ヴァイオリンを始めて間もないと、ヴァイオリン協奏曲(コンチェルト)と聞くだけで“えっ無理、難しそう”と構えてしまいますよね。確かに、逆立ちしてもムリ!な曲もありますが、すぐに弾けるようになるコンチェルトもあるんですよ。
今回は、ヴァイオリンコンチェルトの中から有名なものを中心に取り上げ、独断でおおまかですが難易度順を付けてご紹介します。
■ 目次
- 1 ヴァイオリン協奏曲とは?
- 2 レベル1 初めてのコンチェルト!
- 3 レベル2
- 4 レベル3
- 5 レベル4
- 6 レベル5
- 7 レベル6
- 8 レベル7
- 9 レベル8+
- 9.1 ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
- 9.2 ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調Op.22
- 9.3 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
- 9.4 バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番イ長調Sz.36
- 9.5 パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1-6番
- 9.6 ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番
- 9.7 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
- 9.8 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
- 9.9 ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
- 9.10 エルガー:ヴァイオリン協奏曲ロ短調Op.61
- 9.11 プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番
- 9.12 シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調Op.47
- 9.13 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35
- 10 かなりいやらしいレベル
- 11 まとめ
ヴァイオリン協奏曲とは?
ヴァイオリン協奏曲とは、簡単に言うとヴァイオリンとオーケストラ(またはピアノ)のための作品のことです。作曲された時代によって音楽形式は違うので、一楽章しかないものもありますが大抵は三楽章構成で、ソリストがヴァイオリンの技巧をめいいっぱい表現できるように作曲されているのが特徴です。ソリストの独奏“カデンツァ”は見せ場ですね。レベル1 初めてのコンチェルト!
リーディング:ヴァイオリン協奏曲ロ短調Op.35
ヴァイオリンとピアノのためのコンチェルトです。ヴァイオリン初心者にとって初めての“大曲”になることが多いですね。ファーストポジションだけで弾けて、テンポも速くなく、特にややこしいリズムもないのに美しくてステージでも映える曲です。楽譜:ベーレンライター社
ザイツ:学生のためのヴァイオリン協奏曲第2番、第5番
この二曲は、重音やリズムの変化もたくさんでてきて難しそうですがファーストポジションだけで弾けます。速いスタッカートやスラースタッカート、十六分音符スラーなどのよい勉強になります。学生のためのヴァイオリン協奏曲第2番ト長調Op.13
学生のためのヴァイオリン協奏曲第5番ニ長調Op.22
CD:ザイツ コンチェルト集 第1集
楽譜:ザイツ 学生協奏曲集【第2番、第3番、第5番】/全音楽譜出版社
レベル2
ザイツ:学生のためのヴァイオリン協奏曲第3番ト短調Op.12
同じくザイツの学生のためのコンチェルトから。ポジション移動や、複雑なリズムの練習になります。レベル3
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲ト短調RV.317
よく使われるヴァイオリン教則本にも出てきます。とりたてて難しい技巧は出てきませんが、全楽章通して弾くのはけっこう大変かもしれません。第一楽章だけ取り出してしっかり勉強するのもいいですね。楽譜:ヴァイオリン協奏曲イ短調R.356/ト短調R.317/全音楽譜出版社
レベル4
アッコーライ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
一楽章構成ですが、第1ポジションから第5ポジションへの移動、三連符、より複雑なリズムなどの技術的なものも含めて音楽的にも完成度の高い練習用協奏曲です。ヴァイオリンの基礎の総まとめ曲、という感じですね。楽譜:インターナショナル・ミュージック社
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第4番ト長調Hob.VIIa:4
派手さはないものの、きちんとした技術が要求される曲です。十六分音符や装飾音符など弦楽室内音楽の雰囲気がいいですね。弦楽器の繊細な音を楽しむのにぴったりです。楽譜:ヘンレ社/原典版
レベル5
バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番、第3番(2つのヴァイオリンのための協奏曲)
さてこの辺りで美しい美しいバッハのコンチェルトを。どの曲もどの楽章も傑作中の傑作だと思いません?ここからは“練習用のコンチェルト”ではなく、本格的な完成された曲になっていきます。ここまでくると、満足できる演奏に仕上げるためには単に技術的な音楽の勉強だけでなくより幅広い経験や洞察が必要になることに気付くようになります。ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調BWV1041
ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV1042
2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
CD:バッハ ヴァイオリン協奏曲集/ヒラリー・ハーン(演奏)、ジェフリー・カヘイン(指揮)
楽譜:ヴァイオリン協奏曲 第1番/オイストラフ編/ペータース社
楽譜:ヴァイオリン協奏曲 第2番/ペータース社
楽譜:2つのヴァイオリンのための協奏曲/オイストラフ編/ペータース社
レベル6
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
モーツァルトの5曲のコンチェルトの中で一番にとりかかるのがこの曲です。難しい技巧は必要ないけれど、からだの中に音楽を染み込ませるくらい弾きこめば、モーツァルトらしい音を出すとはどういうことかを感じることができると思います。楽譜:ヴァイオリン協奏曲第3番/ベーレンライター社/新モーツァルト全集版
レベル7
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番、第5番
引き続きモーツァルト。1番と2番を先に弾いてもいいけれど、飛ばすならぜひ5番を。通称「トルコ風」です。モーツァルトの協奏曲から厳選すれば3番と5番になるでしょうね。ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219
CD:ヴァイオリン協奏曲第3、4、5番/ギドン・クレーメル(演奏)、ニコラウス・アーノンクール(指揮)
楽譜:ヴァイオリン協奏曲第4番/ベーレンライター社/新モーツァルト全集版
楽譜:ヴァイオリン協奏曲第5番/ベーレンライター社/新モーツァルト全集版
レベル8+
ここからは音大の入試課題曲に取り上げられます。幅広いテクニックと音楽性が要求され、仕上げるのに何か月もかかるのが普通です。これ以降はレベルについてはあまり語ることができないと思っているのでまとめてご紹介します。あえて言えば、ブルッフの1番とメンデルスゾーンはとりかかりやすいかもしれません。ブラームス、パガニーニとシベリウスは後回しかな。あとは演奏を聴いたり楽譜をさらってみたりしてお好みで。
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26
ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調Op.22
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第1番イ長調Sz.36
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1-6番
ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調Op.6ヴァイオリン協奏曲第2番「ラ・カンパネラ」ロ短調Op.7
ヴァイオリン協奏曲第3番ホ長調M.S.50
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番
ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調Op.77ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
エルガー:ヴァイオリン協奏曲ロ短調Op.61
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番
ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調Op.19ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調Op.63