッションにお邪魔させてもらい、自宅で練習してきた成果を発揮するぞ~と意気込み、いざ本番ってときに、頭が真っ白になることもしょっちゅう…

クラシックピアノは小学生の頃に数年間習ってはいましたが、チェルニー(教則本)までは到達できずに習うことをやめ、その後は、全くの独学。練習方法については、人それぞれのやり方があると思いますが、私なりの練習方法が少しでもお役に立てればいいな、と思い、ご紹介させていただきます。

■ 目次

メトロノームにあわせて

基本はこれ。とにかくテンポキープができるように。難曲でも、ジャズの場合、フリーテンポ(ドラムソロなどで、途中からテンポを無視して自由に叩くみたいな時のテンポ)にならない限りは、一つのメトロノームがバンドマンの頭の中で鳴っていて、それに合わせて演奏者がそれぞれ自由に演奏する、といったイメージ。

心地よい演奏をする上での重要な鍵の一つは、テンポキープがしっかりできているかどうか、だと思います。個人的には、名演といわれる楽曲をきいていると、テンポがしっかりキープされていて、聴いていてとても心地よく感じる気がします。

テンポがしっかりしている、というのは、演奏がキレッキレで、ロックのような演奏、という意味ではなく、(語弊があるかもしれませんが)たとえ、ふわっとしたボサノバの演奏でも、テンポ自体はしっかりキープされており、そのおかげで、聴いていてすごく心地よいのだと、個人的には思っています。

また、ドラムの見せ場である、フォーバース、と呼ばれる、楽器隊との掛け合い、みたいな場面においても、ドラムがなんだか複雑なことをしていても、テンポがしっかりしていると、数小節のドラムソロからの楽器隊への受け渡しが気持ちよいほどスムーズ。

2・4拍目にメトロノームをもってくる練習

他の教則本でもよく紹介されていますが、これ、慣れるまで、結構ムズイ…
カチッカチッと鳴っているメトロノーム、単純に1・2・3~のカウントとして練習するのもいいのですが、例えばBPM120の場合、半分のBPM60のテンポにメトロノームを合わせて、更に、そのカチッカチッが、2・4拍目になるようにします。最初は1・3拍目にどうしても合わせてしまったり、途中から、わけわからなくなったり、とてこずるかもしれませんが、演奏中にオーディエンスが手拍子をしているようなイメージで、メトロノームのカウントを感じると、だんだんと慣れてくるはず。

慣れてくると、ジャズ特有のノリを出す練習には最適な練習方法ではないかと思います。ついでに、最近は、メトロノームアプリなんてものもあるので、活用するのも手です。

メトロノームiosアプリ
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マイナスワン音源を活用

マイナスワンとは、自身が練習したい楽器以外の楽器が演奏されている音源のこと。カラオケ、みたいなものです。例えば、ジャズピアノを練習したい場合、ドラムとベースの音源があれば、それに合わせて自身のピアノを弾けば、まるでジャズセッションをしているような気分。

おすすめは、黒本とよばれるスタンダード曲集に同梱されているCD



楽譜とともに、数曲のカラオケ音源等が入っていますので、手軽に練習ができます。私は、上手なリズム隊に囲まれて弾くと、なんだか自分もうまくなった気になっちゃいます。

更に、おすすめiosアプリ(iReal Pro)がありまして…
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こちら、莫大なスタンダード曲を収録。ドラム・ピアノ・ベースの構成で伴奏をしてくれます。さらに、テンポや、キー、各楽器の音量バランスなども設定できるという優れもの。ジャズマンの方で、これで練習されている方も多いのではないのでしょうか。


自分の耳を肥やす

ネット等で様々な名演を見ることができる現在、これらを見ない手はありません。過去の名演と呼ばれる演奏やライブ映像、現在の新進気鋭のジャズマンの演奏なども、刺激になります。また、ジャズのみならず、他のジャンルに興味を持つことも自身の音楽の幅を広げることになると思います。

私は、ジャズに興味を持つ前は、吹奏楽が好きでしたし、ギターやベースを弾くことも(下手ですが)大好きです。楽器が持つ性格や、ピアノとは違う構造の楽器を弾くことで、ピアノでは思いもつかないようなフレーズやアイデアが生まれることもあります。

いろいろな練習方法があり、それぞれ自分にあったものを見つけて、ジャズセッションがより楽しいものになる様に、さぁ、私も練習練習。


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