音楽療法士の資格について調べていると、いくつかの資格の種類があるのがわかります。
でも、たくさんあってもそれぞれの資格がどのような資格なのかわからないですよね。

私自身は音楽療法士(1種)と認定音楽療法士(補)の資格を持っています。
私は大学に通い取得しましたが、資格を取る方法はそれだけではありません。

そこで数ある音楽療法士の資格について、種類や概要、取り方をご紹介します。

■ 目次

国家資格はあるの?


音楽療法は医療の現場でリハビリなどでも使われます。リハビリで思い浮かぶのが、理学療法士や言語聴覚士など、音楽療法士と同じように○○○士とつく職業です。理学療法士や言語聴覚士は国家資格ですが、残念ながら音楽療法士は国家資格ではありません。

私が大学生だった15年近く前、国家資格化に向けて先生方が尽力されていました。でもいまだに国家資格化はされていませんし、その気配がないのも現状です。

そのため、今ある音楽療法士の資格は、学会やNPO法人、地域の社会福祉協議会などが認定しているものになります。

音楽療法士の資格の種類

私が所有している資格のうちのひとつ、認定音楽療法士(補)の資格は日本音楽療法学会が認定している資格です。

日本音楽療法学会は音楽療法の啓発・普及活動と、会員の資質向上を目指して活動する団体です。
この団体が認定しているのが認定音楽療法士であり、その認定音楽療法士になるための試験を受けるために必要な資格が、認定音楽療法士(補)という資格です。

そして私が持っているもう一つの資格である音楽療法士(1種)という資格ですが、こちらは全国音楽療法士養成協議会が認定している資格になります。
この資格は大学の音楽療法専攻など、決められたカリキュラムを履修すると取得できる資格です。ちなみに1種は大学、2種は短大(一部大学)、専修は大学や大学院で取得が可能です。

その他にも地域によっては、独自に音楽療法士を認定している団体があります。
岐阜県には、ぎふ音楽療法協会の岐阜県音楽療法士、奈良市には、奈良市社会福祉協議会の奈良市音楽療法士、兵庫県には、兵庫県音楽療法士会の兵庫県音楽療法士があります。

音楽療法士の資格の概要

音楽療法士の資格は数ありますが、どれも公的な資格ではありません。したがって、理学療法士や言語聴覚士のように、資格がないとリハビリができないというように、音楽療法士の資格を持っていないからといって音楽療法ができないということはありません。

ただし、なかには認定音楽療法士や音楽療法士(1種)の資格を求める施設や病院もあります。

専門的な知識が必要なセラピーなので、専門的な教育を受けていることを重視していることが必要だと考えるからでしょう。

音楽療法士の資格の取り方


資格の中で一番メジャーな、日本音楽療法学会が認定する、認定音楽療法士の資格を取るためには、まず認定音楽療法士(補)という資格を取る必要があります。

それには二つの方法があります。

一つは私のように音楽療法が学べる大学などに通い、所定のカリキュラムを履修して、卒業時に認定音楽療法士(補)の試験を受ける方法です。

もう一つは一般の大学、短大、高専、専門学校卒業者が臨床経験を積んで、実技試験や、面接、必修講習会の受講で認定音楽療法士(補)試験の受験資格を得て、受験するというものです。

認定音楽療法士(補)に合格した後、面接試験や実技試験を経て合格した人が認定音楽療法士になることができます。

私が認定音楽療法士(補)の資格を取ったころは、認定音楽療法士になるためには、実務経験や、実際に認定音楽療法士として活動されている先生に就いて勉強する必要があったのですが、今ではその条件はなくなっているみたいですね。

ちなみに、音楽療法士の国家資格化を働きかけているのは、この日本音楽療法学会という団体ですので、もし国家資格になるとしたら、この学会の認定資格を持っていると、国家試験の際に免除される科目があったりするかもしれません。

そして、音楽療法士1種、2種、専修の資格を取るためには、音楽療法が学べる大学や短大、大学院に通う必要があります。

専修資格が取れるのは、大学院が一校、大学が一校、1種資格が取れるのは、大学が7校、
2種資格がとれるのは大学4校、短期大学が13校です。

大学に4年間通って、それでも2種資格となるのは、音楽学科などで音楽療法に特化して学ぶのではなく、リハビリの学科や音楽教育の学科など、他の勉強の一環として音楽療法を学んだ場合みたいですね。

その他の資格については、認定している団体によって様々なようです。認定音楽療法士などを持っていれば認定される団体もあれば、独自の講習会を受講することで認定される団体もあります。

まとめ

1.今のところ国家資格ではないが、将来はあり得る
2.音楽療法士の資格には、認定音楽療法士、音楽療法士(1種)資格などのほかに、兵庫県音楽療法士などの資格がある
3.音楽療法士の資格は、持っていないと音楽療法ができないわけではないが、持っていることを求める施設や病院もある
4.音楽療法士の資格の取り方は、音楽療法が専門的に学べる大学や短大に通う方法と、一般的な大学などを卒業してから、実務経験を積む方法、各団体が開催する講習を受講する方法などがある

音楽療法士になるにはたくさんの方法があります。
選択肢がたくさんあるということは、自分に合った方法で勉強ができるということです。自分のライフスタイルに合った方法で資格取得を目指せるのがいいですよね。


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