「楽器が吹けたらかっこいいなー」
「フルートを吹いてる人って綺麗だなー」

そう思って、社会人になってから楽器を始めた方はいませんか?わたしもその一人です。

楽器屋さんに飾ってあるフルートを見たり、学生時代にさらっとフルートを吹きこなしていた同級生を思い出したりして、「あの美しい楽器できれいな音を出して、大好きなあの曲を演奏してみたい」と思ったのは私だけではないはずです。

 でも、フルートを手に取り、いざ練習を始めようとしたとき、「えー!全く音が出ない」「なんでみんな涼しい顔して吹いてるの?」とか、
「この前まで調子よかったんだけど、なんかいい音が出ないな」と思った方もいらっしゃると思います。

そういうときは、基本的なところへ戻ってみましょう。基本を見直すことで、安定した音が出せるようになり、難しい表現をしたいときの助けになりますよ!

■ 目次

唇を正しい位置に当てているか

よく言われる、楽器の正しい当て方というのが、
1. 歌口が1/4から1/3くらいふさがるように、下唇を当てること
2. 頭部管を下から唇に少し押さえつけるような、下唇がリッププレート(唇が当たる部分)に乗っかっている感じで当てることです。

音がかすれるときは、「唇と歌口の位置がずれている」ことが考えられます。そのときに使うといいのが「鏡」。鏡を見ながら、下唇と、歌口が平行になっているか、確認してみましょう。

レッスンに通っている場合は、先生が「ここが音が出るポイント」と言ったとき、唇の位置を鏡で見て、唇の感触を覚えて体にインプットさせるといいです。そこがいい音を出すためのポイント。一番大切なところです!吹いたときに、リッププレートの先に三角形の曇の跡がつけば、正しい音がでている印になります。

初めのうちは、そのポイントを忘れないように、口から頭部管を離して、もう一度自分で当ててみるという作業を何度もやることもオススメです。

こちらの動画で、頭部管を使って音を出す練習方法が詳しく説明されています。
初めてのかたは、これを参考に基礎を固めるのもいいかと思います。

楽器を正しい位置に構えているか

フルートを吹くときは、「楽器を持つ、にぎる」というより、「支える」ことが大切です。支える場所というのが、
1.唇
2.左手人差し指の付け根
3.右手の親指です。

「右手親指で楽器を少し押す、左手の人差し指付け根でそれを受け止める」ような感じです。3点で支える「てこの原理」を使います。

私は初心者のころ、指で持つことに頼っていて、ずれやすい指使い(右手の小指の穴だけを押さえるド#など)のときに楽器がグラっと落ちそうになり怖い思いをしました。

楽器が不安定になると、唇の位置がずれて音がかすれるので、早いうちから正しい構えで演奏するくせをつけるのは大切だなあと思います。

フルートを始めてすぐは、楽器を支える力がなく、知らぬ間に楽器が内側を向いたり、唇の当たる位置が変わったりしてしまうときがあります。

それはそうですよね。フルートというのは、意外と重たいし、片側に楽器を構えるという、普段なかなかしない姿勢で演奏する楽器です。吹いている途中に楽器がずれてしまったり、肩や腕が痛くなったりします。

私もレッスンに通い始めた当初は、30分のレッスン中でも肩が凝っていました。でも、慣れれば徐々に楽器を持てる時間も長くなって、いい音が出るポイントもわかるようになるものです。


唇に力が入りすぎていないか

私は久しぶりにフルートを吹いたとき、フルートに息を吹き込むことを意識しすぎて、唇を締めすぎていたことがありました。

「なんか、伸びやかな音が出ないなー」と思った時、昔レッスンで先生に言われた「唇の力を抜く、口の中で響かせる」というのを意識したところ、響きのある音に変わりました。

意外と、唇の力を抜いた方が楽に音が出ます。そして「私はラクラク音が出るんだー」とイメージしながら、少し目線を上のほうへやり、肩の力も抜きつつ、楽器に音を吹き込みます。

すると、少し音質が変わるはずです。

綺麗な音が出ると、体全体に響き渡るような感覚があり、嬉しく、そして楽しくなります。


まとめ

初めてフルートを吹く時、振り返ってほしいポイント
1. 唇を正しい位置に当てているか
2. 楽器を正しい位置に構えているか
3. 唇に力が入りすぎていないか

まずはこれを見直してみましょう。

綺麗な音が出るようになれば、フルートを吹くのがどんどん楽しくなりますよ。基礎からしっかりマスターして、憧れのあの曲を美しい音色で吹けるようになるために練習していきましょう。


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