ジャズピアノの練習において、理論を学んだり、先輩ジャズマンから技術を盗んだり、といった過程を経て、自分なりの音づかい作っていることと思います。今回は、私が、ジャズセッションの場などで実践している演奏上の小技等についていくつかご紹介させていただきます。

狙った音の前に、半音でアプローチ

素早くアプローチでも良いですし、しっかり弾いてアドリブのフレーズの音づかいに役立てても、どちらでも大丈夫。

例えば、ハ長調(ドレミファソラシドー)の場合、特に、ミ、ソ、ラ、あたりを狙って、半音下あたりから弾くと、あら不思議オシャレになります。また、特に私が好きなのは、レ、にむかって、ミ♭からレに向かって滑らせるように弾く、という音づかい。なかなかおしゃれなので、ついつい多用してしまい、おおっと聞いている人が飽きてきているぞ、なんて失敗も…使いすぎには注意ですね。

間(ま)を空ける

絵画などの他の芸術的作品との共通点もあるかもしれませんが、休符を弾く、間を空ける、ってのは、なかなか勇気が必要。アドリブというと、何か弾かなくちゃといった気分になりますが、敢えて、弾かないという選択肢もあります。適度な間は演奏全体を引き締めたり、間の後の旋律がより強調されたりと、いろんな効果をもたらしてくれます。

私の場合、アドリブの途中で、コード進行を見失って迷子になっている時に、間が生まれたりもしますが…こらこら

とにかく、適度に間を空けつつ演奏するのは、聴き手側としても聞きやすいもの。特に、息継ぎの必要のないピアノやギター等は、間を空けずに弾こうと思えば半永久的にいくらでも弾けるので、逆に注意が必要。サックスなどの息継ぎが必要な楽器であれば、自然とフレーズとフレーズの間に間ができますが、鍵盤楽器や弦楽器などは特に注意する必要があるかもしれません。

よく、ピアノを弾きながら、うー、とか、あーとかうなり声をあげながら弾く方がいますが、フレーズに合わせて呼吸(口ずさむ)すると、自然と間ができるので、弾きながら息を吐くってのも一つのいい方法です。


アイコンタクト

盛り上げるぞ〜テンポを倍にするぞ〜など即興演奏が命のジャズ演奏において、相手の目や表情を見て、感じて共に良い時間を過ごす、これはジャズの醍醐味の一つです。演奏テクニックではないかもしれませんが、その一曲をどれだけドラマチックに聞き手に届けらるかは、演奏者の一体感にかかっているいる気がします。

自宅でアドリブフレーズを一生懸命練習して、いざセッションの場で披露。おおっ、練習したコード進行と同じコード進行を発見!練習してきたフレーズを繰り出して、次はこのフレーズ、そして、次はあの教則本に載っていたあのフレーズも弾いて…と、自分の世界に没頭しすぎると、他の演奏者との一体感が損なわれてしまいます。

演奏のフレーズは教則本通りでも、その場の雰囲気やお客さんの年齢層、ノリ、なども考えながら、フレーズを上手に繰り出していくことは、ジャズセッションにおいて、重要なテクニックの一つです。

手紙の文章でも、拝啓○○の候、いかがお過ごし…といった書き出しが良いですよ、と本に書いてあっても、例えば、親しい友達とのメールでの書き出しで、拝啓…と書き出すことはなく、元気~?みたいな軽いノリで書き出しますよね。状況に応じ、相手に合わせたやりとり(演奏)が必要になってきます。

半拍程度前へ

教則本でもよく見かけますが、手軽にフレーズをアレンジする小技の一つとして、音符のリズムを少し前に持ってくる方法があります(アウフタクト気味に音符を配置する方法)。

ジャズの場合、スウィングしたリズムで演奏されることも多く、リズムも少しはねた感じで演奏されることが多いです。その中で、一拍目の音符などは、半拍程度前の小節に食い込むように弾いてあげると、ノリが出てきます。クラシックのように、楽譜通りに弾かないとダメ、といった縛りは一切ジャズにはありませんので、フレーズのリズムはどんどん崩して新しいフレーズを繰り出してみてください。


以上、私なりのジャズ演奏における、小技などの紹介でした。ジャズの醍醐味はやはり、即興演奏と、ジャズセッションなどで自身の想像とは違うより良い演奏ができた時の喜び、ではないかと思います。その場限りの素敵な演奏が今後もたくさん生まれますように!